医局だより

よくある質問

Q. 口腔癌に対して、免疫療法は効果がありますか?



  • A. 口腔癌は、宿主の免疫から逃れる性質があるとされています。この宿主の免疫から逃れる機構を遮断し、人が本来持つ免疫力を利用してがんを攻撃し退治する治療が免疫療法です。以前は、エビデンス(医学的証拠)が全くない免疫療法が横行しておりましたが、近年、抗PD-L1抗体など免疫チェックポイント阻害剤というものが話題になっています。

    しかし、現在の口腔癌治療においては、手術が可能な方は、手術を最初に行い、必要に応じて放射線治療や化学療法(抗がん剤)を追加していくことが標準的な治療となっているので、最初から免疫療法が選択されることはありません。また再発や転移が生じた方でも、一般的なシスプラチンという抗がん剤が効かない方に対して、免疫療法が選択されます。当院において、免疫療法を行う場合は、腫瘍血液内科と連携して治療を行っていきます。