CMX

R5年度ワークショップ Emergence Conference

日時 令和6年1月18日(木)13:00
会場 神戸大学神緑会館記念ホールA・B

画像

「第4回Emergence Conference」を令和6年1月18日,神戸大学神緑会館記念ホールにて開催致しました.
本カンファレンスの狙いは,「国内を代表する研究者をお招きし,その独創性の高い研究成果をご発表頂くことで最先端の研究動向を学び,臨床応用を含む新たな研究の着眼点を得ることで新たな共同研究が生まれる契機となる」ことを企図しています.今年度は発展が目覚ましく, 再生医学における最もホットなトピックとなっている「オルガノイド医学」をテーマに企画致しました.

「オルガノイド」は,「in vivo器官の複雑な構造・機能の両側面を,細胞ベースで三次元に展開したin vitroモデルであり, ヒト組織における発生,疾患モデリング,そして創薬,診断,個別化医療への研究に資するもの」と定義され, 現在も,新規プロトコールの開発,改変・最適化が全世界レベルで凌ぎを削っています.

カンファレンスでは,本会のオーガナイザーを務めた医学部生理学分野の野村淳による「オルガノイドの研究トレンド・研究動向に関するレクチャー」の後,同大医学部消化器内科の児玉裕三先生による「患者由来オルガノイドを用いた早期膵がんの病態解明」,大阪大学医学部幹細胞応用医学の林竜平先生より「多能性幹細胞由来オルガノイドを用いた眼の再生治療法の開発」,同大学医学部幹細胞医学の小柳(青井)三千代先生より「オルガノイドを用いたヒト発生・病態メカニズムの解明と治療への応用」についてご講演頂きました.
続いて, 理研BDR-大塚製薬連携センターの坂口秀哉先生より「神経オルガノイドによって可能となる回路レベルのヒト神経活動評価およびオルガノイド医学としての展望」,大阪大学医学部幹細胞医学の林克彦先生より「生殖細胞と性分化課程の再構築と操作」をご講演頂いた後,特別講演として慶応義塾大学医学部の佐藤俊朗先生より「オルガノイドによる消化器がんの理解」についてご講演頂きました.特に大阪大学の林克彦先生におかれましては,Natureによる「2023年, 科学に貢献した10人」に選出されたタイミングであり,本会が企図した目的を具現化した好例と考えています.

本カンファレンスを通し,講演者,参加者間で活発な質疑,意見交換が行われた事で本年度もカンファレンスの目的を無事果たすことが出来ました.関係者の皆様に改めて心より感謝申し上げます.

(文責 野村淳)

PROGRAM

13:00

Opening Remarks

鈴木 聡
神戸大学大学院医学研究科メディカルトランスフォーメーション研究センター副センター長
生化学・分子生物学講座 分子細胞生物学分野 教授

13:05 Mini-Lecture

オルガノイド研究の基礎とトレンド

野村 淳 神戸大学大学院医学研究科 生化学・分子生物学講座 生理学分野 助教

13:15 Lecture 1

患者由来オルガノイドを用いた早期膵がんの病態解明

児玉 裕三 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野 教授

13:45 Lecture 2

多能性幹細胞由来オルガノイドを用いた眼の再生治療法の開発

林 竜平 大阪大学大学院医学系研究科 幹細胞応用医学 寄付講座教授

14:25 Lecture 3

オルガノイドを用いたヒト発生・病態メカニズムの解明と治療への応用

小柳(青井)三千代 神戸大学大学院医学研究科 未来医学講座 幹細胞医学分野 特命助教

14:55

BREAK

15:20 Lecture 4

神経オルガノイドによって可能となる回路レベルのヒト神経活動評価およびオルガノイド医学としての展望

坂口 秀哉 理化学研究所生命機能科学研究センター 理研BDR-大塚製薬連携センター 坂口研究室 研究リーダー (上級研究員)

16:00 Lecture 5

生殖細胞と性分化課程の再構築と操作

林 克彦 大阪大学大学院医学研究科 幹細胞医学 教授

16:40

BREAK

17:00 Keynote Lecture

オルガノイドによる消化器がんの理解

佐藤 俊朗 慶應義塾大学医学部 医科学教室 教授

18:00

Closing Remarks

内匠 透
神戸大学大学院医学研究科メディカルトランスフォーメーション研究センター センター長 生理学・細胞生物学講座 生理学分野 教授