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 大学病院ではたらく美容外科医のコラム 


No showってご存知ですか?

「No show対策レポート」

最近No showという言葉をメディアでもよく耳にしますが、ご存知でしょうか?
少し前になりますが、2018年11月1日付で、経済産業省の有識者勉強会から「No show対策レポート」が出されています。
「No show」とは、飲食店の無断キャンセルのことで、予約をしていたにもかかわらず、その日時になっても店に連絡なく、または店の連絡を無視して来店しないことを言います。


・No showにより、起こること

そのレポートによると、店側は本来得られたであろう利益が失われただけでなく、食材費、食材の仕込みに要した人件費や光熱費等が損失となります。
それだけでなく、客側も予約が困難な店がNo showのために空席があるにもかかわらず予約が取れない、店側がNo showによる被害を補填するために本来よりも高い料金を支払うようになるなどの被害を被った例が示されています。



・医療の現場では?

医療の現場でも、No showは問題になっています。
特に美容外科は、疾患を有した患者さんを対象としていない、つまりその日に手術を受けなくても痛みを伴ったり、体調が悪くなったり、生命を脅かすことはないので、No showが発生しやすいのです。


・神戸大学美容外科では?
残念ながら、神戸大学美容外科でもNo showが大きな問題になっています。
私たち病院側の事情としては
1) 手術の準備(費用もかかっています)、すべてが無駄になります。
2) 貴重な手術枠、予約枠が、無駄になります。
特に手術枠の無駄遣いが非常に大きな問題です。
他の美容外科手術を希望する患者さんの手術が先延ばしになるだけではないのです。
神戸大学病院では、手術枠に対して手術を希望する患者さんが非常に多いため、たとえば癌の患者さんの手術も待機期間があるのです。
そんな状況でも、美容外科の患者さんにも平等に手術室の割り当てを頂いているのです。


そして患者さんも不利益が生じています。
3) 美容外科の患者さんの手術予約、外来予約が取れなくなり、待機期間が長くなる。
神戸大学美容外科では手術だけでなく、外来も完全予約ですので、外来でもNo showは起こっています。
外来の予約がなかなか取りにくい状況にもかかわらず、当日はNo showによってガランとしている日もあるのです。


・神戸大学美容外科の今後の見通しとお願い

このままNo showが増え続けると、神戸大学美容外科の運営に大きな支障となり、何らかの対策を取らざるを得ないことも十分に考えられます。
私たちは十分に説明し、理解、納得いただいた上での美容医療を目指しています。
厳しい状況をぜひご理解いただき、ご協力いただくようにお願いいたします。


文責:神戸大学病院美容外科診療科長 原岡剛一

 

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