医局からのお知らせ

  • 2024.04.04
  • お知らせ
  • 【研究成果】大野 雄康らの研究成果が Kobe J Med Sci (2024) に掲載されました

  • Ono Y, Shinohara K, Shimada J, Sugiyama J, Inoue S, Kotani J. Sex Disparities in Applied Force on Maxillary Incisors Among Novices During Laryngoscopy Using a High-Fidelity Simulator: A Prospective Observational Study. Kobe J Med Sci. 2024;69:E151-E158. 

    喉頭展開時に口腔組織に加わる圧は、歯牙損傷や血行動態変化など多くの合併症発生に関連しています。しかし喉頭展開施行者の性差が、喉頭展開時切歯に加わる圧に与える影響は不明瞭でした。今回、当科の大野 雄康らは気管挿管初心者において、性差が気管挿管施行時に切歯に加わる圧、および気管挿管完了までの時間に与える影響を検証しました。209名の医学生[女性 64名 (30.6%)]を対象とした前向き観察研究です。対象者はマッキントッシュ直接喉頭鏡またはC-MACビデオ喉頭鏡、ガムエラスティックブジーまたはスタイレットの4通りの方法で、高機能シミュレータに気管挿管を行いました。主要アウトカム指標は喉頭展開時切歯に加わる圧、副次アウトカム指標は気管挿管完了までの時間としました。気管挿管時切歯に加わる圧は、全ての喉頭鏡および気管挿管補助器具において男性群が女性群より約30%低い結果でした (all P<0.001)。同様に、気管挿管完了までの時間は、全ての喉頭鏡および気管挿管補助器具において男性群のほうが女性群よりも約10%早い結果でした (all P<0.05)。気管挿管初心者において、性差が気管挿管施行パフォーマンス指標に与える影響が示されました。本研究の結果は、臨床研究で妥当性を検証する必要があります。
    本研究結果は以下のリンクからご覧になれます:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38462525/sexdis.png


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