神戸大学 医学部付属病院

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神経分化・再生5年生(取材当時) 織井 小百合「ここで知り合えた人との関わりが将来に活きる」

※専攻・学年は取材時のものです。

写真:織井 小百合

Q.いつ頃から医学研究コースを履修しようと考え始めたのですか?
またそのきっかけは何ですか?
1年生の時からです。神戸大学入学前に別の大学・大学院に通っており、その当時から研究活動を行っていたこと、また医師として働き始めた後も研究に少しは携わりたいと思っていたこともあり、入学時から医学研究コースの履修を考えていました。
Q.この分野を選んだ理由は?
細胞を用いた研究から個体 (マウス) を用いた研究までできるからです。以前の大学では細胞生物学や分子生物学の研究をしており、培養細胞を用いる経験はできた一方、分子や細胞の個体への影響までは調べることができず、自分の研究が何のための研究なのか実感することができずにもやもやしていました。そのため所属研究室を選ぶ際は、これまでの分子生物学的な研究経験が活かせるうえで個体レベルの研究ができるところに行きたいと思い、この分野を選びました。

写真:織井 小百合

Q.このプログラムの魅力は何ですか?
他の受講生や他大の学生と関われるところです。神戸大学内には様々な分野の研究室があり、そのそれぞれで全く異なる研究が行われています。医学研究コース履修生の有志で企画・運営している神戸大学医学部学生研究会では、多くの履修生を集めて交流会や勉強会等を開催しており、自分が全く経験していない研究についても知見を広げることができ面白いです。
また、これまで神戸大学が単独で開催していたリトリートが、2024年度から京都大・大阪大・神戸大の合同開催になり、他大の方と関わる機会も増えました。京都大学や大阪大学にも熱心に研究活動を行っている学部生がおり、そのような方との交流は非常に刺激になりました。
Q.現在の取り組み、今後の取り組みを教えて下さい。
ある先天性疾患を引き起こす変異遺伝子を条件的に発現させることで、長期的な維持・繁殖をしつつ、致死的な病態も再現した病態モデルマウスを作製しました。この結果をもって、先日学会にも参加させていただきました。
また私は、神戸大学医学部学生研究会のメンバーとして、上述のように交流会や勉強会を開催しています。研究に興味がある学生には研究への敷居を下げられるように、すでに研究している学生にはより幅広い知識を得たり研究へのモチベーションを上げたりできるように、学内で定期的に何らかのイベントを開催しています。さらに、京阪神合同リトリートの企画も行い、先生方や事務の方のお力も借りながら、日々の研究活動の結果を気軽に発表できる場や、普段話を聞けないような外部の先生のお話を聞く機会を設けました。研究活動だけでなく、医学研究の履修生としてイベントの企画を行うことも非常に楽しいです。

写真:織井 小百合

Q.このプログラムに参加し、得たことがあなたの将来にどのように活かされると思いますか?
ある病気の病態を具体的に調べる経験は、臨床現場に立ったときにも活きると思います。医学部の授業ではとにかく病気の症状や治療法の暗記を求められる場面が多いですが、実際に病院で働いていらっしゃる先生方は、授業では習わないような細かい病気のメカニズムや薬の作用を考えたうえで治療にあたっていらっしゃいます。研究活動を通して疾患に対して思考を巡らすことは、病院で働いた後でも活きる経験だと思いました。
また学部生のうちから、活躍されている先生や、他学年、他大学の人との交流が持てることも、将来的に大きなアドバンテージになると思います。学内外を問わず多くのイベントに出席して、多くの人と関われたことは、将来の自分が困ったときの助けになるのではと思っています。
Q.これから履修を考えている学生へ一言
将来研究をしたい人もそうでない人も、学部生のうちから研究に触れることは幅広い視点を持つきっかけになると思います。研究に孤独なイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、人と関われる機会は多くあるし、多く持つべきだと私は考えます。ぜひ楽しんで研究活動を行ってください。