研究内容

  1. (I)私共の研究室の目標


 私共は、生命科学の多くの領域で基本となる新たな細胞内あるいは細胞間のシグナル伝達機構を明らかにしていきたいと考えています。そのために、私共独自に、新規のシグナル伝達分子を同定し、これにつき生化学的、分子生物学的、細胞生物学的、細胞工学的な幅広い研究手法を用い多角的にその機能解析を行います。また、既存のシグナル系との関わりを明らかにした統合的な研究を行います。そして、最終的には、がんや神経疾患、代謝・内分泌疾患、動脈硬化、自己免疫病などをはじめとする様々な疾患の診断や治療の上で、私共の研究成果が還元されるような研究を目指していきたいと考えています。

 以下にこれまでの私共の研究成果につき紹介すると共に、今後のプロジェクトや展望について述べたいと思います。


(II) チロシンホスファターゼによる生体機能調節と病態


チロシンリン酸化シグナルにおけるチロシンホスファターゼの重要性

 細胞内のシグナル伝達系には、大きく分けて5つの基本形が知られています(図1)


図1 細胞内シグナル伝達系

 その中で、私共は蛋白質のリン酸化、特にチロシンリン酸化シグナルに注目して研究を進めてきました。チロシンリン酸化のシグナル系は、実に様々な細胞機能に関与しております(図2)


図2 チロシンリン酸化シグナルと細胞機能

たとえば、多くの細胞増殖因子やサイトカインの受容体自身がチロシンキナーゼ(タンパク質のチロシンリン酸化を触媒する酵素)活性をもっており、これが受容体自身や細胞内の標的タンパク質をチロシンリン酸化し、最終的に遺伝子発現を介して細胞の増殖や分化を引き起こします。このシグナル系の異常は、細胞のがん化につながることが知られています。また、血糖の調節に最も重要であるインスリンの受容体はチロシンキナーゼ活性を有しており、標的蛋白質のチロシンリン酸化を介してグルコーストランスポーターを含む小胞を細胞膜へと運び、グルコースを細胞内へと取り込みます。一方、このインスリン受容体のチロシンキナーゼ領域の遺伝的変異は、インスリン抵抗性糖尿病の原因のひとつと考えられています。チロシンリン酸化は免疫細胞機能にも深く関わっており、抗原提示細胞とT細胞の相互作用の際には、T細胞受容体の細胞内部分がチロシンリン化を受け下流にシグナルを伝えます。この経路の異常は自己免疫疾患の病因や感染症に対する脆弱性へつながると考えられます。さらに、神経系では、シナプス伝達の際に後シナプス膜に存在する神経伝達物質受容体のチロシンリン酸化が重要であることが示され、この経路の異常は記憶の障害や気分障害などの病態につながると考えられます。実は、チロシンリン酸化シグナルは、酵母など単細胞生物では使われない、多細胞生物で特異的に発達したシグナル伝達系であり、免疫系や神経系など細胞間のコミュニケーションがとりわけ重要とされる組織においてその機能が重要となります。

 タンパク質のチロシンリン酸化はリン酸化を触媒するチロシンキナーゼと、逆に、これを脱リン酸化するチロシンホスファターゼ(PTP)により調節を受けており、この両者のプラスとマイナスの作用の精密なバランスにより多様な細胞機能が発現されると考えられています(図3)


 図3 蛋白質チロシンリン酸化のバランス制御機構

 また、このバランスの破綻が、がんや糖尿病、免疫異常など様々な疾患の原因となることが示されています。私共は、1990年代の前半に、それまで機能がほとんど明らかでなかったPTPに着目してチロシンリン酸化シグナル系に関する研究を始めました。私共は当時、胃がんの細胞株よりSHP-2という細胞質型のPTPと受容体型のSAP-1と名付けたPTPを新たに見出すことが出来ました(Matozaki et al., J.Biol.Chem., 1994; Matozaki et al., Cancer Sci., 2009)。特に、このSHP-2は、その後の私共の研究の中で非常に重要な展開をもたらした分子でありますので、それについて詳しく紹介します。


SHP-2と病態

 SHP-2は、N末端に2つのSH2ドメインと呼ばれるリン酸化チロシンに特異的に結合する部位があり、このSH2ドメインを介して、インスリンをはじめとする増殖因子のレセプターやリン酸化基質のIRSなどに結合して、膜にリクルートされます(図4)


図4 SHP-2チロシンホスファターゼによるRas活性化

 私共は、SHP-2が、増殖因子による低分子量G蛋白質Rasの活性化に必須の因子であるということを世界にさきがけて発見しました(Noguchi et al., Mol. Cell. Biol., 1994)。Rasは、増殖因子のシグナル系において最も重要なシグナル分子であり、その活性型遺伝子変異が細胞のがん化の原因であることがよく知られております。通常、PTPは細胞増殖の負の制御因子として認識されていたので、この結果は予想外なものでありましたが、この私共の発見が多くの研究者により正しいことが確認されました。 

 その後驚いたことに、Noonan症候群という遺伝性の病気の原因遺伝子がSHP-2であるということが報告されました。Noonan症候群は、心臓の奇形や顔面の異常などの症候をしめす小児科領域の疾患ですが、その患児ではJuvenile myelomonocytic leukemia (JMML)という白血病が合併することが知られていました。ここで特に注目すべきは、Noonan症候群の50%の症例でSHP-2の遺伝子変異が認められ、それらがN末端のSH2ドメインに集中していることでした。さらにその後、Noonan症候群とは無関係なsporadicなJMMLや他の小児leukemiaでもこのSHP-2の変異が見つかったのです。

 すでに、SHP-2がRasの活性化に重要であるということが示されておりましたし、実験的にN末端のSH2ドメインに変異をいれるとSHP-2が活性型になり、細胞の中で増殖因子の作用とは無関係にRasを活性化することもわかっていました(Kodama et al., Genes Cells, 2001)。ここでの驚きは、まさに、それと偶然にも同じ遺伝子異常がヒトで見つかり、それが先天異常や白血病(がん)をおこすproto-oncogeneしてふるまうということでした(図5)。また、これも予想外のことでしたが、Noonan症候群とは、全く別の機序で、ピロリ菌がつくるCag-Aというチロシンリン酸化分子にSHP-2が結合してRasが活性化され、ピロリ菌による胃がんの発生機序にも関与することも報告されました(Hatakeyama M., Nat. Rev. Cancer, 2004(図5)。このように、これらの疾患の病因の理解に、SHP-2のRasの活性化における重要性という私共の初期の発見が、役立ったと考えております。


図5 SHP-2とがん


R3サブタイプ受容体型PTP

 私共は、受容体型PTPであるSAP-1を見出し、その機能と病態への関連につき研究を行うと共に、SAP-1と構造的に類似しているPTPファミリー(R3サブタイブ受容体型PTPファミリー)に関する研究を行っております(Matozaki et al., Cell Signal, 2010)。R3サブタイブPTPファミリーには、SAP-1以外にPTPRO、VE-PTP、DEP-1という受容体型PTPがあり、これらは以下に示す3つの共通性を有します(図6)。


   図6 R3サブタイプ受容体型PTPの類似性

(1)構造的類似性:細胞外領域に複数のファイブロネクチンtype-III様ドメインをもち、細胞内には1つのPTPドメインをもつ。

(2)発現形式:限局した組織、および細胞にのみ発現し、細胞のアピカル面に局在する傾向がある。

(3)C末端のチロシンリン酸化部位:チロシンリン酸化部位には、Srcファミリーチロシンキナーゼ(SFK)あるいはGrb2のSH2ドメインが結合する。SFKのSH2ドメインとR3サブタイブPTPとの結合により、SFKの活性を抑制するとされるSFKのC末端のチロシンリン酸化部位が脱チロシンリン酸化され、SFKの活性化機序に寄与する。

 特に(2)に関して、SAP-1は腸上皮微絨毛に特異的に発現するPTPであること(Sadakata et al., Genes Cells, 2009)、PTPROは成体マウスでは嗅球の顆粒細胞(Kotani et al., J. Comp. Neurol., 2010)や腎糸球体のタコ足細胞(podocyte)に特異的に発現すること、VE-PTPは血管内皮細胞に特異的に発現すること(Mori et al., J. Cell. Physiol., 2010)を明らかにしております。上記の共通性から、R3サブタイブPTPファミリーはその作用機構として、共通の分子機構が存在するのではないかとの想定のもと、さらにこれらPTPファミリーの機能につき検討を行っております。


(III) 新たな細胞間シグナル伝達系CD47-SIRPα系とその機能

 多細胞生物の個体を形成する様々な種類の細胞は、互いにシグナルを受け渡しすることにより協調的に作用しあい、その結果多様な生体機能が発現します。細胞間のシグナル伝達には2つの基本形があり、可溶性リガンドが受容体へ結合してシグナルを伝達する場合と、シグナルを伝える側の細胞上に固定された膜結合型のリガンド分子が、標的細胞上の受容体分子に直接会合することによりシグナルを伝える機構が知られています(図7)


図7 細胞間シグナル伝達の基本型

 私共は、後者の細胞間シグナル伝達システムに相当すると考えられるCD47-SIRPα系を新たに見出し(Motegi et al., EMBO J., 2003)、その生理機能と病態への関与につきこれまで研究を継続しています (Matozaki et al., Trends Cell Biol., 2009)。

 CD47-SIRPα系は、1回膜貫通型のレセプター型分子であるSIRPα(私共が発見当時はSHPS-1と命名)と、その細胞外ドメインの生理的なリガンドである5回膜貫通型分子であるCD47により構成されます(図8)


   図8 細胞間シグナル伝達系CD47-SIRPα系

 SIRPαとCD47は共に、各々の細胞外ドメインが相互作用することにより、双方向性にシグナルを伝えると想定しております。また、SIRPαの機能には、SIRPαの細胞内ドメインのチロシンリン酸化が重要であり、その結果、チロシンホスファターゼであるSHP-2あるいはSHP-1が結合しSIRPαの下流シグナルとして機能すると考えています。実際に、私共はSHP-2あるいはSHP-1がそのSH2ドメインを介して結合するチロシンリン酸化分子として、SIRPα/SHPS-1を発見したという経緯があります(Fujioka et al., Mol.Cell.Biol., 1996)。

 SIRPαは、神経細胞、免疫系では樹状細胞、マクロファージといったミエロイド系細胞、そして、内分泌系では膵臓のβ細胞に強く発現しております(図9)。一方、CD47は比較的ユビキタスな発現形式を示します。私共はこれまでに、CD47-SIRPα系が、これらSIRPαを強く発現する組織や器官において多様な生理機能の制御に重要であることを明らかにしており、以下にその主要な成果につき概説したいと思います。


図9 SIRPαの組織発現と機能


CD47-SIRPα系によるうつ行動の制御

 CD47とSIRPαは共に中枢神経系に高度に発現しますが、私共は最近、SIRPαKOマウスが、うつ行動のモデルである強制水泳テスト(Forced Swim Test, FST)において強いうつ傾向を示すことを見出しています(Ohnishi et al., J. Neurosci., 2010)。さらに、FSストレスにより脳内Srcファミリーキナーゼが活性化され、SIRPαの細胞内ドメインが強くチロシンリン酸化されることを明らかにしました。また、CD47 KOマウスもFSTにおいてうつ傾向を示すことが判明し、さらに、このマウスではFSストレスによるSIRPαのチロシンリン酸化も著しく抑制されていました。従って、CD47-SIRPα系は、脳においてストレスを感知し、うつ状態の制御に関与していることが明らかとなりました(図10)。興味深いことに、CD47との結合に重要なSIRPαの細胞外領域のN末端免疫グロブンリン様ドメインにはアミノ酸置換を伴う遺伝子多型が集中し、これがCD47との結合に多様性を生み出す可能性を見出しつつあります。すなわち、SIRPα遺伝子多型によりCD47-SIRPα系の機能に違いが生まれ、ストレスへの応答性やうつ病など精神疾患発症の素因に影響する可能性が示唆されます(http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/22_letter/data/news_2010_vol3/p-16.pdf)。


図10 CD47-SIRPα系によるうつ様行動制御モデル


CD47-SIRPα系によるマクロファージ機能の制御

 私共は、SIRPα KO、CD47 KOマウスの解析や培養マクロファージ系細胞を用いたin vitroでの検討から、赤血球や血小板上に発現するCD47はマクロファージ上のSIRPαに結合することにより、Fcγ受容体などを介して刺激される血球貪食を抑制することを明らかにしています(図11)Okazawa et al., J. Immunol. 2005; Ishikawa-Sekigami et al., Blood 2006)。この抑制機構には、血球系細胞に強く発現しSIRPαの細胞内領域に結合するSHP-1チロシンホスファターゼが重要であると考えられます。従って、CD47-SIRPα系は健康な血球がマクロファージによる貪食、異化を回避できるシグナル提示(Do not eat me signal)の分子基盤に寄与している可能性が考えられます。


図11 CD47-SIRPα系によるマクロファージ貪食抑制


CD47-SIRPα系による樹状細胞機能制御と自己免疫病

 免疫系において、SIRPαは獲得免疫系の活性化に重要である樹状細胞(DC)に強く発現します。私共は、自己免疫疾患のマウスモデルである実験的脳脊髄炎(多発性硬化症モデル)、コラーゲン誘導性関節炎(関節リウマチモデル)、過敏性皮膚炎の発症が、SIRPαKOマウスとCD47KOマウスで共に著しく抑制され、さらに、DCによるIL-17産生Tヘルパー(Th17)細胞誘導が障害されていることを見出しています(Tomizawa et al., J. Immunol. , 2007など(図12)。従って、DCに発現するSIRPαとCD4+ T細胞に発現するCD47の相互作用が、Th17細胞の誘導と自己免疫病モデルの発症に重要であるとのモデルを提示しています。また最近では、CD47-SIRPα系は2次リンパ組織におけるDCの生存を制御しDCの恒常性維持にも重要であることを明らかにしています(Saito et al., Blood, 2010この場合は、DCに発現するSIRPαとDCの生存維持に重要とされるストロマ細胞上のCD47との相互作用が重要であると想定しています。さらに、私共は、抗SIRPαモノクロナール抗体を用いて実験的脳脊髄炎やコラーゲン誘導性関節炎の発症を抑制できることを見出しており、この抗体を全く新たな作用機序を介したリウマチ疾患の治療に応用するとした特許を取得しています特許証番号3914996号、3936673号)。


図12 CD47-SIRPα系による樹状細胞-T細胞機能の制御


CD47-SIRPα系による膵β細胞機能制御

 インスリンは血糖降下作用を持つ唯一のホルモンであり、血糖調節機構において最も重要な役割を果たします。膵臓ランゲルハンス島(膵ラ氏島)β細胞からのインスリン分泌は、血中グルコースに加えて、自律神経系の神経伝達物質ノルエピネフリンや内分泌系のホルモンであるグルカゴンやソマトスタチンなど、様々な液性因子により制御されることが明らかにされています。一方、膵ラ氏島はβ細胞をはじめとする内分泌細胞が密に集合して構築される構造であり、これら細胞同士の接触によるコミュニケーションがインスリン分泌制御に重要であることが示唆されていますが、その詳細な分子メカニズムは十分明らかでありませんでした。私共は、最近、SIRPαとCD47が膵ラ氏島に特異的に発現し、インスリン分泌を制御することを新たに見出しています(Kobayashi et al., Endocrinology, 2008)。とりわけ、SIRPαはインスリンを分泌するβ細胞に特異的な発現を示し、一方、CD47はβ細胞に強い発現を認めたが、α、δ、PP細胞にも発現が認めらました。さらに、SIRPαKOマウスは、野生型マウスに比べて有意な血中インスリン量の低下が認められ、高脂肪食負荷を与えたSIRPαKOマウスでは、耐糖能の低下と、グルコース刺激で血中に分泌されるインスリン量の低下が認められました。一方でSIRPαKOマウスのインスリン感受性や、膵臓のインスリン含量は正常であったことから、KOマウスでは、膵ラ氏島からのインスリン分泌が低下している可能性が考えられました。従って、CD47-SIRPα系はβ細胞からのインスリン分泌の制御に重要な働きをしている可能性が示唆されました。


(IV) 今後の展望、プロジェクト

 ここ数年間において、私共が見出した細胞間シグナル系であるCD47-SIRPα系がどのような細胞機能制御に関わっているのか、またどのような病態と関わっているのかについて明らかにすることが出来ました。しかし、CD47-SIRPα系の多くの機能に関して詳細な作用機構は不明であり、今後はコンデイショナルなSIRPαKOあるいはCD47 KOマウスを利用した解析により、CD47-SIRPα系に関する知見をさらに深めていきたいと考えております。また、SIRPαの機能に重要な細胞質型のPTPであるShp1、Shp2の機能について、組織特異的なKOマウスなどを用いた解析をすすめ、新たな生理機能を明らかにしていきたいと考えております。さらに、私共が独自に見出しているSAP-1をはじめR3サブタイブPTPファミリーの機能と病態との関わりについても解析を進めていきたいと考えております。

 上記のこれまでの私共の研究に加えて、全く新たに生体や細胞の寿命制御に関わるシグナル系の統合的な理解を目指したプロジェクトについても着手しており、老化やがんの病態との関連を併せて研究していく予定です。


参考文献

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