がんは、我が国の死因第一位の疾患であり、生涯のうちに約2人に1人が、がんにかかると推計されているなど、国民の生命及び健康にとって重大な問題となっており、新たながん対策が求められています。

「今後のがん対策の方向性について」や、「がん対策加速化プラン」などにおいては、ゲノム医療の実用化に向けた取組の加速化、小児がん及び希少がん対策、AYA(Adolescent and Young Adult)世代や高齢者等のライフステージに応じたがん対策のほか、緩和ケアに関する教育の推進等が、新たなニーズとして求められています。

そしてこのたび、令和5年度より文部科学省研究拠点形成費等補助金 がんプロフェッショナル育成第4期「阪神5大学サステナブルがん人材養成プラン」が採択されました。

本学では、腫瘍・血液内科学、放射線腫瘍学、先端緩和医療学、小児科学、病理学に博士課程の教育プログラムを設け、放射線腫瘍学、リハビリテーション科に修士課程に設けています。また、腫瘍循環器人材育成、がんオンデマンドセミナーを活用した個別化腫瘍・血液治療、がんゲノム医療、がん放射線療法、地域を志向する緩和ケア人材育成、がんリハビリテーション、がん薬物療法の臨床研究・開発を支援する人材育成、といった7つのインテンシブコースを設け、地域の医療従事者を対象とした集中的に知識や技能を身に付けていただきます。

以上のように、神戸大学大学院医学研究科・医学部は,近畿圏の国公私立大学の医学、理工学、情報学、看護学、薬学、今回新しく保健学系の大学院研究科を加えた5大学9学部と相互連携し、患者中心の個別化医療を実践できるがん専門医療人を養成し、輩出して参ります。

神戸大学大学院医学研究科長・医学部長
村上 卓道