事業概要・実施体制

神戸大学の取組

医療機器開発における“日本型エコシステム”推進拠点

神戸大学医学部附属病院では、2014年度から5年間実施した国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)「国産医療機器創出促進基盤整備等事業」に引き続き、2019年度より開始された「次世代医療機器連携拠点整備等事業」の拠点として活動しています。
当院ではこの事業において、“日本型エコシステム”を確立すべく4つの取組みを実践しています。

事業実施体制
3つの機能を合わせた学内横断体制と学外ネットワーク

神戸大学では、3つの機能を合わせた学内横断協働体制により医療機器開発と人材育成を推進しています。さらに、臨床現場として医学部附属病院、リサーチホスピタルとして国際がん医療・研究センター(ICCRC)を、非臨床大型動物試験の場として統合型医療機器研究開発・創出拠点(MeDIP)を活用することで、強固な医療機器開発基盤を構築しています。また、本事業における連携拠点、他大学、神戸市、神戸医療産業都市推進機構をはじめとした支援機関、全国の医療機器関連企業と積極的に連携しています。

神戸大学における医療機器開発・人材育成協働体制

神戸大学における医療機器開発・人材育成協働体制

神戸大学における医療機器開発関連施設

神戸大学における医療機器開発関連施設

“日本型エコシステム”の構築

米国では医療機器の初期開発段階を主にベンチャー企業が担っています。この初期開発段階は高い独創性や幅広い知識が要求され、失敗のリスクも高くなりますが、多様なバックグラウンドをもつ起業人材が持続的に育成され、同時に医療機器開発経験の豊富な人材が常に流動していることで、次々とベンチャー企業が生まれ、その企業を大手のメーカーが買収するという循環システムが成立し、またそれを資金的・人的に支援する環境も整備されています。

一方、神戸大学医学部附属病院は、初期開発段階をベンチャー企業のみに依存するのではなく、アカデミアや臨床現場を多様な人材の集積と人材の流動性のプラットフォームとして利活用し、同時に初期開発を牽引できる人材を育成するという、日本の環境に合った“日本型エコシステム”を提唱しています。産官学の医療機器開発の多様な関係者が集積し、集合知によって医療機器開発を推進し、さらにその実践現場で次世代の人材を育成する循環システムの構築を目指します。また人々のネットワーキングを重要視しており、プラットフォームで繋がったネットワークが国内外に広がることにより効率的な医療機器開発の推進を図ります。

“日本型エコシステム”の構築

産学連携ネットワーク構築

“日本型エコシステム”が循環するには、ネットワークの構築は極めて重要です。本事業の拠点間連携(※)はもちろんのこと、医療従事者と学内外の工学系研究者との連携を推進して初期開発を実践しています。企業との連携はアカデミアにとっては必須で、初期開発におけるものづくり企業や国内外の医療機器メーカーと共同開発を進めています。また、AMED、厚労省、経産省、PMDA、神戸市、神戸医療産業都市推進機構などの官公庁とも連携を図り、医療機器開発推進や人材育成などでも協力を得ています。さらにネットワークの強化には欠かせない各種のイベントも開催しており、医療機器開発関係者の交流や情報交換の機会を提供しています。(「事業実施体制」参照)

※本事業の「医療機器開発連携推進ネットワーク「和(やわらぎ)ネットワーク」では合同シンポジウム等を開催し、拠点連携ポータルサイトにより医療機器開発における連携情報を提供しています。和(やわらぎ)ポータルサイト https://yawaragi-net.com