神戸大学医学部附属病院
救急科専門研修プログラム
専攻医のみなさんは本研修プログラムによる専門研修により、以下の能力を備えることができます。
- 様々な傷病、緊急度の救急患者に、適切な初期診療を行える。
- 複数患者の初期診療に同時に対応でき、優先度を判断できる。
- 重症患者への集中治療が行える。
- Acute Care Surgeon(体幹、四肢、骨盤など)を目指す専攻医は外科研修を行える。
- 他の診療科や医療職種と連携・協力し良好なコミュニケーションのもとで診療を進めることができる。
- 必要に応じて病院前診療を行える。
- 病院前救護のメディカルコントロールが行える。
- 災害医療において指導的立場を発揮できる。
- 救急診療に関する教育指導が行える。
- 救急診療の科学的評価や検証が行える。
- プロフェッショナリズムに基づき最新の標準的知識や技能を継続して修得し能力を維持できる。
- 救急患者の受け入れや診療に際して倫理的配慮を行える。
- 救急患者や救急診療に従事する医療者の安全を確保できる。
> 神戸大学救急科専門研修プログラム
神戸大学救急科
プログラムの基本方針
【取得可能なサブスペシャルティ】
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- ◆基本診療科のプログラムに入る場合
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外科、内科、総合診療科、整形外科、形成外科、麻酔科、放射 線科、小児科、精神科、産婦人科など
(希望に合わせてプログラムを組みます。)
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- ◆その他の診療科
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集中治療、熱傷、熱傷、中毒など
【神大救急 救急医育成プログラム】
【コース紹介】
本専門研修プログラムは、各専攻医のみなさんの希望を考慮し、個々の基本モジュールの内容を吟味した上で、基幹施設を中心にいくつかの連携施設での研修を組み合わせて個々の要望に対応できるような研修コースです。
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- (1)
外科系救急医育成コース
- acute care surgeon、熱傷専門医、形成外科専門医など外科系subspecialty取得を目指す。
- (2)
集中治療・麻酔科系救急医育成コース
- 集中治療専門医、麻酔科専門医職得を目指す。
- (3)
総合診療医育成コース
- 総合診療ができる専門医を目指す。なお、総合診療科専門医取得は必須ではない。
- (4)
内科系救急医育成コース
- 消化器、循環器など内科系の専門医の取得を目指す。
- (5)
精神科系専門医育成コース
- 精神科救急の専門医を育成する。精神科専門医の取得を目指す。
- (6)
産科系救急医育成コース
- 産婦人科専門医の取得を目指す。
- (7)
小児救急医育成コース
- PICUを含む小児救急疾患の専門医育成を目指す。
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- (8)
兵庫県枠育成医師のためのコース
- 兵庫県枠医師育成プログラム(9年)と整合性を取ったプログラムを作成し、希望のsubspecialty取得が可能とする。すでに兵庫県とは調整をしている。
- (9)
研究医育成コース
- 神戸大学では基礎研究を重視している。救急医育成プログラムの中で、研究機関を設け、大学院修了と学位取得を目指し、国際的に活躍できる急性期医療専門の研究者を育成する。
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海外で活躍する救急医育成コース
- アメリカ、オーストラリア、東南アジアなどにおける救急医療の経験をしつつ国際的に活躍できる救急医育成を目指さす。
- (11)その他
- 希望に合わせてプログラムを組むので、希望を言っていただきたい。
【ローテートモデル】
少なくとも基幹病院の神戸大学医学部附属病院救急部(2年以内に高度救命救急センターに昇格の予定)での救急研修を少なくとも半年以上行い、残る期間を専門研修連携施設や海外連携施設で研修します。希望する将来像に合わせて、専門研修連携施設や海外連携施設での研修コースをフレキシブルに組みます。
【専門研修連携施設】
他に、アメリカ、オーストラリア、カンボジア、タイなどに連携病院があります。

神戸大学救急部は2018年4月から救急医に加えて、外科系各診療科から医師が出向し、同時に、総合内科にも内科各科から出向医師を増やし、合同当直体制を敷き、合同カンファレンスを行い、病棟も一部同じ階にして、積極的に内因性及び外因性疾患と外傷症例を受け入れています。まさに変革の時代を迎えています。また、元来、各診療科は救急疾患の受け入れ体制を確立しているので、あらゆる特殊疾患患者を受け入れられる体制になりました。カンファレンスや臨床現場では、救急専門医と様々な専門性を持つ外科系医師と内科専門医がひとりひとりの患者さんの治療方針について熱い議論を交わしており、また臨床現場ではあらゆる診断機器や治療技術の指導をしていただき、毎日自分の知識と技量が洗練されていっている実感があります。
◆徹底的なon the job: 神戸大学医学部附属病院が存在する神戸市は、兵庫県内随一の都市であり、IVR、内視鏡的処置などのインターベンションが必要な心血管疾患、脳血管疾患に加え、交通外傷・工業事故・他傷などによる重度外傷手術などが豊富です。また、救急部の体制を2018年4月から大きく変え、学内の外科系診療科の医師が救急部へ出向し、常勤スタッフとして救急専門医とチームを組み、外科系疾患に対応しています。また、総合内科へ11内科から更に多くのスタッフが出向し、ER部門は救急部と総合内科が協力して対応し、頻繁に合同カンファレンスを行い、入院病棟も落ち部同じ階にしました。
◆Off the job: 基礎知識・技術習得のためには、実際の臨床現場における経験と修練のみならず実際の臨床現場における経験と修練のみならず、 Off-the-job training や各種講習会などのシミュレーションを用いた修練が非常に有効です。本プログラムでは 様々なOff-the-job training ができます。
救急科専門研修の実際
専攻医のみなさんには、以下の3つの学習方法で専門研修を行っていただきます。
【1.臨床現場での学習】
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経験豊富な指導医が中心となり救急科専門医や他領域の専門医とも協働して、専攻医のみなさんに広く臨床現場での学習を提供します。
- 救急診療や手術での実地修練(on-the-job training)
- 診療科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カンファレンス
- 抄読会・勉強会への参加
- 臨床現場でのシミュレーションシステムを利用した、知識・技能の習得
【2. 臨床現場を離れた学習】
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国内外の標準的治療および先進的・研究的治療を学習するために、救急医学に関連する学術集会、セミナー、講演会およびJATEC、JPTEC、ICLS(AHA/ACLS を含む)コースなどのoff-the-job training courseに積極的に参加していただきます(参加費用の一部は研修プログラムで負担いたします)。また、救急科領域で必須となっているICLS(AHA/ACLS を含む)コースが優先的に履修できるようにします。救命処置法の習得のみならず、優先的にインストラクターコースへ参加できるように配慮し、その指導法を学んでいただきます。また、研修施設もしくは日本救急医学会やその関連学会が開催する認定された法制・倫理・安全に関する講習にそれぞれ少なくとも1回は参加していただく機会を用意いたします。
【3. 自己学習】
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専門研修期間中の疾患や病態の経験値の不足を補うために、日本救急医学会やその関連学会が準備する「救急診療指針」、e-Learningなどを活用した学習を病院内や自宅で利用できる機会を提供します。
研修プログラムの実際
本専門研修プログラムは、各専攻医のみなさんの希望を考慮し、個々の基本モジュールの内容を吟味した上で、基幹施設を中心にいくつかの連携施設での研修を組み合わせて個々の要望に対応できるような研修コースです。
本専門研修プログラムによる救急科専門医取得後には、サブスペシャルティ領域である「集中治療医学領域専門研修プログラム」に進んだり、救急科関連領域の医療技術向上および専門医取得を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す研究活動を選択したりすることが可能です。また本専門研修プログラム管理委員会は、基幹研修施設である神戸大学医学部附属病院の初期臨床研修管理センターと協力し、大学卒業後2年以内の初期研修医の希望に応じて、将来、救急科を目指すための救急医療に重点を置いた初期研修プログラム作成にもかかわっています。
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研修期間:研修期間は3年間です。
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研修施設群:本プログラムは、神戸大学医学部附属病院救命救急科を専門研修基幹施設とし、研修施設要件を満たした下記の10施設によって行います。
兵庫県立加古川医療センター、神戸市立医療センター中央市民病院、兵庫県災害医療センター、製鉄記念広畑病院、兵庫医科大学病院、西神戸医療センター、神戸市立医療センター西市民病院、北播磨総合医療センター、兵庫県立淡路医療センター、医療法人社団順心会 順心病院
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救急科領域の病院機能:三次救急医療施設、災害拠点病院、地域メディカルコントロール(MC)協議会中核施設
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指導者:救急科指導医2名、救急科専門医2名,他(内科専門医・指導医1名)
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救急車搬送件数:約2400/年
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研修部門:救急部・救命救急科
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研修領域
- クリティカルケア・重症患者に対する診療
- 重度外傷(体幹・四肢・骨盤)の手術
- 病院前救急医療(MC・ドクターカー)
- 心肺蘇生法・救急心血管治療
- ショック
- 重症患者に対する救急手技・処置
- 救急医療の質の評価 ・安全管理
- 災害医療
- 救急医療と医事法制
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研修内容
- 外来症例の初療
- 入院症例の管理
- 病院前診療
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研修の管理体制:救急科領域専門研修管理委員会による
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週間スケジュールを上記(神戸大学救急科プログラムの基本方針)に示します。