関連施設紹介RELATED FACILITIES

関連施設紹介

神戸低侵襲がん医療センター

神戸低侵襲がん医療センター

神戸低侵襲がん医療センターについて

神戸低侵襲がん医療センターは、「小さく見つけてやさしく治す」を基本理念とし、放射線治療と薬物療法を中心とした「切らずに治す」がん医療を推進する、新しいコンセプトのがん治療専門病院です。手術室を持たず、非手術の低侵襲がん医療に特化しています。サイバーナイフ(CyberKnife VSI)・トモセラピー(TomoHD)・トゥルービーム(TrueBeam)の3台の高精度放射線治療装置を駆使して、あらゆる病態のがん患者さんに対して、保険診療にて最適な放射線治療を提供することができます。放射線治療を目的に当院を初めて受診される患者さんは年間約1000名であり、1日あたりでは平均75名~90名の患者さんが当院で放射線治療を受けられています。神戸低侵襲がん医療センターでは常時約7割のがん患者さんが定位放射線治療(SRT)あるいは強度変調放射線治療(IMRT)を受けられており、高精度放射線治療の比率が他施設よりも高くなっています。個室を中心とする80床の入院病床を有しプライバシーを重視しながら、入院および外来にて放射線治療・薬物療法・化学放射線療法・IVR・内視鏡治療などの低侵襲がん医療を受けることができます。

高精度放射線治療装置

神戸低侵襲がん医療センターは3種類の高精度放射線治療装置を保有しています。その中でも最も特徴ある装置がサイバーナイフです。サイバーナイフは、高精度のロボットアームに小型のリニアックを搭載した定位放射線治療専用装置です。斜め45°方向2組のX線透視装置で病巣の位置をリアルタイムに確認することができ,照射中の腫瘍の動きに対して,ロボットアームで照射位置を随時補正し,追随することができます。この動体追尾機能により脳腫瘍では1㎜以下、呼吸性移動を有する肝腫瘍や肺腫瘍などでも1.5㎜以下の精度が担保されています。転移性脳腫瘍を主体とする脳腫瘍の治療が約200例ほどで半数を占めていますが、呼吸性移動を有する肺腫瘍や肝腫瘍の治療数も多く、約85例とそれぞれ約2割を占めています。2019年夏より、前立腺癌に対してサイバーナイフを用いた定位放射線治療(隔日5回/10日間)による超短期照射を開始しました。

神戸大学放射線腫瘍科と神戸低侵襲がん医療センター放射線治療科の関係について

放射線治療科のスタッフは放射線治療専門医5名をはじめとして、医学物理士4名、放射線治療部門専属技師7名、部門専属看護師4名が在籍しており、高精度放射線治療を安全に行える体制を整えております。当院放射線治療科は、神戸大学放射線腫瘍科の医局に所属しており、人事面や患者様のご紹介につきまして多大なご支援をいただいております。当院は放射線治療や癌治療に関連する学会をはじめ,神戸大学放射線腫瘍科が主催する研究会にも積極的に参加し,学会発表を行っております。神戸大学との共同研究や,複数の臨床試験グループの多施設共同臨床試験への参画にも注力しています。当院が開設された2013年に神戸大学放射線腫瘍科に所属する放射線科専門医(治療)3名が赴任し、診療を開始しました。神戸大学放射線腫瘍科よりマンパワーの面でも大きなご協力をいただいており、神戸大学放射線腫瘍科のスタッフ4名が交代で非常勤にて週4日間、当院にて外来診療を行っていただいております。当院は神戸大学医学部附属病院からほど近い,ポートアイランドに位置しておりますので、神戸大学放射線腫瘍科をローテートする医学生や若手医師の見学も積極的に受け入れております。当院は放射科専門医特殊修練機関としての認定も受けており、放射線科専門医制度に定められた研修を当院にて受けることができます。当院には小線源治療装置がありませんが、神戸大学放射線腫瘍科にご協力をいただき週1回の小線源治療の研修も受けていただくことが可能です。当院ならではの高精度放射線治療を学びたい若手医師を積極的に受け入れる方針ですので,ご興味のある方は神戸大学放射線腫瘍科までお問い合わせ下さい。

神戸陽子線センター

神戸陽子線センター

神戸ポートアイランドにある陽子線治療施設です。

当センターの特長

我が国初の小児に重点を置いた陽子線治療施設

全国に15しかない小児がん拠点病院である兵庫県立こども病院に隣接し、渡り廊下で接続されているため、数多くの小児がん症例を経験できます。実質初年度である2018年度に44例を治療し、いきなり全国トップになりました。照射時の鎮静を担当する常勤麻酔科医が在籍するため、年少児の治療にも対応しており、年少児特有の疾患も学ぶことができます。また、特に陽子線治療が有用とされている全脳全脊髄照射も行っていますので、ノウハウを修得できます。さらに、当センターの放射線治療科医師がこども病院のX線治療も担当しているため、小児がんのX線治療も学べます。

最先端の陽子線治療システムによる高精度治療

最新の照射技術であるスキャニング法を用いた治療を行っています。また、照射装置メーカーとタイアップして日々進歩する技術の導入に積極的に取り組んでいますので、最先端の治療法を修得することができます。従来からのブロードビーム法も使えますので、それぞれの長所・短所を学べます。

神戸メディカルクラスターの連携による高度ながん治療

全国有数の規模を誇るメディカルクラスター内という立地を活かし、他の医療施設と連携し、前立腺がんに対するマーカー/スペーサー留置併用陽子線治療、頭頸部がんや食道がんに対する化学療法同時併用陽子線治療といった高度がん治療を行っています。このような症例も数多く経験することができます。

神戸大学放射線腫瘍科との連携

当センターの放射線治療科医師4名中3名は神戸大学放射線腫瘍科出身で、残る1名も客員准教授となっており、臨床・研究の両面において、神戸大学放射線腫瘍科と強固な連携関係にあります。神戸大学医学部附属病院から近いポートアイランドにありますので、神戸大学放射線腫瘍科をローテーションする若手医師や学生の見学を定期的に受け入れています。陽子線治療や小児がん放射線治療を学びたい若手医師を積極的に受け入れたいと考えていますので、ご興味のある方は神戸大学放射線腫瘍科までお問い合わせ下さい。

兵庫県立粒子線医療センター

兵庫県立粒子線医療センター

当院は、2001年、陽子線治療と炭素イオン線治療の両方が行える世界初の施設として開院しました。日本国内でも最初期に開院した施設の一つであり、これまでの累積症例数は9000例を超え、日本有数の粒子線治療患者数を誇ります。

日本で唯一の陽子線・炭素イオン線治療の可能施設

日本で唯一、陽子線・炭素イオン線治療の両方が施行可能な施設であり、その両方の特長を学ぶことができます。陽子線・炭素イオン線のどちらが最適かは症例によって別個に検討する必要があり、ペナンブラ、フラグメンテーションテイルなどの物理的特性の差に加え、計算された生物学的効果と実際の各臓器の反応の違いなども考慮に入れながら最適な治療法を決定しています。

粒子線治療と集学的治療の提供

粒子線治療病棟として50床の入院病棟を有し、通院の難しい患者の受け入れの他、化学療法の併用なども積極的に行っています。また同室CTを有するIVR装置を備えており、肝臓癌へのTACEや肝/頭頸部領域の同時動注療法、各種マーカー留置なども行っています。すべての領域において、連携の大学病院/総合病院/がんセンターなどの施設の各領域専門医とのキャンサーボードで治療法を検討したのち、最適な集学的治療を提供しています。先端の粒子線治療に加え、化学療法や全身管理を含めたオンコロジーに必要な経験を包括的に積むことができます。

粒子線治療の今後の展望

先進医療のイメージの強い粒子線治療ですが、2016年、2018年の保険改定で複数の疾患(骨軟部腫瘍、頭頸部腫瘍、小児腫瘍、前立腺癌)が保険収載され、保険診療での治療が可能となっています。すでに北米や欧州ではCommon cancerにも広く粒子線治療が適応となっており、本邦でもCommon cancerを含めた保険適応拡大に向けて、今後も全国規模で症例の蓄積を続けていく方針です。

神戸大学放射線腫瘍科との連携、全国からの長期研修医師の受け入れ

開院当初からの神戸大学放射線腫瘍科との研究・人的交流両面での連携はもちろん、粒子線治療の先行施設である当院はこれまでも新たに粒子線治療装置を導入する施設の医師の長期研修を受け入れてきました。今後も当院での研修希望のある先生を積極的に受け入れていきたいと考えています。

川崎医科大学 放射線腫瘍学教室

川崎医科大学 放射線腫瘍学教室

当院は1,182床を有する地域基幹病院で、昭和48年に開院して以来「すべては患者さんのために」という理念のもと医療の発展と患者さんの診療に努めています。がん診療に関しては、がんセンター、緩和ケアセンター、緩和ケア病棟を備え、地域がん診療連携拠点病院として地域における中核的な役割を果たしています。その中で放射線科は、診療科としても大学の教室としても診断・治療・核医学が独立しており、各科がより専門性の高い診療・研修・教育を提供できる環境が整っています。当科では放射線治療装置としてリニアック2台と高線量率小線源治療装置(マイクロセレクトロンⓇ)1台を有し、定位放射線治療や強度変調放射線治療を含めた外照射全般と、組織内照射や腔内照射などの小線源治療を行っています。中でも前立腺癌に対する192Ir線源を用いた高線量率組織内照射では、わが国有数の経験(約1,200例:1997-2016年)を有しています。また難治性頭頚部がん、皮膚がんを対象に、治験および臨床研究として中性子捕捉療法を行っていることも大きな特徴です。当院は診療科間の垣根がたいへん低く、主役である患者さんを中心に、常に集学的な視点から最適な適応判断や治療方針を提供することをモットーとしています。根治治療から緩和治療までシームレスながん診療を提供し、患者さんに寄り添った診療を行うためには、患者さんを密にフォローアップすることが大切です。当科では放射線治療期間中はもちろんのこと、治療終了後も原則としてすべての患者さんを継続的にフォローアップしており、結果的に外来診察患者数はのべ12,000人を超えています(2017年度)。外来診療業務が多忙にはなりますが、そこから得られる臨床経験は何ものにも代えがたいと考えています。最後に、当科は古くから神戸大学放射線腫瘍科と人的交流を密にしており、神戸大学で研修を行う医師がその一時期を当院で研修し、経験を積んで戻っていくという実績が多数あります。違う病院、違う地域での診療経験は、貴重な経験になることと思います。