図7:一重と二重のちがい(※クリックで拡大)
もう一度、閉じたまぶたが開く際の、一重まぶたと二重まぶたを比較してみましょう(図7)。
まぶたを閉じた状態から、まぶたを開いた状態を考えてみましょう(図7-①)。
まぶたを開く筋肉(眼瞼挙筋)と皮膚が連絡していないと、一重まぶたになることがわかります(図7-②)。逆に連絡していれば二重まぶたになることがわかるでしょう(図7-③)。
つまり二重まぶたを作るというのは、この筋肉と皮膚の間の連絡を作ることです。
この連絡を糸を使って作るのが埋没法です。
図8:埋没法の実際(※クリックで拡大)
実際の手術の様子を図8に示します。
図8-① 好みの位置に二重のラインをデザインします。
図8-② そのデザインに合わせて、小さな穴を皮膚に開けます。
図8-③ まぶたの裏側から糸を通して、②で開けた穴から皮膚の表面に出します。
図8-④ 皮膚の浅い部分を通して、糸をまとめます。
図8-⑤ 糸を結んで、結び目を埋め込んでやります。
図8-⑥ これで完成です。二重まぶたができています。
図8:埋没法の実際(※クリックで拡大)
ダウンタイムが短いのがメリットの埋没法でも、図8に示したように、まぶたに糸を通す訳ですから、必ず腫れます。
どんな手術でも一番腫れるのは、2日目から3日目です。
ネットで探すと、「手術直後」の写真もたくさん見つかると思います。
ほとんど腫れていない写真が多いですが、翌日には腫れているかもしれないのです。
翌日からメイクをして普通の社会生活を許可するクリニックもありますが、やはり無理はしない方が良いのです。
できれば2日から3日くらいは安静にして、冷やした方が結局はダウンタイムを短くすることができます。
当院では、その日からシャワーは許可しています。
洗顔もかまいません。
ただし浴槽にゆっくりと浸かるって温まるのは、1週間は避けていただいています。
学校や、会社に行くのは翌日から構いませんが、運動はやはり控えていただいています。
図9:埋没法による二重まぶた(※クリックで拡大)
切開しないで二重まぶたを作ることができることは、埋没法の大きなメリットです。
切開法に比べると、ダウンタイムも短く済みます。
ただし「埋没法=ダウンタイムが無い」という訳ではありません。
糸を通す際に、血管を傷つける可能性は誰にでもあります。血管を傷つけると、内出血を起こし、腫れてしまいます。これは担当した医師の腕の良し悪しだけで決まるものではありません。
最近たくさんのクリニックが、色々な糸の通し方を考え、色々な名前で宣伝しています。
しかし埋没法ではきれいな二重まぶたができない方もおられ、そのような方はどんな糸のかけ方をしてもすぐに取れてしまったり、不自然な二重まぶたになってしまいます。
大事なことは、糸の通し方ではなく、きちんと診断してその患者さんに合った手術を提案することです。
たくさんの修正手術を担当していると、無理な埋没法を受けたために、目が開きにくくなってしまった患者さんも少なくありません。
プチ整形などという言葉が流行っていますが、一生お付き合いしていくまぶたの手術です。
ダウンタイムだけに惑わされることなく、ご自身に合った方法を相談の上、手術を受けるようにしてください。