腹腔鏡手術・ロボット支援手術
腹腔鏡手術・ロボット支援手術
腹腔鏡手術・ロボット支援手術(ダ・ヴィンチ):低侵襲手術
腹腔鏡下手術やロボット支援下手術は、開腹手術に比べ体への負担が少ないことから、低侵襲手術と呼ばれています。
- 低侵襲手術で期待されるメリット
-
- 傷口が小さく目立たない
- 術後の痛みが少ない
- 腹部の傷が小さいため運動などへの支障が少ない
- 手術に伴う出血量が少ない
- 術後食事開始がスムースで、回復が速い
- 入院期間が短縮され、早期に社会復帰ができる
があります。
一方で、特に肝胆膵領域では難しい手術が多く、高い技術と熟練が必要とされます。このため、学会や厚生労働省により厳しい基準が定められており、施行可能な施設は限定されています(参考)。
当科は2007年に高度先進医療として多施設に先駆けて腹腔鏡下膵切除を導入し、その後相次いで腹腔鏡下肝切除、ロボット支援下膵切除を導入し、国内でもトップクラスの手術実績を有しています(手術実績参照)。現在ほぼ全ての術式で施設基準および術者基準を満たしており、通常の保険診療により低侵襲手術が可能となっています。まだ全国的にも数少ない肝胆膵領域のロボット支援手術のプロクター(指導者)も在籍しておりますので、ご希望やご興味のある患者様はお気軽にご相談ください。セカンドオピニオンもぜひご活用ください。
- 当院で施行可能な術式
-
- 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術
- 腹腔鏡下膵体尾部切除
- 腹腔鏡下膵腫瘍核出術
- 腹腔鏡下肝切除
- ロボット支援下膵頭十二指腸切除 (ダ・ヴィンチ)
- ロボット支援下膵体尾部切除 (ダ・ヴィンチ)
- ロボット支援下肝切除 (ダ・ヴィンチ)
- 対象となる疾患
-
当科で取り扱うほぼ全ての疾患が対象となりえますが、病状や患者さまの状況によって可能かどうか個別に検討します。
- 膵癌(進行度など一定の条件を満たすもの)
- 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)・膵粘液性嚢胞腫瘍(MCN)
- 膵神経内分泌腫瘍(pNET)
- 膵充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)
- 転移性膵腫瘍
- 慢性膵炎
- 胆管癌(進行度など一定の条件を満たすもの)
- 胆石症・胆嚢炎
- 十二指腸癌・十二指腸乳頭部癌(進行度など一定の条件を満たすもの)
- 肝細胞癌、転移性肝腫瘍、その他の肝腫瘍
他
腹腔鏡下手術
3D画像システムで手術します
2007年より開始
腹腔鏡下膵体尾部切除
腹腔鏡下膵頭十二指腸切除
腹腔鏡下肝切除
ロボット支援下手術(ダ・ヴィンチ)
手術支援ロボットでは、鉗子に7つの多関節を備えており、執刀医の指・手の動きの通りに鉗子の先端を動かすことが可能となります。また、3次元による拡大画像により生体の微細な構造が見えることや、執刀医の微小な手の震え(手ぶれ)が自動的に取り除かれることから、より正確で繊細な手術操作が可能となります。
一方で、ロボットの操作には熟練が必要なため、執刀はダ・ヴィンチ手術の認定ライセンス受けた医師とロボット手術に熟練したチーム(看護師・ME)が担当します。すべての患者さんの手術ビデオをチェックして、技術の向上に努めています。
- ロボット支援下手術(daVinci Xi)
- ロボット支援下手術(daVinci)
- 膵体尾部切除の創部
- 膵頭十二指腸切除の創部
- 腹腔鏡・ロボット支援下膵切除(ダ・ヴィンチ)の推移
参考
腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術の施設基準(抜粋)
- 膵臓手術を年間50例以上施行していること
- 膵頭十二指腸切除術を年間20例以上施行していること
- 腹腔鏡下膵切除を20例以上実施した経験を有する医師が常勤すること
ロボット支援下膵頭十二指腸切除の術者条件(抜粋)
- 開腹、腹腔鏡下、ロボット支援下にかかわらず、膵頭十二指腸切除術 20 例以上の術者としての経験を有していること
- 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術5 例以上の経験もしくは、ロボット支援下膵体尾部切除術10例以上の術者としての経験を有すること
- 日本肝胆膵外科学会認定プロクターの指導下で、ロボット支援下膵頭十二指腸切除術3例を経験すること
など