神戸大学美容外科には、他院での施術の修正を希望して受診される方も少なくありません。
大学病院美容外科の使命として、そのような患者さんをできる限り受け入れて、相談に乗るように努めています。
気になるのは、韓国や中国に旅行したついでに、美容外科の施術を受けて来られる方が少なくないことです。
そしてそのような方達は、診察しても、どんな手術が行われたのか?どんな材料が使われたのか?など、まったく情報が得られないことがほとんどです。
ひどいケースでは、手術後のまだ傷が落ち着いていない状況で、合併症が生じているにも関わらず、「あとは近所のクリニックで診てもらってください」と丸投げされているような方もおられます。
もしかしたら担当された先生も、国境を越えて受診するようには指示できず、やむを得ないのかもしれませんが、私たちは、自分たちが手術した患者さんの傷は、完全に落ち着くまでお世話するのが当然と考えており、このような状況をとても憂いています。
もちろん「美容大国」と言われている韓国に、優れた美容外科の先生がたくさんおられることは承知しています。そして施術費用が安価に設定されており、ツアー代を差し引いてもお得感があるともお聞きします。
そんな理由から、海外旅行ついでに気軽に手術を受けて来られるのだと思います。
が、美容外科は魔法ではなく、人の手で行う医療です。
医療である以上は100%はあり得ないのです。
場合によっては、感染などの合併症を生じることもありますし、結果に満足できず修正を要することもあるのです。
そんな時に、本来は責任を持って相談に乗ってくれるはずの「担当医」がそばに居ない、そして相談すらできない状況は、とても理想とは言えません。
そしてそれらはすべて「自己責任」とされてしまうのです。
海外での施術をご検討の方は、そのようなリスクを十分にお考えの上で、決断されるようお願いします。