神戸大学 医学部付属病院

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神経分化・再生5年生(取材当時) 中原 廣大「研究を通じて得られた経験が人生を彩る」

※専攻・学年は取材時のものです。

写真:中原 廣大

Q.いつ頃から医学研究コースを履修しようと考え始めたのですか?
またそのきっかけは何ですか?
2年生の基礎配属実習が終わったころです。この実習でいろいろな実験をさせていただいたことで、実験の楽しさ、研究の奥深さの一端を実感し、3年生から医学研究コースを履修しようと考えました。
Q.この分野を選んだ理由は?
基礎配属実習では現在とは別の分野で実習をさせていただいたのですが、コロナ禍に入りスムーズに医学研究の履修へ移行することができず、そのタイミングでこれから医学研究を履修するにあたって興味のある分野について考えなおしました。当時私は小児疾患、先天異常に興味があり、また2年生で学んだ発生学で、受精卵が出生までに遂げるダイナミックな変化に面白さを感じたため、医学研究を通じて発生学についての最先端の研究に触れてみたいと考え、先生からの紹介を受けて、神経分化・再生分野に所属させていただきました。

写真:中原 廣大

Q.このプログラムの魅力は何ですか?
やはり、学部生という立場で本格的に基礎研究に触れられるという点が一番の魅力だと考えます。自分の研究テーマを持ち、実験計画を作成し、授業や実習、バイトや部活動などに合わせたスケジュールで研究室に通い、実験を行うことができます。先生方も懇切丁寧に指導してくださり、テーマや計画・スケジュールの立て方、今後行うべき実験など様々なことについて相談に乗ってくださります。実験手技だけでなく、発表スライドの作成やプレゼンテーションの方法、論文の読み方など他分野でも活用できる技術についても学ぶことができます。また、ともに研究に携わる学生と交流できる点も魅力的だと考えます。定期的に交流会が行われており、同じ研究室の仲間だけでなく、ほかの分野に所属する学生、他大学の学生の研究を知り、コミュニケーションをとることができます。
Q.現在の取り組み、今後の取り組みを教えて下さい。
私は、家族性に神経芽腫を発症した症例で同定された遺伝子変異をマウスに導入し、変異による発生への影響や神経芽腫の発症機序を解明することをテーマに研究に取り組んでいます。現在は、作製した変異導入マウスの胎児における交感神経節や副腎髄質の解析、in vitroでの遺伝子変異の機能解析に取り組んでいます。

写真:中原 廣大

Q.このプログラムに参加し、得たことがあなたの将来にどのように活かされると思いますか?
学部生のうちに基礎研究に触れることで、将来の進路についての選択肢がより広まると思います。また、目標に対して自分で計画・スケジュールを立てる能力、プレゼンテーション能力など、これからの人生において必ず役に立つ能力を身につけられます。先生方や研究に携わる他の学生とのつながりも、かけがえのない財産になると考えています。
Q.これから履修を考えている学生へ一言
研究に少しでも興味がある方は、ぜひ本プログラムを履修していただきたいです。医学部のカリキュラムだけでは体験しきれない基礎研究の世界を学生のうちに知ることができるのは、とても貴重で有意義な経験になるはずです。失敗やうまくいかないことに直面するときもあるとは思いますが、先生方は必ず助けてくださいます。様々なことに恐れずチャレンジすることが大事だと考えます。将来の進路についても、本プログラムを履修したからといって必ず基礎に進まなければならないということはありません。基礎か臨床か迷っている方、臨床に進むと決めている方も、基礎研究に触れ新たな視点から進路を検討するきっかけになると思います。分野の選択、大学や部活動との両立など履修にあたって不安なことや疑問がある場合は、いくつかの研究室を見学に行くことをお勧めします。実際に研究室を見学し先生方と直接お話することで、自分に合った分野を選択できると思います。医学研究に携わり、より豊かなキャンパスライフを送ってみませんか!