小児科研究部門
小児科研究部門

小児科学

岩谷先生のスタンフォード大学留学便り


岩谷先生のスタンフォード大学留学便り  2017.12.24 
 いよいよ年末が近づいてきました。今月は日々の実験と来月の学会準備を淡々と進めながら、研究室のランチパーティや小児科全体の同窓パーティなど、日本で言うところの忘年会に参加したりしていました。多くの研究室はクリスマス前から年始まで閉鎖するようで、我々の研究室も実験の整理を済ませ、今週から長期休暇に入ったところです。今回はこちらで経験したアクティビティをいくつか紹介したいと思います。

 まずは、ハロウィーンです。
仮装したり、ジャック・オー・ランタンを作成したり、日本でも大きなイベントになりつつありますが、こちらはかなり本格的です。息子の通うキンダーではCostume Parade(仮装行列)という行事がありました。みんな仮装して登園し、クラスごとに園内を歩いて回るのですが、写真撮影会もあり親も仕事を休んで参加したりします。当初は妻に任せて参加しないつもりだったのですが、ボスからも「You should go」と念を押され、結局Costume Paradeを見に行きました。息子はCostcoで購入したSWATのコスチューム、他にはハリーポッター、ダース・ベイダー、スーパーマン、スパイダーマン、シンデレラ、ピカチュウもいました。みんなそれぞれのキャラクターを楽しんでいて、とても盛り上がっていました。

 また、今年は初めてジャック・オー・ランタンを自作しました。先月に少し紹介したパンプキンパッチでカボチャを購入して、ナイフで加工しました。飾り用のカボチャは意外と柔らかくて、素人でも割と簡単にくり抜くことができました。出来上がったランタンは玄関に置き、悪霊を追い払ってもらいました。
 何より面白かったのはトリック・オア・トリートのイベントです。子供たちが「いたずらされたくなければ、ご馳走をくれ」との言葉を唱えながら家々を訪ね、お菓子を集めて回る習慣です。ボスからはハロウィーンの日は子供たちが訪ねてくるかもしれないからお菓子を用意しておくか電気を消しておくように教えてもらっていました。ただ、実際に訪ねて来られても困惑するので(アパートなので多分来ないとは思いますが)、こちらからお菓子をもらいに行くことにしました。というのも、大学周囲にはハロウィーンイベントで有名な通りがいくつかあり、特にスティーブ・ジョブズ邸のある通りはとても賑わって楽しいと聞いていたからです。携帯の地図を頼りに進んで行くと大きな邸宅が立ち並ぶ通りに入りました。最初は本当に訪ねていいのかと不安だったのですが、次々に子供たちが入って行くのが見えました。一緒について行くと、玄関口でキャンディやチョコレートをくれるのです。さらに通りを進んで行くと、ゾンビに仮装した人がお菓子を配っていたり、家自体がお化け屋敷に改造されていたりと、どんどん本格的になっていきました。プロジェクターや煙を使った演出も結構ありました。さすが、シリコンバレーのハロウィーン、クオリティの高さに大人も驚きの連続です。どこもたくさんお菓子をくれるのですが、特にジョブズ邸は丸ごと一袋、中にはGODIVAやGHIRARDELLI、しかも何故かリアルなネズミのオモチャ入りでした。

ハロウィーン
写真左上・右上:仮装した子供たちが順番にお菓子をもらいに行きます。
写真左下・右下:UFO墜落現場が再現され、防護服を着た人がお菓子を配っていました。



 次はタイムリーな話題でクリスマスです。
といっても、クリスマスツリーの話です。日本ではプラスチックのツリーを飾ることが多いと思いますが、こちらでは生木を使うのが主流です。スーパーやホームセンターでも購入できるのですが、せっかくなのでファームに自分で切りに行くことにしました。車で30分ほどかけて、モミの木のファームを訪れると、敷地の地図と価格表、それとノコギリを渡されます。敷地いっぱいに様々な種類の木があるのですが、よく見るとサイズや形状が異なり、その中から好みの一本を探します。木が決まるとノコギリで水平にカットし、スタンドと一緒に購入です。我々は車に何とか入る2メートル弱のものにしましたが、車に入りきらない大きなツリーを購入する人も多く、車の屋根にくくりつけて運んでいるのをよく見かけました。ツリーを運んで帰ったらスタンドに立てて、たっぷり水を入れて、そこから飾りつけ作業です。自分で飾りつけをするのは幼少時以来でしたが、自分でツリーを切るところから飾りつけまでの経験は格別に楽しいものでした。来年も是非ツリーを切りに行きたいと思っています。

クリスマスツリー
写真左:スタンドに立てやすいようになるべく水平に切ります。
写真右:飾りつけ完了!


では、ハッピークリスマス、よいお年を!
<<< 戻る


岩谷先生のスタンフォード大学留学便り  2017.11.27 
 サンクスギビングデイに続く休暇が終わり、クリスマスシーズンに入っています。先月の予告どおり、今月は観光の話題です。
渡米から数ヶ月で生活は落ち着き、子供は幼稚園、妻は英会話スクールやジム通い、それぞれ生活スタイルが確立していきました。おそらく一番時間がかかったのは私自身で、研究が進み始めるまでの半年間、心に余裕がなかったように思います。ただ最近になって何とか研究の道筋がついてきて、週末や連休を利用した小旅行が楽しみの一つになってきました。というわけで、今回はこれまでに行った近場の観光スポットについていくつか紹介したいと思います。

 一つ目はSausalitoです。我々の住むPalo Alto市からSan Franciscoまでは高速を運転して約1時間、そこから有名なゴールデンゲートブリッジを渡った先にあるのがSausalitoの街です。5月に家族と再渡米してきた際、ボスから週末はしっかり家族でエンジョイするようにとアドバイスされ、まずSan Franciscoの観光スポットをいくつか教えてもらいました。ただ、ユニオンスクエア、ケーブルカー、フィッシャーマンズ・ワーフなど、いわゆる街の中心部は、交通量が多くて駐車場も少ないため、車の運転に慣れない当初は敬遠しました。Caltrainという列車で向かう方法もありますが、週末は本数が少なくて便利とは言えません。そこで、ボスの助言のもと、最初の週末はSausalitoの街を訪れました。Bridgewayと呼ばれるメインストリート沿いにオシャレなお店が並び、何といっても対岸からSan Franciscoの街を眺めることができます(写真左上)。
また、子供向けの体験型博物館(Bay Area Discovery Museum)もあり、週末はたくさんの家族で賑わっています。

 二つ目はHalf Moon Bay、車で30-40分の海辺の街です。もともとビーチが有名なのですが、ハロウィーン前になるとパンプキンパッチで盛り上がります。特大パンプキンのコンテストは日本のニュースでも取り上げられることが多いのでご存知の方も多いのではないでしょうか。カボチャを販売しているだけでなく、ハロウィーン向けの飾り付けがされていて、ジャンプハウスやポニーライド、ミニトレイン、お化け屋敷など子供にとってはとても楽しい場所です(写真右上)。

 三つ目はSanta Cruz、同じく車で1時間程度で行くことができます。ここもビーチで有名な街なのですが、何といってもビーチと遊園地が一体化したBoardwalkが有名です。夏休みに私の姉家族が遊びに来ていたので、一緒に出かけて久々に乗り物アトラクションを楽しみました。屋外のアトラクション以外にもゲームセンターやパターゴルフなど屋内施設も充実しており、子供達も大満足でした(写真左下)。

 四つ目はSan Mateo、ベイエリアの住宅都市の一つで、同じく車で30-40分です。メジャーリーグのバリーボンズの育った街としても有名です。このあたりの住宅都市は日系人が多く、日本食のレストランやスーパーが点在していますが、特にSan Mateoは大阪の豊中市と姉妹都市ということで関西人として妙な親近感があります。街の中心にあるセントラルパークには日本庭園があるということで行ってみたところ、かなり本格的な庭園が整備されていました。池には大きな鯉がたくさん泳いでおり、子供も大はしゃぎでした(写真右下)。

観光
左上:SausalitoからはSan Franciscoの街並みを眺めることができます。
右上:パンプキンパッチで有名なLEMOS FARMに遊びに行きました。
左下:急流すべりの落ちる瞬間の写真、遊園地とビーチが一体化しています。
右下:餌やりの様子、鯉のサイズは特大です。



 というわけで、自宅から1時間程度で行ける観光スポットをいくつか紹介しました。留学便りに観光の話題ばかり出すと怒られそうですが、これもまた留学の醍醐味だと思います。これから留学を目指す先生方のモチベーションにつながることを期待して、今後も紹介していきたいと思います。
<<< 戻る


岩谷先生のスタンフォード大学留学便り  2017.10.30 
 今月は新生児成育医学会に参加するために一時帰国していました。というのは、ここ数年取り組んでいた蛍光タンパク質(UnaG)を用いたビリルビン測定についての論文が光栄にも学術奨励賞に選ばれ、その受賞講演をさせて頂いた次第なのです。この仕事を担当させて頂いたことは本当に幸運でしたし、同時に森岡先生と中村先生の手厚いご指導を受けることができたこと、心から感謝しております。この受賞を励みに、引き続き臨床応用に向けて取り組むとともに、神戸大学が中心となって進めている黄疸管理の改革に少しでも貢献したいと思っています。また、今回の学会では神戸大学の新生児グループから非常に多くの演題発表がありました。例年4-5演題くらいのところ、今年は何と一般演題だけで9演題(全て口演発表!!)、森岡先生・藤岡先生のもと新生児グループの新たなエネルギーに大きな刺激を受けました。

記念写真
自分の写真で大変恐縮ですが、理事長の楠田先生、学会論文賞の昭和大学 渡邊先生との記念写真です
(黒川先生・山名先生、写真撮影ありがとうございました)。



 留学中の話題としては、前月に続いて研究に関する話題を紹介します。
最近はWestern blottingに取り組んでいます。時間がかかるうえに最終的に撮影してみるまで上手くいっているかどうかわからない、大学院生時代に最も苦労した実験手技の一つです。あらゆる実験手技について言えることかと思いますが、日本でできたことがアメリカでうまくできるとは限りません(逆もまた然りかと)。個々のスキルや理解度にもよると思いますが、機器や試薬も異なりますし、特に過程の長いWestern blottingはとても不安でした。方法に関して言うと、メンブレンへの転写を日本ではタンク式で行っていましたが、こちらではセミドライ式です。また、神戸大学では共同実験室に設置してある新しい化学発光撮影装置が利用できたので暗室不要でしたが、こちらでは従来からの暗室でのX線撮影です。暗室で黙々と一人で作業するのは心細いですが、最終的にバンドが確認できたときの達成感は言葉にできないものがあります。もちろん、方法が正しければできるはずの手技ではあるのですが、異なる環境でも完遂できたことは個人的に大きな自信になりました。

 ちなみに、ボスと撮影方法の違いについて話すことがあったので少し紹介すると、確かに暗室が不要な新しい撮影装置は便利だが、①我々の研究室ではWestern blottingの頻度がそれほど高くない(タンパク発現がメインの研究ではない)、②個々の研究室で購入するには高額(メンテナンスも含めて)、③既存の方法で十分解析可能、が理由で新規購入しない方針とのことでした。確かにその通りで、研究室運営の視点に立った的確なコメントに納得しました。

Western Blottingの様子
Western Blottingの様子



 これから年末シーズンに入ります。11月末のサンクスギビングデイに続く連休、クリスマスから年始にかけての長期休暇、まとまった時間を取りづらくなるので実験計画を調整しているところです(数日で完結できる小分けの実験はできますが、数週間単位で行う動物実験は日程調整が難しくなります)。くわえて、休暇を利用した家族旅行を計画しています。ここ2回、研究の話題が続いたので、次回は観光の話題も提供できればと思っています。
<<< 戻る


岩谷先生のスタンフォード大学留学便り  2017.09.25 
 6月中旬から始まった夏休みシーズンがついに終わり、8月中旬より新学期が始まっています。今年の夏はたくさんアイスクリームを食べる機会がありました。というのも、Ice Cream Socialと呼ばれるイベントが頻繁に開催され、新生児グループ、小児科グループ、Postdoctoral Scholar、International Scholar、毎週のように各グループの開催する集まりに参加してはアイスクリームを食べていたのです。PicnicやBBQといったイベントもあるのですが、中でもIce Cream Socialは特に人が集まります。とにかくみんなアイスクリームが大好きなようです。

 今回はこちらでの研究に関する話題です。
 研究を進めるためには、研究室の中で行えること(実際の実験や検体処理)、研究室の外でしかできないこと(動物管理施設や共同実験施設の利用)、これらをうまく調節して計画を立てる必要があると思います。日本とはルールが多少異なることから当初は戸惑うことも多かったのですが、仕組みや段取りが少しずつわかってきましたので、こちらでの状況をいくつか紹介したいと思います。

 まず、本研究室はマウスを用いた動物実験を中心に研究を進めています。検体を処理してPCRやウエスタンブロットなど、この辺りはどこの研究室も同様かと思いますが、ガスクロマトグラフィを用いた実験系を研究室内に有しているのが特徴です。これを用いてある酵素の活性を評価していているのですが、血液検体だけでなく、組織検体も使用可能であることから、動物モデルを用いて各臓器における酵素活性を調べることで病態解析に応用することができます。詳細は割愛しますが、検体採取から解析まで一人でも何とかできる処置です。なので、多少時間がかかっても自分一人で完結するのが良いと思っていたのですが、こちらでは複数人でスムーズに行えるのであれば気兼ねなく積極的に協力し合うというのがポリシーのようです。正直なところ自分一人の方がやりやすいところもあるのですが、郷に入れば郷に従えで、結局のところ毎回手伝ってもらいながらやっています。ガスクロマトグラフィはこれまでに留学された先生方が歴代使用されてきた機器であり、研究室の中でもかなり古い部類に入りますが、まだまだ現役で毎週使わせてもらっています。

研究室の様子
研究室の様子


 動物実験施設は隣接した建物の地下にあり、研究室の建物と地下で連結しているため容易に運搬することができるようになっています。利用には神戸大学と同様に動物実験講習が必要となっており、Webでの講習と現地での実習の両方を受講しました。施設に入るにはカードキー、さらに各ルームキーの入手には指紋認証が必要になっています。入退室の全ての記録が残るわけで、管理が徹底されている印象を受けました。マウスの繁殖については、我々の研究室ではテクニシャンが長年にわたりサポートしてくれていたのですが、先月に退職されたことから、さしあたり自分達で行わなければならず、基本から勉強しているところです。なかなか上手くいかないことも多いですが、動物を用いた実験は目に見えて変化することも多く、臨床的感覚に通ずるところがあって面白いです。日本では動物実験の経験が乏しかったことから新鮮な気持ちで取り組んでいます。

 また、スタンフォード大学といえば、ルシフェラーゼを用いた発光イメージング(In Vivo imaging system)が有名です。併設の共同実験施設であるSmall Animal Imaging Facilityに複数台の機器が設置されており、私もときどき使用させていただいています。共同実験施設の利用についても神戸大学と同様で、講習を受けて使用許可をもらう必要があります。いつも混雑していますが、先月にも記載したように共同実験施設の予約システムは全てオンラインで管理されているため、容易に予約や変更ができます(神戸大学では共有機器の横にある手書きの予約ノートを使っていたので、予約のために直接現地まで行かなくてはならず大変でした)。ちなみに、この予約システムを元に使用料金が請求される仕組みになっており、何とも合理的なシステムで運用されています。

Small Animal Imaging Facilityの入口
Small Animal Imaging Facilityの入口


 肝心の研究成果ですが、大学生と一緒に進めていたプロジェクトが軌道にのり、学会発表の準備を進めています。一方、自身の研究はなかなか上手く進めることができずに悪戦苦闘しているところです。  
<<< 戻る

岩谷先生のスタンフォード大学留学便り  2017.08.28 
 先週こちらでは皆既日食がありました。今回は99年ぶりに北米大陸を横断する皆既日食ということで、日本からも多くの皆既日食ツアーが催行されていたようです。我々は皆既日食があるとは知らなかったのですが、息子の幼稚園からお知らせが届き、その存在を知ることになりました。どうやら登園中に日食が起こるみたいなのですが、園児が肉眼で観察してしまうと危険なので、先生が主導して専用グラスを用いて順番に鑑賞しますという案内でした。私はちょうど職場にいる時間だったので研究室のメンバーと、息子はもちろん幼稚園のみんなと、妻はアパートのプールサイドで隣人と、それぞれ数分間の貴重な時間を体験できました。

皆既日食
ちょっと曇っていたので携帯でも撮影できました(お月様ではありません)


 今回は渡米後の携帯電話やインターネットの手続きついて紹介します。 携帯電話については、これまで10年以上にわたり某大手を利用させて頂いていましたが、今回の留学に際して解約して、渡米前にKDDI mobileの提供する定額プランを契約していきました。渡米数日前にSIMカードが届くので、現地到着後にSIMフリー携帯にカードを差し込み、簡単なセットアップをするだけで利用できます。現地においても携帯電話の契約は容易にできるようですが、住宅や銀行の手続きなどの際に電話番号が必要になるので、渡米前に米国の電話番号を手に入れておいたほうが安心かと思います。

 インターネットについて、ホテルでは無料Wi-Fiが利用できましたが、アパートでは契約が必要になってきます。単一のデバイスであればWi-Fiの電波を拾ってクレジットカードなどで契約すれば事足りるわけですが、家族を含めて複数デバイスで使用するとなると自宅にルーターを設置する必要が出てきます。私はアパートから紹介された大手会社で契約することにしたのですが、Webでの申請ののち電話での諸手続きが必要とのことで若干苦労することになりました。何度も復唱しながら住所や電話番号などを確認し、何とか翌週に設置工事の予約を入れたのですが、翌日になってなぜか部屋の広さやドアの枚数について追加の問い合わせ電話がありました。1ベッドルームという情報で十分ではないかと思いながらあまり気に留めていなかったのですが、設置工事前日の確認メールにてインターネットだけではなくホームセキュリティの契約が追加になっていることに気づきました。ホームセキュリティというのは外出時にスマートフォンなどのデバイスを用いて自宅の状況をチェックできるサービスのことで、そのためにドアの枚数などの情報が必要だったわけです。窓口はすでに閉鎖している時刻になっており、我ながらかなり困惑しましたが、さすが大手会社、Webでのチャット窓口で交渉することができました。私の聞き取りミスもあったと思うので申し訳なかったのですが、翌日の設置予約の取消、契約内容の変更など丁寧に対応してくださり、さらにはプロモーションの案内をしてくれて、当初予定していたものより安価なプランでインターネット契約をすることができました。ルーターの設置方法についても詳しく案内があり、最寄りの支店でキットを受け取り、自分で設置することで、郵送費や工賃のコストも抑えられることができました。無事に繋がるまでは不安でしたが、数十分でWi-Fiに接続可能となり、以降インターネットについては快適に利用できています。

デバイス
我々家族の使っているデバイス(Apple信者というわけではありません)


 ご存知のように、ここシリコンバレーには、Apple、Hewlett-Packard、Google、Facebook、Yahoo、Adobeなど超有名企業が集積しており、IT企業の一大拠点となっています(ちなみに、スタンフォード大学併設のLucile Packard Children’s HospitalはHewlett-Packardの共同創設者であるDavidとその妻Lucileによって設立されたそうです)。これはアメリカ全般に言えることかもしれませんが、日本よりも多くの物事がオンラインで管理されていると感じます。大学関連では各種講習(神戸大学で例えると職員の必修講習や研究者のための動物実験・遺伝子組換え実験講習)、共同実験施設の予約システムが一括してオンラインで管理されています。また、生活においても各種手続きの多くがペーパーレスになっており、賃貸契約書もPDFで用意されたものに電子署名するという感じで驚きました。
 次回はそろそろ研究の話題も提供できればと思っています。
 
<<< 戻る

岩谷先生のスタンフォード大学留学便り  2017.07.31 
 日本は夏休みシーズンですね。アメリカの学校ではすでに6月中旬から夏休みに入っており、およそ2ヶ月から2ヶ月半あるようです。日本と比較すると夏休みの長さに驚きますが、実際には親も同期間の休暇をとるというわけにはいかないので、こどもをサマースクールやサマーキャンプといったプログラムに参加させたりするようです。

 我々の研究室においても、高校生が夏休み期間を利用して実習に来ています。まだ慣れないこちらでの実験内容を、私の英語力で説明するのは本当に申し訳ないのですが、どの学生もこちらの予想を大きく上回る理解力でカバーしてくれています。お世辞もあるかと思いますが、楽しく過ごせたとありがたいコメントを残してくれると励みになります。何事においてもそうですが、言葉での説明よりも、実際に一緒に手を動かしてお互いの目で確認していくという作業の大切さを今さらながら感じています。

 今回はこちらでの日常生活に関する話題を紹介します。
一つ目はゴミ収集の一コマです。我々家族はおよそ250世帯が居住する集合アパートメントの一部屋を借りて生活しています。アメリカにおけるゴミの分別は日本ほど厳密ではなく、リサイクルできるものと、生ゴミなどリサイクルできないないものに分けて、設置されているコンテナに入れるだけです。生活ゴミだけでなく、ソファーや本棚などの家具も同じ扱いなので、あっという間にゴミが一杯になります。コンテナから溢れるほどのゴミが溜まっているのを見かけるたびに、漠然と収集が大変そうだなと安易に考えていたのですが、ある日その収集現場に居合わせました。何とゴミ収集車がロボットアームでコンテナごと持ち上げて、そのまま荷台に放り込むという何ともダイナミックな方法で収集するのです。当然細かいゴミが少しこぼれるのですが、そのあと手で拾って投げ入れるといった感じで、何ともアメリカ的な方法だと驚きました。確かにこの方法であれば、1人で収集作業ができるので人手もかかりませんし、きわめて合理的ではあります。
  

ゴミ収集の様子
ゴミ収集の様子


 二つ目はプールでの出来事です。こちらの集合アパートメントにはプールやジムが備えられていることが多く、私もときどき息子とプールで遊んでいます。ちょうど我々の部屋のテラスからプールが正面に見えるのですが、人気がないときにカモが出没することに気づきました。1匹もしくは2匹で出没するので夫婦なのかなと噂をしたりしているうちに、いつの間にかカモを見つけるのが息子の楽しみの一つになっていました。そんなある日のこと、近くに人がいるにも関わらずカモがいると思ったら、なんと子連れで泳いでいるのを発見しました。息子とプールまで見に行ったところ、どうやら母ガモが子連れで泳いでいたところにプール利用者がやってきてしまい、母ガモだけなら飛んで逃げるところが、子ガモがまだ飛べないので母ガモが逃げずに守っているという構図のようでした。そこで、プールサイドにいた別の家族とともに子ガモ(数えると10匹もいました)の救出作戦を始めることにしました。飛べないなりにプールサイドに登ろうとするのですが、水面とプールサイドの微妙な段差を子ガモが越えることができません。ビート板をスロープ代わりにして何とか子ガモが段差を越えられるようにと工夫したのですが、足が滑ってしまうようです。そうこうしているとアパートの管理人さんがタオルを持ってきてくれて、ビート板にタオルをかけることでようやく滑らずにプールサイドに登ることができました。そそくさと母子ともにプールエリアから歩いて脱出していきましたが、飛べない子ガモ10匹を連れてプールに入りこんだわけなので、近くに巣があるのかもしれません。その後、プールで見かけなくなってしまっているのですが、プールを危険視して近づかなくなったのか、子育てで忙しいだけなのか、またカモの家族と会えたらいいねと息子と話している今日この頃です。
 

母ガモと子ガモたち
母ガモと子ガモたち


今回は以上です。
日本は猛暑が続いているようで、お体にお気をつけてお過ごし下さい。
<<< 戻る

岩谷先生のスタンフォード大学留学便り  2017.06.26 
 早いもので3回目の報告になります。先月末に家族が無事に到着し、いよいよ留学生活が始まったという感じがしています。生活面では、家族の合流に伴ってアパートの住居者変更や医療保険プランの変更手続き、息子のプレスクール手配などを進めています。研究面については、まだまだ予備実験にも苦労している段階で、方向性が定まるにはもう少し時間がかかりそうです。

 今回は車の購入や銀行での手続きを中心にコメントしたいと思います。前回記載させていただいたように、渡米後のセットアップに重要なのは車と住居地の確保です。私の場合は、アパートの手続きと並行しながら、日系のGulliver USAで中古車を購入しました。日本人コミュニティサイト(スタンフォード日本人会)やSale-N-Buyといったムービングセールサイトでもいくつか情報はあったのですが、故障の可能性や帰国時の売却を考慮して、2015年製と新しく走行距離の少ない日本車にしました。個人購入より高額になるのは覚悟していましたが、Kelly Blue Bookによると相場相当の価格で、かつ一定期間の保証もついているので比較的リーズナブルだったと思っています。自動車保険の加入について、JALファミリークラブの海外赴任者総合保証制度に加入していれば日本人向けの保険会社を斡旋してくれるとのことでしたが、Gulliverで購入すると同一の保険会社を無料で紹介してもらえるために結果的には不要でした。渡米直後は何かと忙しく、手続きも全て英語のために苦労しましたが、車に関しては日本語でスムーズに購入できたことから精神的にかなり助かりました。

  同時に銀行にも数回通いました。車や住居に関する支払いについて、クレジットカードや現金での支払いには限界があり、こちらでは銀行口座を利用した小切手での支払いが主流です。つまり、銀行口座がないと車や住居の確保が困難ということになります。私の場合は、渡米前に東京三菱UFJ銀行経由で米国ユニオンバンクの口座を作成しました。これは、三菱東京UFJ銀行が現地銀行の預金口座開設を取り次いでくれるサービスで、日本にいながら口座を開設できるので、渡米前から入金(海外送金)が可能となります。初期費用をすでに入金しておけば、渡米時に大金を持ち込む必要がなく、個人的にこのサービスは大変役立ちました。ただし、小切手の発行については容易ではなく、安定した住居地が決まっていない段階では小切手シートを発行してもらえませんでした(厳密には発行できるようですが、危険だからしないほうがよいと言われました)。なので、支払い金額が決まった段階で窓口に出向いてCashier’s Checkを発行してもらい、車の購入費やアパートの賃貸費を支払いました。こうして、渡米後1週間で車と住居を確保できたことで、以降の諸手続きも落ち着いて進めることができました。

日本車
息子の希望で赤色にしました




 研究内容についてはコメントできるようなところまで進んではいないのですが、実験器具の1つであるピペットについて紹介したいと思います。まず、日本ではいわゆるピペットマンしか使ったことがなかったのですが、こちらの研究室で初めてRepeating Dispenser(https://www.hamiltoncompany.com/products/syringes-and-needles/syringe-accessories/)を使用しました。本体は1種類ですが、専用のシリンジを使い分けることで1μL、5μL、20μLなどの容量を区別できます。反復使用の許される実験系ではチップの消費を抑えることができますし、頻用する容量別に複数準備しておけば作業効率も高くなります。当初は使い慣れませんでしたが、今はピペットマンよりもこちらを使用した実験を中心に行っています。

ピペットマン
Repeating Dispenser(左)とピペットマン(右)

<<< 戻る

岩谷先生のスタンフォード大学留学便り  2017.05.29 
 渡米して2ヶ月が経過しました。何人かの日本人留学生とも交流させていただき、色々助けてもらいながら何となくこちらでの生活スタイルが確立してきました。一方、研究面については、こちらの研究室が得意とするガスクロマトグラフィやIn vivoイメージングの手法を学びながら、ようやく予備実験を開始したところです。

 今回は渡米後のセットアップを中心に報告したいと思います。
 留学本や留学サイトを参考にしながら渡米後の手順をいろいろ考えてはいましたが、何より重要なのは車と安定した住所地の確保の2点に集約されると思います。スタンフォード大学はとにかく広いです。その敷地面積は約3310ヘクタール(993万坪)と広大であり、東京都杉並区とほぼ同じだそうです。当然住居地や商業地域はその周囲に広がっており、セットアップには車が必要不可欠です。また、各種手続をすすめるには安定した住居地がないと進めてもらえないことがほとんどです。ホテルでの長期滞在でも問題はないようですが、長期であればあるほど安価なホテルにせざるを得ませんし、そうなると重要書類が郵送されてきた際に紛失されないか不安が出てきます。なので、渡米後1週間程度で車と住居地の手配をすることが最初の目標でした。

  同時期に帰国する方からアパートや車を引き継ぐことができれば理想的ですが、私の場合にはタイミングが合わず、ホテルとレンタカーのみ予約して出国しました。海外で運転することに戸惑いはありましたが、初日からレンタカーを借りて、出国前にアポイントを取っておいたアパートに翌日伺いました。職場近くのアパートが理想的ではありましたが、家賃や商業地域への距離などを考えて少し離れたアパートにしました(ベイエリアの家賃高騰はさらに進んでおり、1ヶ月分の家賃が日本の職場での基本給に匹敵します・・・)。出国前からセットアップについて相談させていただいていた同じ小児科の先生が同アパートに居住されていたことも大きな理由でした。ちょうど部屋が1つ空く予定とのことで、あらかじめ用意していた書類(パスポート、Offer Letter、預金証明書、借家人保険証)を提出し、無事に契約することができました。借家人保険(Renter’s insurance)については、渡米前に加入していたJALファミリークラブの海外赴任者総合保証制度で対応できました。清掃に数日かかるとのことでしたが、幸いにして予約していたホテルの最終日から入居することができました。

  また、今月はサンフランシスコで開催されたアメリカ小児科学会に参加させていただき、神戸大学メンバーとも再会することができました。例年どおり神戸大学からは4演題と多くの発表があり、日本国内はもとより米国の研究室と比べても遜色ない研究成果を出していることを誇らしく思いました。さらに、例年参加させていただいているビリルビンクラブでは、中村先生がAwardを受賞され、スタンフォード大学と神戸大学の長年にわたる交流の様子がプレゼンテーションされるという大変貴重な機会に居合せることができました。中村先生には留学中は日本語が恋しくなるだろうからと最近出版された育児コラム「赤ちゃんの四季」をサイン入りで頂きました。大学院生時代からの手厚いご指導に続き、温かいお心遣いに大変感謝しております。

  大学メンバーとは一緒に学会に参加したのみならず、大学近辺やIT企業(FacebookやGoogle)の本社を巡るドライブに出かけたりもしました。日本語で気兼ねなく話せるメンバーとの再会は、英語で苦労している私にとっては有意義な気分転換にもなりました。何より久々に豪華なディナーをいただき、みなさん本当にありがとうございました。


>久々の日本食
久々の日本食(いわゆるカリフォルニアロール)

>Facebook本社にて「いいね!」
Facebook本社にて「いいね!」

<<< 戻る

岩谷先生のスタンフォード大学留学便り  2017.04.30 
 3月末に渡米してから1ヶ月が経過しました。最初の1週間は住居・銀行・車など生活準備の手配、2週目には大学での諸手続きと慌ただしく過ごしましたが、3週目に入ってから生活が落ち着いてきました。現在は5週目に入ったところですが、研究に必要な講義を受けるとともに、基本的な実験手技の習得に励みながら自身の研究計画をぼんやりと考え始めたところです。留学便りということで、前任者の藤岡先生の内容と重複する部分もあるかと思いますが、私なりに留学状況を報告させていただければと思います。

 まず、ご存知の方もおられるかと思いますが、神戸大学新生児グループからこの研究室への留学は私で6人目になります。当時からおられるボスはもとより、秘書さんを含めた何人かのスタッフは歴代の留学メンバーをよくご存知で、M、I、T、Y、K(全て名前のイニシャル)、研究室では頻繁に過去の留学メンバーの名前が出てきます。その甲斐もあってか私にも初日から色々温かく声をかけていただき、これまでの先生方が築かれてきた信頼関係のありがたさを感じております。

 今回は初回ですので、渡米前の諸手続きに関して、私の経験をもとに述べたいと思います。まず、研究留学前に必要な書類は、(1) CV、(2) Offer Letter、(3) DS2019、(4) J1-VISAになります。研究室のボスとは例年アメリカ小児科学会でお会いさせて頂いており、昨年9月の段階でメールでの内諾を得ていましたが、実際のペーパーワークは今年1月から始まりました。まず英文履歴書であるCVと家族分を含めたパスポート情報を先方に送付するとともに、スタンフォード大学の場合はSecure Portalというオンラインサイトからこちらの情報を入力します。くわえて、大学卒業証明書、PhD取得(見込み)証明書、英語能力証明書なども求められました。おおむね1ヶ月程度で必要書類が揃い、無事にOffer Letterが発行され、しばらくしてDS2019が送付されてきました。DS2019は雇用主が申請者を一定期間受け入れること、また資金や英語力が十分であることを証明したものです。DS2019→領事館予約→J1-VISA取得→出国の流れになりますので、DS2019が律速段階となるわけですが、私の場合には2月19日に届きましたので、余裕を持って3月上旬に領事館の予約を入れることができました。J1-VISAの申請には、(1) DS160、(2) SEVIS費用の支払い、(3) VISA申請費用の支払い(家族人数分)、(4) 証明写真、(5) パスポート、(6) 面接予約確認書、が必要になります。(1)の申請書にもっとも時間を要するわけですが、所定の条件をクリアしたデジタル写真が必要とのことで、特に背景や影など細かい注意点があります。我々家族の場合には、大人の分は自宅でなるべく条件を揃えて撮影しましたが、子供の分は自信がなかったために写真屋さんでお願いしました。(4)の証明写真とは異なるものというふうに記載されている情報もありましたが、同じものでも問題ありませんでした。

 領事館での面接は思っていたよりもずいぶん楽でした。荷物チェックが厳しいですので、最寄駅のコインロッカーにバッグなどを預け、必要書類のみを持って領事館の手前に並びました。順に中へすすみ、まず1階で書類チェックを受け、次に3階に案内されます。デジタル写真について言及されたので撮り直しかと少し焦りましたが、背景が少し暗いので次回申請される際はもう少し明るいほうがいいですねというくらいでした。最後に2階で領事との面談ですが、これは通常のパスポートチェック程度の内容で、場合によっては日本語でも問題ないようでした。郵送用のレターパックは準備不要で、数日でVISAの貼付されたパスポートが郵送されてきました。

  渡米前の諸手続き全般に関して、どうしても書類が多くなります。留学本や留学サイトにもよく記載されていますが、書類不足や不備にならないよう証明書関係は早めに入手のうえ、PDF保存のうえPCや各種デバイスでも閲覧できるように整理しておきました。これは渡米後の住居・銀行・車などの手配においても重要ですので、これから留学される方はぜひとも気に留めておいたほうがよいかと思います。

 今回は以上です。 次週はサンフランシスコで開催されるアメリカ小児科学会に参加してきます。 アパートメントから会場まで車で1時間の距離ですが、まだ高速の運転に自信がないので、さしあたり電車で行こうかなと思っていたりします。


スタンフォード大学といえばフーバータワー、毎日自転車で通り過ぎています

<<< 戻る
 
このページの先頭へ