研修・入局のご案内

研修・入局を考えている先生方へ(教授メッセージ)

外科に興味のある皆さんへ

掛地 吉弘
神戸大学食道胃腸外科 教授
掛地 吉弘
 医学部を卒業した後の人生設計は、多くは漠然としていて未知数だろうと思います。自分の場合を振り返ってみてもそうでした。来年のことは少しは予想がつくけれど、5年先、10年先のことはまるで想像できない状態でした。
 「患者さんにその時の世界で最良の治療を提示できる医師になりたい」という気持ちで、手術も含めてありとあらゆる治療が可能な外科を志望しました。外科の魅力の一つは、何をしようが、患者さんのためになるのであれば手法の制限が無いことです。手術を中心として、化学療法、放射線療法、最近は免疫療法まで、集学的治療に参加することもできます。もう一つの外科の魅力は、一人ではなく仲間とチーム医療を行うことです。個人の能力の限界をチームが助けて伸ばしてくれます。
 将来の専門分野は、まず好きなものを選ぶことを勧めます。岐路に立った時も多くの先輩たちが経験を語ってくれます。歩を進めるうちに得意な分野がしっかりとした専門性をもって見えてきます。臨床を志す方に、外科はあらゆる意味で自信をもって薦められる診療科です。
 外科が好きな人はもちろん、何が好きなのかわからなくて見つけたいと思っている人も是非、訪れてみてください。皆で歓迎します。
 

「一緒に働きませんか?」

神戸大学食道胃腸外科では、見学を随時受け付けています。消化管領域の手術に興味のある方、内視鏡手術やロボット支援手術に興味のある方、癌研究や医用工学に興味のある方など大歓迎です。
初期臨床研修や外科専門研修プログラム、大学院入学、入局などをご希望の方は、下記まで気軽にお問合せください。
 
担当 診療科長補佐 澤田 隆一郎
TEL 078-382-5925(医局)
MAIL ichige[at]med.kobe-u.ac.jp  ※[at]を@に換えてください



先輩からのメッセージ

堀川 学
平成26年卒 堀川 学
出身地:大阪府
出身大学:熊本大学
初期研修:地域医療機能推進機構 人吉医療センター
後期研修:神戸大学医学部附属病院、兵庫県立加古川医療センター
 熊本大学を卒業後、初期研修は熊本県内の病院で行いました。ここでは救急や初期診療を中心に、現在専門にしている消化器外科に限らず様々な診療科で幅広く経験を積ませて頂きました。
 初期研修の過程で、劇的に患者さんのアウトカムを変えることができる外科に魅力とやりがいを感じ、外科医を志すことにしました。消化器外科の技術は非常に進んでおり、悪性疾患をはじめとして様々な疾患に対処することができます。しかしながら、それでもなお「治す」ことができない病気があることも事実です。外科的手技の研鑚に加えて、それらの病気を将来治せるようになるための取り組みに自分も参加してみたいと思い、神戸大学食道胃腸外科に入局しました。自分の出身地にも近く、先端的な診療や研究を行っていると聞いていたためです。
 そして噂は本当でした。私は他大学の出身ですが、当科でそれを意識することはまずありません。大学院に進み、iPS細胞技術を用いた悪性疾患の研究に取り組んでいます。神戸の街も住んでいて楽しいです。もし進路に迷っておられるなら、ぜひ一度見学においでください。 
堀江 和正
平成25年卒 堀江 和正
出身地:兵庫県伊丹市
出身大学:神戸大学
初期研修:神戸市立西神戸医療センター
後期研修:神戸市立西神戸医療センター
 神戸大学卒業後、神戸市立西神戸医療センターで初期研修・後期研修の計5年間研修しました。その後、将来的に診療・研究活動や後進の指導等で母校に貢献できればと考え、神戸大学食道胃腸外科に入局しました。
 消化器外科では悪性腫瘍から急性疾患まで幅広い領域の疾患に対して、手術を中心に、薬物治療などトータルで治療を行います。実際に自分の手で病気を治す面白さは外科ならではで、術前・術後通した患者さんとの関わりも非常に深く、やりがいのある仕事です。さらに、まだ明らかになっていないことも多く、よりよい治療を求めて日々研究が行われている、学問としても奥深い領域だと感じます。
 当科では臓器ごとのグループでそれぞれが専門性の高い治療を行っており、またレベルの高い他科との連携によって強力な集学的治療を行っています。それを学べるのは大学ならではの強みだと思います。スタッフの先生も指導熱心で、やりたいことをサポートしてくれる環境が整っていますし、和やかな雰囲気も当科の良さだと思います。少しでも外科に興味のある方は、是非一度当科に見学にきてみて下さい。
坂本 浩輝
平成25年卒 坂本 浩輝
出身地:兵庫県洲本市
出身大学:徳島大学
初期研修:愛仁会高槻病院
後期研修:愛仁会高槻病院
 平成29年入局の坂本浩輝と申します。大学卒業後は関西での勤務を希望していたため、学生時代にいくつかの病院に見学へ伺いました。その中でも、外科の先生方に非常に親切にしていただいた高槻病院での初期研修を開始しました。初期研修、後期研修の計4年間を過ごす中で、幸運にも外科医として尊敬できる先生達にご指導いただき、縁あって神戸大学食道胃腸外科に入局し、大学院博士課程は病理学分野に出向し研究を行いました。
 当科の特徴として、医局員の出身大学の多様性が挙げられます。実際に私も他大学出身ですが、出身大学によるしがらみは感じませんし、垣根の低いオープンな雰囲気があると思います。関西圏での勤務を考えている方など、当科に興味のある方は是非一度その雰囲気を体験しにお越しください。
山田 康太
平成25年卒 山田 康太
出身地:愛知県
出身大学:神戸大学
初期研修:甲南会甲南医療センター
後期研修:甲南会甲南医療センター、愛仁会高槻病院
 平成25年卒業の山田康太と申します。神戸大学を卒業後、地元愛知には戻らずそのまま神戸市内の病院で研修を行いました。初期研修を行う間にさまざまな科をローテートし自分に合った診療科を考え非常に悩みました。しかし外科をローテートした際に、実際に手術を行い、全身管理を行い、元気に退院していく患者さんを診て非常にやりがいのある診療科だと感じました。また開腹手術から腹腔鏡手術、近年はロボット手術など医療機器の発展に伴い、目まぐるしく手術手技も変化していきます。そういった点では日々刺激のある診療科であると思います。そんな中、神戸大学食道胃腸外科に入局しその後大学院に進みました。大学院では当科の中での研究グループで癌免疫の研究をおこなっています。また当科では社会の変化にも対応すべく働き方改革にも熱心に取り組んでおり、昔の外科医としてのイメージとは大きく異なります。当科に少しでも興味がある方がおられれば、ぜひ一度見学においでください。



女性外科医のキャリアサポート

様々なライフスタイルや価値観などからダイバーシティ(多様性)への取り組みが広がっており、医療の現場においても重要になっています。
当教室では、家庭の事情がある先生、子育て中の先生など、様々な事情を汲み取り、各自が力を発揮できるような環境を提供するように心掛けています。大学病院ではチーム制を採用しており、互いに協力して診療を行い、当直や緊急手術は当番制で対応できるようにしています。それぞれのキャリア・時期に合わせ、より良い臨床経験を積めるよう、関連施設も含めた環境作りに取り組んでいます。
 

女性外科医 キャリア例

平成21年卒 向山 順子
向山 順子
  キャリア 専門医等 ライフイベント
2009(平成21年) 初期研修医    
2010    
2011 後期研修医    
2012    
2013 大学院    
2014 外科専門医  
2015    
2016 学位取得(医学博士)  
2017 研究留学    
2018    
2019   結婚
2020   出産
私は後期研修医として外科診療に従事をする中で、もっと深く消化器癌を理解したいという思いを持ち、大学院に進みました。大学院では、分子細胞生物学教室にお世話になり、手術検体を活用した大腸癌幹細胞の研究を行いました。学位取得後は米国Columbia大学に研究留学し、術後再発が多く予後が不良な大腸癌のサブタイプであるCDX2低発現大腸癌の研究を行っています。臨床での課題を克服するための基礎研究はPhysician scientistの醍醐味であり、やりがいを感じています。アメリカでの結婚やコロナ禍のニューヨークでの出産は大変なこともありましたが、良い経験になりました。留学中も食道胃腸外科の先生方や秘書さん達にはお世話になり、このような温かい教室の一員であることに心から感謝をしています。  

<業績>
筆頭論文
  1. miR-221 targets QKI to enhances the tumorigenic capacity of human colorectal cancer stem cell populations. Cancer Research, 79:5151-5158, 2019
  2. Roles of microRNAs and RNA-Binding Proteins in the Regulation of Colorectal Cancer Stem Cells. Cancers, 9: 143, 2017
  3. Evaluation of the Risk of Lymphomagenesis in Xenografts by the PCR-based Detection of EBV BamHI W region in Patient Cancer Specimens. Oncotarget, 7: 50150-50160, 2016
  4. Effect of Xenotransplantation Site on the MicroRNA Expression of Human Colon Cancer Stem Cells. Anticancer Research, 36: 3679-3686, 2016

研究費獲得
受賞歴  
 
平成24年卒 石田 苑子
石田 苑子
  キャリア 専門医等 ライフイベント
2009(平成21年)     結婚
2010     第1子出産
2011      
2012      
2013 初期研修医    
2014   第2子出産
2015 後期研修医    
2016    
2017 大学院    
2018    
2019    
2020 外科専門医 第3子出産
2021 留学    
2022 大学病院    
外科医不足が危惧されている中で、女性外科医は年々増加しています。女性であっても、男性医師と同じように研鑽を積み、外科医として腕を磨き続けたい気持ちは一緒です。女性が働きやすい環境を作ることで、結果的に男性も含めた診療科全体を働きやすい環境に変えられるよう、尽力したいと考えています。私自身も子供を3人育てながら、キャリアについて模索し続けています。同じ外科医の夫とともに、夫婦で子育てをやりくりしながら互いの仕事を尊重し、ステップアップを目指しています。当医局には多様な働き方を受け入れ認めていただき、心から感謝しております。

所属
発表・講演  
 

妊娠中、育児中のご家庭へ

妊娠・出産は、女性にとっても男性にとっても重要なライフイベントです。当教室での研修・入局をご検討の先生方は、下記の情報やホームページを参考にしてください。子育て中の医師に直接相談することも可能です。
   
 

女性外科医関連学会のホームページ

日本女性外科医会 消化器外科女性医師の活躍を応援する会