教室の特色

ロボット支援手術


ロボット支援手術はその名のとおり、従来の腹腔鏡や胸腔鏡による内視鏡手術の一部に医療用ロボットを用いた手術です。当初保険適用されていた疾患は前立腺癌、腎癌のみでしたが、平成30年度診療報酬改定において12のロボット手術が保険収載されました。現在では、消化管領域において食道癌、胃癌、大腸癌が保険適応となり、通常の開胸・開腹手術や内視鏡手術と同様に、保険診療で手術を受けていただくことが可能です。

従来の内視鏡手術は、体壁の小さな創から体腔内に内視鏡カメラや手術用鉗子を挿入し行う手術です。一方で、ロボット支援手術は、ロボット本体(図1)を患者さんの近くにおき、体壁の小さな創からロボット専用内視鏡カメラとロボット用鉗子を体腔内に挿入します。ロボット支援手術といってもロボットが自動で手術をするわけではなく、外科医が操作室(図2)に座り、遠隔操作によりロボットを動かし手術を進めます。

(図1)
(図1)
(図2)
(図2)

内視鏡手術は従来の開胸・開腹手術に比べ、①創が小さい、②術後の創痛が少なく回復・退院が早い、③内視鏡カメラの拡大視効果によるクリアな視野確保、といった利点がありました。ロボット支援手術は、これらの内視鏡手術の利点に加え、多くの利点があります。最大の特徴は、通常の内視鏡用鉗子が直線状であることに対し、ロボット用鉗子は関節を持ち、手ぶれ(振戦)が全くないことです(図3)。直線の鉗子がとどかない場所でも、ぶれのない精密な手術操作が可能となります(図4)。

(図3)
(図3)
(図4)
(図4)


ロボット支援手術は、学会で規定された資格(日本外科学会外科専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医など)や所定のトレーニングを満たした外科医にしか行えません。当教室では、食道癌や胃癌、大腸癌それぞれの領域において、多くの外科医がこの基準を満たし、ロボット支援手術を行える体制を整えています。

症例によっては、従来の開胸・開腹手術や内視鏡手術の方が望ましい場合もあり、現時点では全ての患者さんにロボット支援手術を行えるわけではありません。しかし、患者さんへの手術侵襲の軽減や緻密な手術を提供するという点において、今後は内視鏡手術のみならず、ロボット支援手術も有用な治療手段になると考えています。

集学的治療

癌の主な治療法には「手術」「抗がん剤」「放射線」「免疫療法」があります。これらの治療法を組み合わせて治療を行う事により、治療効果をより高め、また副作用や合併症を軽減させることが可能となります。このように、複数の治療法を組み合わせて行う治療を「集学的治療」と言います。癌の発症箇所や進行度、重複癌の存在、また基礎疾患の有無や既往歴などにより、患者さん一人一人に最適な治療法は異なります。

食道胃腸外科では、消化器内科や腫瘍血液内科、放射線腫瘍科、泌尿器科、産婦人科など様々な分野の専門科や緩和ケアチームと協力し、患者さん一人一人に適した最適な治療方法を検討し、最善の治療を行っています。

下記のようなカンファレンスを行い、最善の治療法について話し合っています。

  • 消化管集学的治療カンファレンス(食道胃腸外科・消化器内科・腫瘍血液内科・放射線腫瘍科)
  • 骨盤腫瘍カンファレンス(食道胃腸外科・泌尿器科・整形外科・婦人科)
  • 消化管病理カンファレンス
  • Tumor Board
消化管集学的治療カンファレンスの様子