研修·教育TRAINING / EDUCATION

研修の概要

初期研修

初期研修

社会の高齢化に伴い、がんという病気はもはや医療に携わる者にとって避けては通れないものとなっています。
さらに、集学的治療という概念が浸透した現在、放射線治療の担う役割は着実に大きくなっています。一方で、放射線治療は機械工学・情報工学の発展による恩恵を直接的に享受し、極めて速いテンポで革新が繰り返されています。
しかしながら、現在医学生が放射線治療について学ぶ機会は多いとは言えません。医師国家試験での出題数が非常に少ないことからも、大学での医学教育において放射線治療にはあまり重きが置かれていないことが示唆されます。国家試験レベルの放射線治療の知識では、日々革新の起こるがん治療の現場において患者さんに適切な情報を提供することは困難でしょう。放射線腫瘍科での初期研修では、放射線治療の裏側を覗き、適応の判断や実際の治療の行われ方、多科連携の現実などを体験して頂くことができます。
がん治療に興味のある方は、関連診療科とセットでの研修をご検討下さい。期間や内容について、ご希望に沿って柔軟に対応致します。まずはお気軽にご連絡下さい。

後期研修

後期研修

後期研修では、放射線治療について知識と理解を深めることはもちろん、専門医資格の取得という具体的な目標を達成することを目指します。
現時点では放射線診断・放射線治療の専門医制度には2段階の試験が設けられ、診断・IVR・治療で共通の「放射線科専門医」を取得した後、「放射線診断専門医」または「放射線治療専門医」のいずれかを取得することとなります。1段階目の「放射線科専門医」取得には診断領域・治療領域の双方の知識と経験を求められるため、将来どちらを目指す場合でも両方を経験しておくことが必要です。当院での放射線科の後期研修は、放射線診断・IVR科と放射線腫瘍科の合同で行っています。1~2年の研修のうち、希望をふまえつつ数ヶ月ずつ各領域をローテートして頂きますので、専門医試験受験資格を得るために必要な経験症例数は余裕を持って達成可能です。また特色の異なる豊富な関連病院との連携により、それぞれの得意分野を生かした専門的な経験を積んで頂けます。

医学物理コース

医学物理コース

物理学に関連する科学的知識を医療の分野に応用する職業である「医学物理士」の育成を行うコースです。
医学物理士の役割は様々な分野に及びますが、当コースではその中でも、放射線治療計画の最適化や検証を主な使命とする放射線治療物理学分野を扱っています。実際の臨床業務に携わりながら、医学物理士認定機構が実施する医学物理士認定試験および認定審査を通過し資格を得ることを目指します。当教室には、診療放射線技師、理工学、生命科学など多彩な背景を持つメンバーが在籍しています。それぞれに合わせたカリキュラムで試験の合格及び学位の取得を目指して研鑽しています。

臨床

外来

初診患者さんの診察に立ち会い、放射線治療の適応の判断や他科連携の現状を学ぶ。通院治療中の患者さんの診察を通じて急性期有害事象や生活のサポートの仕方を身につける。

病棟

当科の入院患者さんの病棟管理を通じて、全身管理や放射線治療に伴う急性期有害事象についての理解を深める。

治療計画

治療計画装置を用いて実際に治療計画を作成することを通じ、放射線治療の実際を体験する。

他科とのカンファレンス

頭頸部癌、消化器、呼吸器、婦人科、骨軟部など領域別の多くのカンファレンスへの参加を通じて、他科連携や集学的治療の実際を学ぶ。Tumor board, BMB(Bone metastasis board)などの多診療科・多職種を含むカンファレンスを通じて、病院全体を挙げた取り組みを体験する。

研究

産学連携

吸収性スペーサ「ネスキープ®」に代表されるような、企業との連携により新規の医療器具や薬剤を創出する研究に携わる。

他大学連携・多施設共同研究

他大学との連携により、互いの強みを組み合わせることでより高度で大規模な研究が可能になります。また、学会・研究会等の主導する他施設共同研究にも参加しています。

問い合わせ先

Fax:078-382-6734

E-mail:miyawaki@med.kobe-u.ac.jp

担当 : 特命准教授 宮脇 大輔(みやわき だいすけ)

研修協力施設

研修協力施設はこちらです。