隆鼻術
隆鼻術について
「鼻を高くしたい」という方に向いている手術です。
鼻の穴の中を切って、多くの場合はシリコンでできたプロテーゼを挿入します。どうしても人工物に抵抗があるという方には、ご自身の身体の組織を使って手術を行うことも可能です。
麻酔は局所麻酔で十分なことが多いのですが、眠っている間に手術を終えて欲しいという方は、全身麻酔も選択していただけます。
隆鼻術の問題点・リスク
プロテーゼにはL型とI型の2種類があります。当院ではI型をお勧めしています。
かつてはL型プロテーゼが盛んに用いられた時期がありました。L型プロテーゼは鼻背部だけではなく、鼻尖部の高さも増やすことができる点で優れているからです。
しかし何年かすると、プロテーゼが鼻尖部の皮膚に当たって皮膚が薄くなり、プロテーゼのシルエットが浮き出てきたり、最終的には皮膚を突き破ってプロテーゼが露出してくる危険性があることが分かってきました。そのため当院ではL型プロテーゼは使用していません。
ではI型のプロテーゼは問題ないのでしょうか?
シリコンは人体に親和性が高い(馴染みやすい)性質があるので、I型プロテーゼをきちんと形を整えて、正しい位置に挿入すると、多くの場合は長期にわたって問題なく使用できる安全なものです。ただし大きすぎるプロテーゼは、額と鼻が直線的になって境界が分からない、“アバター顔”になってしまうので、注意が必要です。
手術自体に抵抗があるという方には、注入剤を注射する方法もあります。(注入剤には色々な種類がありますが、当院ではヒアルロン酸以外の注入剤は取り扱っていません。)
隆鼻術の注意点
隆鼻術では術後約2〜3日後(個人差あり)に腫れがピークを迎え、その後徐々に引いていき、およそ7~10日後には大きな腫れは治まってきます。1ヶ月後にはお化粧なしでも外出できる程度まで回復してきます。4~6ヶ月後には傷跡もほとんど目立たなくなります。
1週間程ギプスを装着していただきます。クローズ法で施術を行った場合は2週間後、オープン法の場合は約1週間後に鼻の表面、約2週間後に鼻の中の抜糸を行います。
翌日から洗顔・メイクは可能ですが、治療箇所のメイクは抜糸後まで控えてください。無理はせず腫れが引くまでよく冷やして安静にしている方がダウンタイムを短くすることができます。
シャワーは当日から可能ですが、浴槽にゆっくりと浸かって温まるのは、1週間は避けていただいています。学校や会社へは翌日から行くことは出来ますが、大きな腫れがみられるので、2〜3日はお休みいただくことをおすすめします。運動は術後1週間程控えていただいています。
鼻の組織の安定には3〜4週間程度かかるため、1ヵ月は顔のマッサージ、眼鏡・サングラスの長時間使用、うつぶせ寝は控えてください。
術後は稀に、以下のような症状がみられる場合があります。
- 合併症・副作用
- 感染/血腫/内出血/腫れ/傷跡/鼻孔のひきつれ・左右差/糸の露出/鼻筋の曲がり/鼻筋の違和感/プロテーゼの飛び出し/プロテーゼが浮き出る
気になる症状が現れた場合には、速やかにご連絡ください。