2023年度
第5期(2022-2023年度)「メディカル・デバイス・プロデューサー」
育成プログラムエントリーコースⅡ
第5期および6期エントリーコースⅠの修了生のうち、7名(企業4名・医療従事者1名・工学部生1名・医学部生1名)の研修生の皆さんに約12か月(2022年11月‐2023年11月)のエントリーコースⅡを受講いただきました。
11回のオンラインによるワークショップ型講義や、バーチャルツアー動画や医療機器の基礎知識等を収めた教育コンテンツ「MDP育成プログラムオンライン講座」の受講を経て、医師から提供されるニーズ情報を基に、医師等のチューターとディスカッションを繰り返しながら、ニーズ探索からコンセプト創造までを模擬実践(Project Based Learning)しました。このPBLの過程では、2022年12月には、IVR、消化器内視鏡、リハビリテーション、2023年5月に肝胆膵外科の臨床現場見学を、新型コロナウイルスの感染対策を講じ実施。また、2023年10月、11月には厚生労働省医政局およびPMDAの協力の下、保険適用模擬相談、薬事模擬相談を体験しました。
ワークショップ型講義
ラピッドプロトタイピング
臨床現場見学
保険適用模擬相談
成果発表会
修了式
受講生からの感想
(修了時アンケートからの抜粋)
受講して良かった点・苦労した点:
- ・医療機器開発の一連の流れを実践的に学ぶことができたのが非常に勉強になった。全体のプログラムを通して、機器開発の視点では非常に実践的で、自分たちで学びを日々の業務に持ち帰ることができる内容だと感じた。一方で実務上で直面する課題として、「自社capabiilityとのマッチングを考えた上での医療機器開発」がある。このギャップを埋めるには、今回の学び+αで、より事業戦略的な部分の学びを深め、どう橋渡しをしていくのかに重点を置いた開発視点も必要だと感じる。
- ・エントリーコースⅠで学んだ内容を本格的なチームを通して行うことができた点がよかった。エントリーコースⅠで自分自身の理解の不十分な部分を模擬演習を通して見直すことができるため、今後の製品開発に生かせると感じました。
- ・医療機器開発のプロセスを最初から最後まで体験できたことと、様々な背景を持った人の強みを活かしてプロジェクトを遂行させたことがよかったです。一方で、医療機器開発で最初に医療機器であることや保険収載を意識できなかった為、コンセプトの確定までに余計な時間を使い苦労しました。
- ・医療機器開発のプロセスを実践的に模擬実習でき、他では得られない経験を積むことができた。一方で、Project Based Learningの全体像や各ステージごとのハードルがあまり明瞭でなかった為、プロジェクトが長期化してしまった。ある程度のプロジェクト進行の導線があるとスムーズに進行するのではないかなと感じた。
- ・今までのニーズ主体の考え方から先を意識するようになりました。またニーズ自体も精査できてなかったのでその辺りの考え方を変えれたのは良かったです。
- ・医療機器開発をリードするための自信がついた。
- ・医療機器開発における全体像を把握したことで、私自身の研究においてニーズ探索の段階から保険適用や薬事相談等を意識した思考ができるようになったと思います。また、現場主義と統計データとのすり合わせの意識は、改善の余地はあるものの、以前よりは身についてきたと思います。
- ・保険収載など医療機器開発で必要な考え方やスキルを身につけたことが実務面における大きな変化として感じています。
また、今回の研修では2つのプロジェクトに、それぞれプレーヤーとマネージャーとして参加しました。プレーヤーの場合は、リーダーをサポートすることや、他のメンバーと連携することを意識しました。一方でマネージャーの場合は、メンバーを動かすことや、背景が異なる人の意見をまとめること、多方面から聴取した意見に基づいて決断を下すことなどを意識しました。両方の立場からプロジェクトを進めるためのソフトスキルを鍛えられたことが大きな変化です。 - ・元来はある程度市場が形成された製品の改良が主な業務であり、あまり開発戦略と事業戦略の紐づけが強くなかったが、部署移動もあったことで開発戦略と事業戦略を関連づけた考え方が出来るようになった。また、デザイン思考を活用しながら業務を進めることが出来るようになった。