臨床研究について

NCDデータを用いた我が国における喫煙が呼吸器外科手術に及ぼす影響に関する調査研究

はじめに
神戸大学医学部附属病院呼吸器外科では、肺癌手術を受けられた患者さんを対象に研究を実施しております。内容については下記のとおりとなっております。
尚、この研究についてご質問等ございましたら、最後に記載しております[問い合わせ窓口]までご連絡ください。
1. 研究概要および利用目的
喫煙は肺癌、肺気腫など呼吸器疾患の発生リスク因子として知られており、術後合併症発生に影響を与えるため、我々は術前の禁煙を強く指導しています。しかし、手術前の喫煙歴および禁煙期間が肺癌の手術に与える影響については明確な結論が示されていません。
本邦では外科手術のほとんどが、国内の大規模データベースNCD(National Clinical Database)に登録されているため、神戸大学医学部附属病院呼吸器外科では、NCDを用い我が国での喫煙状態と肺癌手術の関連性を評価することを目的としています。具体的には、2015年~2016年の2年間に原発性肺癌に対し肺切除術が行われた症例を対象とし、手術前の喫煙状況(喫煙指数・術前禁煙期間)ごとの手術結果(出血量、手術時間、合併症発生率、術後死亡率)を解析および評価を行います。
評価により我が国での喫煙が肺癌の手術に及ぼす影響が明確になり、これまで手術術式を中心に予想されていた手術難易度および手術成績が喫煙状況によっても評価可能になること。また、得られた結果は、術前禁煙についての適切な指導や、高リスク手術の回避といった術式選択に大きく貢献することが期待されます。
2. 研究期間
この研究は、倫理委員会承認日~2020年3月31日まで行う予定です。
3. 研究に用いる試料・情報の種類
下記の診療情報
  • 1) 患者背景(性別、手術時年齢、BMI、PS、呼吸機能、術前併存症、喫煙指数、禁煙期間、術前導入療法の有無、肺癌組織型、病理病期)
  • 2) 手術情報(術式、手術時間、出血量、胸腔鏡の有無(ポート数、創部長さ)、自動縫合器使用本数、生物組織学的接着剤の使用有無、超音波凝固切開装置の使用有無、体外循環の有無、術中輸血の有無、術中損傷の有無とその内容)
  • 3) 術後経過(入院期間、30日死亡率、90日死亡率、術後合併症発生率、退院時死亡詳細)
4. 個人情報の管理方法
NCDで管理されている診療情報を東京大学医療品質評価学講座にて解析されたデータを当院で評価するため、患者さんの情報は直ちに識別することができないように管理されています。
5. 試料・情報等の保存・管理責任者
この研究の情報を保存・管理する責任者は以下のとおりです。
神戸大学医学部附属病院呼吸器外科 責任者:田中 雄悟
6. 研究へのデータ提供による利益・不利益
利益・・・・本研究にデータをご提供いただく事で生じる個人の利益は、特にありません。
不利益・・・カルテからのデータ収集のみであるため、特にありません。
7. 研究終了後のデータの取り扱いについて

患者さんよりご提供いただきました情報は、研究期間中は神戸大学大学院呼吸器外科において厳重に保管いたします。ご提供いただいた情報が今後の医学の発展に伴って、他の病気の診断や治療に新たな重要な情報をもたらす可能性があり、将来そのような研究に使用することがあるため、研究終了後も引き続き神戸大学大学院呼吸器外科で厳重に保管させていただきます。(保管期間は最長で10年間です。)
なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、医学倫理委員会の承認を得た後、情報公開文書を作成し病院のホームページに掲載します。

8. 研究成果の公表について
研究成果が学術目的のために論文や学会で公表されることがありますが、その場合には、患者さんを特定できる情報は利用しません。
9. 問い合わせ窓口

この研究についてのご質問だけでなく、ご自身のデータが本研究に用いられているかどうかをお知りになりたい場合や、この研究に関することは、どうぞ下記の窓口までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

<お問い合わせ連絡先>:
神戸大学医学部附属病院 呼吸器外科 担当者:田中 雄悟
神戸市中央区楠町7-5-2
078-382-5750

研究責任者:
神戸大学医学部附属病院 呼吸器外科 田中 雄悟

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