近年の情報科学の目覚ましい進展と次世代医療基盤法の施行により、日本もデジタルヘルスによる経済発展と社会課題の解決を両立する新たな社会“Society 5.0”の幕開けを迎えました。なかでも、患者の生活情報と医療情報のデータ連携は医療の高度化やビッグデータ解析による様々なイノベーションを生み出す新たなアプローチとして注目されています。
医学研究においては、イメージングやオミクス解析等での人工知能(AI)の活用が活発化し、医学とデータサイエンスとの融合によって研究スキームのパラダイムチェンジが急速に進んでいます。
一方、産業界においても、先進デジタル技術やAIの活用が急速に進み、新薬や医療機器等の研究開発に革命的な変化がもたらされつつあります。さらに、情報、通信、金融等の業種も新たなデジタルヘルス関連事業を立ち上げ、健康、医療、介護産業への参入を図るなど、産業界の構造は急速に変化しています。このような研究開発のパラダイムシフトと産業構造の変化に対応するためには、医学研究科と医学部附属病院が一体となって、AI・デジタルヘルス基盤の整備を進め、国や自治体、産業界との緊密な連携体制を戦略的に構築することが最重要課題であると考えています。
デジタルイノベーション推進センターは神戸大学医学研究科及び附属病院におけるデジタル医療の開発拠点として、産官学連携のもとデータ駆動型研究や人材育成を戦略的に推進しています。デジタルヘルス分野で神戸大学との連携を希望されている企業や自治体の皆様の期待にお応えできる組織として発展していきたいと考えております。
附属病院長 教授
センター長 眞庭 謙昌
神戸大学大学院医学研究科
デジタルイノベーション推進センター