神戸大学 医学部付属病院

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システム生理学4年生橋本 明香里「本当の「学び」の面白さに気付きました」

※専攻・学年は取材時のものです。

写真:橋本 明香里

Q.いつ頃から医学研究コースを履修しようと考え始めたのですか?
またそのきっかけは何ですか?
私が医学研究コースを履修しようと決めたのは3年生の4月です。2年生の基礎配属でシステム生理学分野にお世話になり、その時に大きな学会に連れて行っていただいたのがきっかけです。その学会では、同研究室の先生や著名な先生のご講演を聞いて、神経科学の面白さに引き付けられました。さらに、自分と同じような医学部の学部学生が立派に学会発表をしている姿に感銘を受け、私も挑戦してみたい、と思ったのがきっかけです。
Q.この分野を選んだ理由は?
2光子顕微鏡で生きたままマウスの神経細胞やグリア細胞の活動を見れるのですが、その美しさに魅了されました。また、ラボの雰囲気がとても好きで、それもシステム生理学分野に決めた理由の一つです。

写真:橋本 明香里

Q.このプログラムの魅力は何ですか?
何よりも「学部生という立場で本格的に基礎研究ができる」という点だと思います。多くの人は医学部で6年を過ごした後、初期研修、後期研修と進まれると思いますが、こうなるとなかなか基礎研究に触れる機会がないのではないかと思います。学部生という忙しいながらもまだ自分の時間を作ることができる時期に基礎研究に挑戦することで、自分の将来の選択肢を、臨床だけでなく基礎も含めて、より広い視野で検討することができると思います。
Q.現在の取り組み、今後の取り組みを教えて下さい。
私は2光子顕微鏡などの技術を用いて、「視覚を失ったときに脳はどのようにそれを代償するのか?」ということを研究しています。ラボではこの研究は私が初めての試みであって、論文検索や仮説設定、プロトコルの作製なども一から先生とやっていくので、わくわくしながら研究しています。今後は、よりデータを固めていき、最終的には論文の形にできるよう頑張りたいと思っております。

写真:橋本 明香里

Q.このプログラムに参加し、得たことがあなたの将来にどのように活かされると思いますか?
神戸大学の研究プログラムでは、様々な学部生の研究会や、学会参加費の補助などでお世話になっております。「基礎・臨床融合による基礎医学研究医の養成プログラム研修会」では、神戸大学で基礎研究をしてらっしゃる教授や先生といった、その道のトップの方々と直接お話ができました。今でもその時にお会いした先生方に「研究どう?頑張ってね」と時々声をかけていただき、大変励みになっています。また、学会参加費の支援を活用して、学会発表の機会を二回いただき、オーラルとポスターでの発表をしました。プレゼンテーション能力の向上に加え、多くの先輩研究者からのフィードバックをいただき、大変良い勉強になりました。このような研究会や発表の機会があることで、今自分がどの位置に立っているのかを客観的にみることができ、その後の研究の道筋が見えてきます。さらに、これは基礎研究をすることによるメリットなのですが、研究の考え方や論文の探し方や読み方、ディスカッション能力も身についていきます。
Q.これから履修を考えている学生へ一言
私の周りの同級生を見ていて感じることなのですが、研究への敷居を実際以上に高く見すぎていると思います。また、初めから臨床医になることしか興味がない、という人も多く見受けられます。実は私自身もその一員でした。しかしながら大学というのは研究をするのにもってこいな環境であり、思い込みだけでそのチャンスを逃すのは大変もったいないと思います。「将来は臨床!」と思っている人も、学生の間だからこそ少し基礎研究をかじってみて、その上で基礎か臨床か選べばいいのではないかな、と思います。
大学生は学業や部活やアルバイトと忙しいですが、「何か周りの人とは一味違った学生生活を送りたい」と考えているあなたには、研究はもってこいだと思います。ぜひ興味のある研究室の門をたたいてみてください。