​炭酸ガス経皮吸収療法

炭酸ガスを皮膚から吸収させると、血行が促進されたりすることで、様々な疾患に応用できる可能性がある治療法です。
神戸大学で10年前から研究を重ねてきて、臨床応用を目指している治療法です。

症例の紹介 50代 女性

 
受傷日 歩行中に重量物が倒れてきて、右下肢がその下敷きになって受傷。救急車で当院に搬送された。足首の近くで全周性に皮膚は剥奪されて、筋肉の損傷もあった。幸い主要血管の損傷はなく、趾尖部の血流は保たれており、神経の損傷もなかった。
 
受傷日 同日、洗浄の後、創外固定を設置。剥奪した皮膚は掻爬せずに一旦戻して、創部全体を陰圧閉鎖療法NPWT(negative pressure wound therapy)で管理した。
 
5日目 創の治癒が得られそうと判断して、後外側からMIPO(minimal invasive plate Osteosynthesis)のテクニックを用いて最小限のダメージで創外固定を内固定に変換した。
 
7日目   炭酸ガス経皮吸収療法開始
 
16日目 剥奪した皮膚も部分的に生着しないところはあったが、大部分は生着した。感染兆候もないため、炭酸ガス治療を継続して行くこととした。
 
52日目 最終的に上皮化が得られなかったので分層植皮とした。  
 
64日目 皮膚は問題なく生着した。
​仮骨の形成も見られ始めた。

​最終的に骨癒合が得られて抜釘まで行った

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