Ono Y, Ishida T, Tomita N, Takayama K, Kakamu T, Kotani J, Shinohara K. Attempted Suicide Is Independently Associated with Increased In-Hospital Mortality and Hospital Length of Stay among Injured Patients at Community Tertiary Hospital in Japan: A Retrospective Study with Propensity Score Matching Analysis. Int J Environ Res Public Health. 2024;21:121.
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自殺企図/自傷によって病院に搬送される患者様は、COVID19後増加しており、自殺は現代社会において非常に大きな問題となっています。自殺企図が、通常の外傷と比べて患者の生命予後や在院日数に与える影響は、十分に知られていませんでした。今回、当科の大野 雄康らは福島県太田西ノ内病院の外傷データベースを使用し、この臨床的疑問の解決を試みました。
2002年1月1日から2021年12月31日に同院に搬送された 2714 名の外傷患者を対象とし、自殺企図群と非自殺企図群で死亡率および院内滞在日数を比較検討しました。
外傷患者の生理学的・解剖学的重症度、年齢、性別、基礎疾患などを傾向スコアマッチングを用いて調整し解析したところ、自殺企図群では、非自殺企図群に比較して有意に死亡率が高く(20.9% vs. 37.4%; odds ratio 2.27; 95% confidence intervals 1.33-3.87) 、院内滞在日数が長い事が判明しました (9 days vs. 12 days, p = 0.0076)。自殺企図が外傷患者の予後に与える影響を明らかにした、重要な研究成果と考えられ、ここに紹介させていただきます。

本研究結果は以下のリンクからご覧になれます：https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38397612/