山中伸弥教授(京都大学iPS細胞研究所所長・本学部卒業生)を招いた講演会を開催しました。

2021年11月26日、医学部会館シスメックスホールにて、本学部卒業生でノーベル賞を受賞された京都大学iPS細胞研究所所長・山中伸弥教授による講演会を開催しました。医学科1年次生は会場で、3年次生はオンラインでそれぞれ合わせて約230名が聴講しました。

講演のテーマは、「iPS細胞研究の現状と医療応用に向けた取り組み」。山中教授は、自身の学生時代の経験や、自らが医学の道に進んだ経緯など、ときにユーモアを交えながら話し、会場を和ませました。山中教授は、神戸大学医学部卒業後にiPS細胞を発見されたことを含めた現在までの経験談や研究成果などを交え、ご自身の経験から「若い間に英語を勉強し、世界に目を向けて自らチャンスを作って、海外に行って異分野の人と交流するなど、充実した大学生活を送ってほしい。」と、学生に激励の言葉を送りました。

また、フォルクスワーゲン (VW)車の隣にいる恩師の写真(下図参照)を提示されて、恩師からの教訓として、研究においては、VWのV “Vision”とW “Work hard”が成功の秘訣である、という貴重なメッセージをいただきました。

最後に、南康博医学部長から、講演を聴講した学生に対して「山中先生のお話をしっかり胸に刻み、世界に目を向け、新たな研究に挑戦してほしい。」と、大きな期待をもった言葉がありました。

写真提供:京都大学iPS細胞研究所

 
 

この講演会は昨年度から引き続き行われている、医学に対する意欲や神戸大学に入学したことへの喜びと誇りをさらに大きく喚起することを目的に1年次の学生に行われている『iPS教育研究プロジェクト』の1つです。

昭和24年度(1949年度)ご卒業の坂上 明 先生から、母校から第二、第三の山中教授のような世界的に活躍する研究者を輩出してほしいとの願いから、多額の寄付をいただいており、今回の予習のために「山中iPS細胞・ノーベル賞受賞論文を読もう」(一灯社)を1年次生全員に配付しました。

また、山中教授のもとでiPS細胞の研究を行っていたiPS細胞応用医学分野、科学技術イノベーション研究科の青井貴之教授の協力により、9月27日〜28日の2日間にわたって、事前の講義が行われ、予備知識をもって、特別講義に臨めるようにしました。

坂上明先生から寄贈いただいた「山中iPS細胞・ノーベル賞受賞論文を読もう」(一灯社)は、附属図書館医学分館で保管され、翌年度以降の新入生の教育に利用される予定です。

医学部医学科では、このようなプロジェクトを継続して、運営できるように努めてまいります。

「山中iPS細胞・ノーベル賞受賞論文を読もう」(一灯社)
科学技術イノベーション研究科 青井貴之教授