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山村先生のマンチェスター大学留学便り


山村先生のマンチェスター大学留学便り  2022.03.02 
 皆さんこんにちは。3か月ぶりに体験記を書かせていただきます。
 皆さんこんにちは。またしても3か月ぶりの報告となります。そろそろ3月に入り日本ではそろそろ寒さが落ち着いてきていることと思います。  私はマンチェスターで2回目の冬を過ごしましたが、非常に寒く雪も多かった昨年と比べると今年の冬はだいぶ過ごしやすかったように思います。冬場はどうしても雨や曇りの日が多く(大体8割くらい雨か曇りです)、あまり外にでかける機会はありませんでしたが、先週末は久しぶりに気持ちの良い青空が広がっていたため、家族でリヴァプールまで出かけてきました。残念ながら昨年リヴァプールはユネスコの世界遺産の登録が抹消されてしまいましたが、歴史的な街並みやビートルズゆかりの場所の数々はとても良い思い出になりました。

 さて、今日はここ最近私を悩ませていたビザの問題と、これまた常に悩みの種である英語について書きたいと思います。
 まず、ビザについてです。以前こちらの体験記にも書かせていただきましたが、私は現在、Tier5のTemporary Worker Visa、その中でもGovernment Authorised Exchangeという枠でこちらに滞在しています。もともとの渡航を予定していた2020年3月末から2年間でビザを取得していたため、この3月はビザの更新が必要なタイミングでした。私は現在こちらの大学からは無休の立場で留学をしていますが、幸いなことに4月以降は日本学術振興会の海外特別研究員に採用いただけることになったので、まずは現在のビザの更新を試みました。 Tier5ビザの取得に必要なCertificate(CoSといいます)を発行してもらうために大学の人事部に掛け合ったところ、Tier5ビザは2年目以降の更新はできないため、もし同じビザでの滞在を望む場合には一度日本に帰国し再度ビザの申請を行う必要があると言われてしまいました。そこで代替案として他の種類のビザへの切り替え(切り替えは英国内で可能)を目論みましたが、通常こちらのポスドクが取得しているTier2ビザ(Skilled Worker Visa)は現地で給与をもらっていることが必須条件であるため私は取得不可であることがわかり、いよいよ一時帰国が現実味を帯びていました。

 しかし、コロナ禍での一時帰国はなんとしても避けたいという思いがあり、なにか他の方法はないかと探していたところ、英国内にGlobal Talent Visaという特殊なビザを取得して働いている日本人研究者がいることを知りました。早速その方に連絡を取ったところ、提出書類や申請方法は複雑であるものの、十分私にもビザ取得の見込みがあることがわかったため、1月末より急遽こちらのビザの申請準備を始めることとなりました。簡単に説明すると、このビザは科学研究や文化芸術などの分野で「英国に利益をもたらすような才能がある人」に与えられるビザであり、「招聘されて英国内の大学等で教鞭をとる教授など(exceptional talent)」もしくは「将来有望な若者(exceptional promise)」が応募可能とのことでした。私は後者での応募をするため、必要な書類(指導教官からの推薦状や履歴書、研究業績のまとめ、将来性を説明するための文章など)などを用意し、それらを王立協会(Royal Society)という学術団体に提出し査読(review)を受けることとなりました。先日、査読結果が返却され無事に資格(endorsement)を取得することができ、こちらでのビザ切り替えが可能となり非常に安心しました。査読を待っている間にも日本行きの安い航空券がどんどんなくなっていくため、もし審査に落ちたらと思うとかなりどきどきしましたが、結果的には英語のみで研究業績などをまとめる良い機会が得られたと思っています。

 次に英語に関してです。留学前の段階では、Readingに関しては受験勉強や英語論文のおかげである程度の自信はありましたが、ListeningやWriting、ことにSpeakingの能力についてはお世辞にも褒められたものではありませんでした。おそらくこれは多くのあまり英語が得意でない留学希望者が出国前に想像することかとは思いますが、「留学したらきっとすぐに慣れるだろう、一年もしたらペラペラになっているんじゃないかな」と割と楽観的に考えていました。
しかし、留学して2-3か月が経過した時点で物事そう簡単にはいかないことを悟り、1年が経過した現在は想像していたほど喋れるようになっていないことに愕然としている自分がいます。留学当初はCOVIDに関する制限により在宅勤務をしている同僚が多く、会話の機会が少なかったことも影響しているのかもしれませんが、語学の上達とはかくも難しいものかと思い知らされる日々です。そんな私を尻目に現地の小学校に通う我が子たちの英語能力は日に日に伸びており、最近は家の中でも子供同士の会話はほとんど英語になっています。

 とりあえず、今後留学を目指す若者には
・英語は留学前にできるだけ上達しておくに越したことはない
・現地に住めばすぐになんとかなる、という訳ではない(個人の経験です)
とお伝えしたいと思います。

 長くなりましたのでこの辺りで終わりにしたいと思います。一時帰国がなくなり日本でお花見をしたり、和食を食べたりする機会がなくなったことはやや残念ですが、その分春になったら英国内の有名な観光スポットを巡ってみたいなぁと考えています。

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リヴァプールの街並みと息子


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リヴァプールに来た日本人はとりあえず訪れると思われるスポット


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山村先生のマンチェスター大学留学便り  2021.12.10 
 皆さんこんにちは。3か月ぶりに体験記を書かせていただきます。
 12月に入り、神戸も少しずつ寒くなっていることと思いますが、マンチェスターでは11月末に初雪が降り、最近は最高気温が10℃以下の日々が続いています。また、6月の体験記で21時過ぎまで明るい、と書いた反動が訪れており、最近では日の出が8時過ぎ、16時前には日の入りと急激に日が短くなってきました。研究室の大学院生(英国人)も「寒くて暗い冬が来るのが本当に嫌」と嘆いています。

 ここ1、2か月の間に、英国ではいくつかの季節行事がありましたので本日はこれらを紹介したいと思います。
 一つ目は日本でもすっかり一般的になってきたハロウィンです。こちらでは10月に入ったあたりからスーパーなどでジャックオランタン用のカボチャがたくさん売られるようになる他、「pumpkin picking」と呼ばれるいわゆるカボチャ狩りをあちこちの農園で楽しめます。また、ハロウィン当日は自宅の玄関にジャックオランタンを飾っている家庭をこども達が周ってお菓子を回って楽しむ他、大人達も仮装して街中に繰り出していました(このあたりは日本と同じですね)。我が家のこども達もどうしても近所を周りたいとのことで、雨の中何軒かのお宅でお菓子をもらってきました。

 その後、11月の頭には「Bonfire night」と呼ばれるお祭りが全土で行われました。これは、400年ほど前に国王や要人の暗殺未遂事件があり、それを未然に防ぐことができたことに記念するお祭りだそうで、広場で焚き火を炊いたり、花火を打ち上げたりと賑やかでした。

 そして、上記のBonfire nightが終わると街は一気にクリスマスムード一色になります。スーパーに行けばクリスマス用品が所狭しと並んでおり、大きめのお店になるとモミの木(もちろん生木)まで売っているなど見ているだけで楽しくなります。また、11月の半ばからはCity centreのあちこちにクリスマスマーケットがオープンしておりこちらもとても華やかな雰囲気です。クリスマスマーケットに関しては、広場や公園だけでなく、少し広めの道にもぎっしりと屋台が並び、世界各国の料理に加えて、雑貨やおもちゃ・絵画など様々な商品が売られています。とても一時的なものとは思えないような立派なパブまでできており、週末には昼間から大人たちがホットワインやビールを飲みながら盛り上がっています。昨年はコロナウイルスの流行により、クリスマスイベントは一切開催できなかったとあって、マンキュリアン(マンチェスターに住んでいる人たち)は「今年こそは」と意気込んでいるようです。

 クリスマスの勢いは職場まで及んでおり、私の所属する研究室の入っている建物を含め、最近立ち入った建物は全てレセプションの横にクリスマスツリーが飾られています。また、研究室のデスク周辺もいつの間にかデコレーションが施されており賑やかです。所属する研究室でも来週にはクリスマスパーティをすることになっており、文化の違いをしっかりと感じることができています。  我が家でもこの雰囲気に乗っかるべく、クリスマスツリーを購入し家族みんなで飾り付けをし、クリスマスリースを作るなどしっかりと準備を進めているところです。また、12月に入って以降、子供たちは毎日アドベントカレンダーをめくってお菓子を食べることを楽しみにしています。小学校でもこの時期は音楽の時間にクリスマスソングを演奏しているそうで、「赤鼻のトナカイ」や「ラストクリスマス」をあっという間に英語で覚えた我が子に驚愕する日々です。

 このような楽しいイベントの裏では、中古で購入した車のバッテリーが上がったり、突然パンクしたりと小さなトラブルも絶えませんが、非常に楽しく、また元気に家族と過ごせる日々に感謝しています。皆様もお身体に気をつけて年末をお過ごしください。

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マンチェスター中心部のクリスマスマーケットの様子。
すごい賑わいで見ているだけで楽しくなります。


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山村先生のマンチェスター大学留学便り  2021.09.06 
 皆さんこんにちは。今日はこちらの研究室の様子についてご紹介したいと思います。
 イギリス(イングランド地域)では7月中旬以降、COVID-19に関する規制がかなり緩和されたため、私の所属する研究室、ひいては建物自体にも活気が戻ってきています。私は大体毎日8時10分頃に出勤し17時半頃に退勤(早い!!)する、というサイクルで生活していますが、これは研究室の入っている建物が8時から18時の間だけ開錠されているためです。最初は建物の使用可能時間が短いことに戸惑いましたが、実際に同僚や周囲の研究室で働く研究員の様子を見てみると、9時過ぎに出勤して、16時過ぎには帰っていく人が大半であり不便を感じている人はあまりいないようです。逆に、18時以降や土日に建物に入る許可を得ようとすると、その時間に研究を行う必要性を説明する書類が必要(所属長のサイン入り)になるなど大げさですので、周囲の同僚でもこの許可をもらっている人はほとんどいません。

 研究室の入るMichel Smith Buildingは中庭を囲む「ロの字型」の建物で、デスクワーク用のスペースが内側、実験用の施設が外側に位置している、という構造になっています。私は中庭に面した明るい席を選びましたが、夏の間は照りつける日差しで非常に暑く大変でした。また、実験室では各々に十分なスペースが割り当てられていますが、神戸大学小児科の研究室とは異なり、基本的には立って作業ができるようにベンチが高く作られているので実験開始当初は落ち着かなかったです。現在はモデルマウスの腎臓を取り出して免疫染色を行ったり、プラスミドを用いた実験などに主に取り組んでいますが、実験道具や抗体、試薬などがこれまで日本で使用していたものと違うために未だに戸惑うことも多いのが実際です。ですが、これまで盲目的に使用していた試薬や実験手技について改めて勉強するとても良い機会になっています。

 昼食事情についても触れたいと思います。私の周囲の人々は昼食を家から持参している人が圧倒的に多く、カフェや売店などで購入している人はあまり見かけません。同僚にこれについて聞いてみると、やはり経済的な理由から持参する人が多いとのことでした。売店でサンドイッチやホットサンドを購入するとそれだけで300-400円はする上、飲み物まで購入しようものなら600円以上はかかってしまいます(味も…です)。少し歩いてスーパーまで行けば「サンドイッチ+飲み物+ポテトチップスなどのお菓子」のセットを500円程度で買うこともできますが、やはり毎日のことなので節約しようとする人が多い様子です。そんな同僚たちに影響され、私も8月以降は毎朝自分でお弁当を用意して持参するようにしています。こんなに定期的に料理をするのは大学生の一人暮らし時代以来ですが、これがなかなか楽しく、今後も継続していければと思っています。

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私の事務スペース(奥)、大学支給のパソコンがUKキーボードのWindowsで
使い慣れないため自分のPCを持参して仕事をしています。


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実験室の私のスペース(写真左半分)、窓からは美しいカトリックの教会が見えています。


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先日でかけたRyme parkという公園の写真。車に乗って30分ほどで行ける
広大な公園でピクニックに最適です。歴史的な建造物もあり、大人も子供も大満足できます。


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山村先生のマンチェスター大学留学便り  2021.06.22 
 皆さんこんにちは。日本は梅雨の真っ只中でしょうか。こちらは毎年5月末にある一週間の休校期間(half termと呼ばれています)を過ぎ、すっかり夏らしくなってきました。夏とは言っても最高気温は24-5℃ぐらいですので、暑過ぎるということもなく、非常に過ごしやすい日々が続いています。また、貝藤先生や忍頂寺先生が留学されていたスウェーデンほどではありませんが、イギリスも冬の日照時間が短い分、夏は遅くまで太陽が沈まず、最近の日の入り時間は21時を軽く過ぎているため、ついつい夜更かしをしてしまいます。

 さて、今日はこちらのビザ事情について少し詳しく書きたいと思います。イギリスにも諸外国と同様に色々な種類のビザが存在しますが、私を含め研究留学で渡英する人は大抵Tier 5(temporary worker visa)を取得しているかと思います。Tier 5ビザはその名の通りイギリス国内で短期間働く外国人向けに作られたビザであり、いわゆるワーキングホリデーなどで英国滞在をする人が取得するビザも大区分は同じTier 5になります。ただ、その中で更にいくつかの小区分に分かれており、大学や公的な研究機関などで働く場合にはTier 5 Government Authorized Exchangeの取得を目指すことになります。このビザはその名の通り、政府が認めた施設で働く者にしか発行されないビザであり、申請のためには各施設からCertification of Sponsorship (通称CoS)という書類を発行してもらう必要があります。このCoSに加えて、一定以上の預金残高があることを証明するための預金通帳のコピー(翻訳したもの)などを添えて、日本のビザ申請センター(東京と大阪のみ)で申請することになります。ワーキングホリデーでのビザ申請などは倍率が厳しく、書類の準備にもかなり気を遣う、というような情報がありましたが、Government Authorized Exchangeの場合にはCoSさえ発行してもらえばまず間違いなくビザは発行されるようで申請の手続きもあっさり済みました。また、語学能力に関しても特に基準が設けられているわけではなく、ビザ申請にあたっても特に面接などはありませんでした。

 また、英国へ長期間滞在する場合にはNational Health Service (NHS) への加入も義務となっているため、2年間分の保険料も予め払わなければなりません。ちなみに、この保険料は年々高騰しているようで私も家族全員分の保険料で軽く数十万円が飛んで行きました。その代わり、滞在中の子供の予防接種などはもちろん無料受けられますし、今回のコロナウイルスのワクチンについても夫婦共に5月中には1回目の接種の順番が回ってきました。

 最後に、前回の体験記では一旦落ち着いてきたとお伝えしたCOVID-19の患者数ですが、制限の段階的な解除に伴い(やはり)再び増加傾向となっています。マンチェスターの人たちはそんなことは全く気にしていない、とばかりに買い物や外食を楽しんでいるようですので、今後の経過が少し心配な今日この頃です。私は引き続き公共交通機関や混雑する商業施設の利用は控えつつ、できるだけイギリスの夏を楽しめればと思っています。

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車で20分ほどのところにあるSale Water Parkという公園の様子。
大きな池にはたくさんの白鳥がいて子供たちが大興奮でした。


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山村先生のマンチェスター大学留学便り  2021.05.16 
 日本はだいぶ暖かくなってきたころでしょうか。前回の体験記から4か月近くが経過してしまいましたが、最近の状況についてご報告させていただきます。

 みなさんも報道などでご存知かとは思いますが、英国は昨年末からの厳しいロックダウンと積極的なワクチン接種により、COVID-19の流行状況にかなりの改善が見られるようになりました。3月の上旬からは学校が再開し、4月の半ばからは飲食店が屋外席のみではあるものの飲食の提供を再開し、non-essentialなお店(洋服・家電等)についても店舗の営業が認められるようになり街にも活気が戻ってきています。英国というとパブが有名ですが、今回のロックダウンの緩和によりパブも他の飲食店と同様に屋外席であればビールの提供ができるようになったため、日中から気持ちよさそうにビールを飲んでいる人たちをたくさん見かけるようになりました。ただ、この時期のマンチェスターはまだまだ涼しく、日中の最高気温も14-5℃といった日が多いので、私自身はとても屋外でビールを飲む気にはなれず、さすが英国市民だなぁと感心する今日この頃です。

 私はというと、ここ1か月ほどは4月に日本から合流した家族、特に子供たちの学校の準備などに勤しんでいました。英国では義務教育が4歳から(!)始まるため、日本では4月からそれぞれ小学校1年生、年中さん、だった子供達はどちらもPrimary schoolに転入することになりました。家から近い順に希望を出したものの定員に達している学校が多く、徒歩で20分ほどかかるPrimary schoolへ通うこととなりました。こちらでは低学年の子供は必ず登下校ともに親の付き添いが必須なので、現在は車で送迎をしています。登校初日は「英語がわからないから行きたくない!」と言っていたわが子ですが、迎えに行った時の第一声は「楽しかった!」でしたので、その適応能力の高さに驚かされました。もう少し子供たちが学校に慣れてきたらこちらの学校生活の詳細を聞き出してこちらで紹介させてもらえればと思います。

 話は変わりますが、英国人はとても週末を大切にします。平日は一生懸命働き、週末はしっかり遊ぶ、という人たちが多いようで、「今週末なにするの?どこいくの?」という話題は天気の話題と同じくらい会話によく登場します。そういう雰囲気の中にいると自然と私も週末はどこか出かけなければと思うようになり、最近は暇さえあれば近場の公園や観光地を検索しています。日帰りで行ける範囲内にもたくさんの自然豊かな公園があるため、週末は天気さえ良ければ(あまり良くないのですが、、、)ピクニックを楽しんでいます。また、車で1時間足らずで行けるリバプールの街をお勧めする同僚が多いので、もう少し暖かくなったら出かけてみようかと画策しています。

 最後に、研究に関してですが、大学施設の利用制限は相変わらず続いているため何をするにも時間がかかって大変、というのが現状です。こちらでは上司の勧めもありアルポート症候群のモデルマウスを使用した実験を行うことになりましたが、夏ぐらいまでに自分のペースで研究が進められるようになればと思っています。また、もう少し余裕ができたら自分で考えた実験課題を行いたいとも考える日々です。

 次回はイギリスで研究留学を行う際のビザの手続きや社会制度についてご紹介ができればと思います。では、みなさんくれぐれもお身体に気をつけてお過ごしください。

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車で20分ほどの距離にあるDunham Massey Parkという有料の公園。
広大な敷地の中にはDeer park(鹿公園)やカフェなどがあり
休日は多くの現地人が散歩やピクニックを楽しんでいます。


 

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自宅から徒歩5分ほどの距離にあるHulme Park。
Manchesterの中心街に近く高層ビルがたくさん見えますが、
公園の敷地は広く子供達を思い切り遊ばせるのに最適です。



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山村先生のマンチェスター大学留学便り  2021.01.31 
 12月29日に渡英してから1か月が経過しました。まだ研究については何も報告できることのない状況ですが、現在に至るまでの経過をかいつまんでご報告いたします。
 ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、私は元々2020年4月に渡英する計画を立てて準備を進めて参りました。しかし英国におけるCOVID-19感染拡大の影響により、出国予定日の5日前の段階でマンチェスター大学より留学受け入れ延期の連絡があったため、急遽渡航を中止せざるを得ませんでした。その後、改めて渡航の時期を検討し、今回ようやく渡英するに至りました。しかし、今回も出発直前になり英国で流行の第三波が始まった上、新たな変異種が出現したこともあり、ぎりぎりまで安心はできない状況でした。実際に、搭乗を予定していた日本から英国への直行便は乗客不足により2回もキャンセルされ、最終的には30時間以上かけて中東経由でマンチェスターに来ることになりました。

 英国では一般的に国外からの賃貸契約ができないため、到着後はいわゆる民泊を利用して1か月間アパートを借り、そこを拠点として家探しを行いました。実は到着の2日後からマンチェスターにおける制限レベルが最大まで上がり、食料品店など生活必需品を売る商店以外は全て閉まってしまったのですが、幸い不動産屋はessential workerということで営業が可能であったため、家の内覧や契約はなんとかなりました。こちらの感染状況が日本より遥かに悪いこともあり、公共交通機関の利用を避けた方が安全と判断し、大学から徒歩圏内に家を借り、無事に先週入居することができました。マンチェスターでは日本で多いマンション(こちらではフラットといいます)は都心部以外には少なく、2-3階建の家が横に数件以上連なった形のタウンハウスや、一つの大きな家を半分に割ったセミデタッチドハウスが一般的なようで、私も今回はこのセミデタッチドタイプの家を借りることにしました。

 入居後、セントラルヒーター(ボイラーで沸かしたお湯を家のあちこちに循環させて部屋を温める英国で多く見られる暖房)の使い方がわからず凍えましたが(最高気温2-3度の日が続いております)、苦戦しつつも大家さんに電話で使い方を教えてもらいなんとか暖をとることができました。また、住所が決まったことで銀行口座も開設でき、公共料金や税金等の口座引き落とし手続きなども済ませることができました。もともと英国は国外からの移住者が銀行口座を開設するハードルが高い国のようでしたが、最近は若者向けのネット銀行がいくつか台頭してきており、私もネット銀行を利用して円滑に口座の開設をすることが可能でした。

 冒頭にも述べた通り、研究に関しては今回ほとんど報告することがないのですが、ひとまず大学には毎日顔を出し、ミーティング(全てオンライン)には参加するようにしています。研究室の入っている建物自体も感染制御のため、通常の50%の人員しか出勤しないシステムが導入されていますが、私はこちらのボスの配慮で慣れるまでは毎日出勤しても良い、ということになっています。まずは現在自分の研究室で行われている実験の内容を把握し、そこにどのように参加していけるかを見極めていきたいと思っております。

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マンチェスター大学の建物。とにかく敷地が広く、建物も近代的な物から
写真のような時代を感じさせるものまで様々です。


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こちらが私の所属する研究室が入っているMichael Smith Buildingです。
建物は大体全て人の名前が付いているようですが、Smithさんが何者なのか不明です。


 

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こちらは今回借りた家です。この角度からは一軒家にも見えますが、
向こう側にくの字になったもう一軒がくっついています。こぢんまりとしていて落ち着きます。



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