CMX

CMX若手共同研究プロジェクト特別講演
放射状グリア:哺乳類神経新生を支えるしくみ
Radial glia: the basis for mammalian neurogenesis

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(日 時)
令和5年6月22日(木)15:50~17:30
(場 所)
・対面…神戸大学神緑会館記念ホールB
・Web…お申し込みの方へ別途参加URL等ご連絡差し上げます。
(お申込み方法)
各分野等への通知をご確認ください。
(講演概要)
私たちの体は、最初はたった1個の細胞である受精卵から始まります。細胞はどんどん分裂し、莫大な数の異なる種類の細胞が生成されます。受精後4週間くらいで「神経管」という構造が現れ、区画化され、前端の領域が「脳」の基盤となります。神経管の中に存在する「神経幹細胞」は「放射状グリア」と呼ばれ、神経細胞(ニューロン)を生み出し(神経新生)、その移動を支えます。発生が進むにつれて神経幹細胞の丈は長くなっていくので、細胞内の適切なところに適切な「分子」が配置されることが必要です。私は、神経管の区画化や神経新生の鍵因子であるPax6という分子の機能の解析を行っていましたが、ある大学院生が細胞の分裂周期を制御する「サイクリンD2」という分子のmRNAが神経幹細胞の先端部に集まることに気づいたことをきっかけに、放射状グリア内のmRNA輸送のしくみに興味を抱くようになりました。講演では私たちの研究の最新成果についてお話しするとともに、 仮説を検証する研究という営みの面白さをお伝えしたいと思います。