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先輩からのメッセージ
海外派遣研修プログラム アメリカ
医学科 平成20年度入学 斎藤彩
(派遣期間 H24.4/1〜4/28)
   ハワイ、と聞いてみなさんはどのような光景を思い浮かべるでしょうか。青いビーチ、晴れた空、たくさんの観光客…。私自身、そんな楽しい想像を膨らませながら、せっかく海外実習に行くなら素敵な場所がいい、と今思えば何とも安易な理由でハワイでの実習を選んでしまったのは事実です。そして初めてのハワイに胸を躍らせながら到着したのは観光地からは遠く離れた住宅地にある病院。時差ぼけが治る間もなく翌日朝4時から実習開始。毎日朝4時起床、夜10時就寝という何とも健康的な生活を送り、4週間の滞在期間中に海を見たのは数えるくらい、という当初の想像からはかけ離れたハワイ経験となりました。しかしながら、いわゆる「観光地ハワイ」とは全く違う、地元の人たちの普段の生活の中に根差した病院での医療を朝から晩まで体験することで、これまで知識として学んできたプライマリ・ケアとはいかなるものなのかを実感として得ることができたのではと思います。特に家庭医の先生のもとで過ごす一週間は学ぶことがあまりに多く、まさに何物にも代えがたいという言葉がふさわしい体験となりました。家庭医の第一人者として活躍される先生の膨大な経験と知識は圧巻であり、毎朝コーヒーを片手に先生のお話を聞くことが何よりの楽しみという、忙しいながらも優雅な日々を過ごさせていただきました。最近では日本でもプライマリ・ケアの重要性に対する認識が高まっており、わざわざ海外まで行かなくともプライマリ・ケアの初歩を学ぶ機会は日本でもたくさんあるのかもしれません。しかし、青く晴れ渡った空の広がる暖かい土地に思い切って飛び出してみるのも悪くないですよ。他では決して得られない貴重な経験として学生生活の記憶に刻み込まれること請け合いです。週末にはビーチにも出かけられる、かもしれません。常夏の国での楽しい想像を膨らませつつ、青い空の下で思いっきり勉強するという不思議な体験をぜひ満喫してみてください。
海外派遣研修プログラム アメリカ



医学科 平成18年度入学 藤堂 紘行
(派遣期間 H23,4/4〜4/15)
   「一つのものしか知らないというのは、何も知らないということだ。二つ以上知っているから比較ができて、初めて知っているということになるんだ。」―印象に残っている部活OBの言葉です。
   6年次実習の一環として、University of Pittsburgh Medical Center(UPMC) のFamily Medicine(家庭医療)で2週間の実習をさせていただきました。この科を選択した理由は、本場米国の英語を学びたかったためと、米国の医学教育はgeneral medicine(つまり、特定の疾患群を集中して診るのではなくあらゆる疾患に対応をする)が日本より分厚いという話を聞いたので、家庭医療であればそれが前面に出るのではないかと考えたためです。
   実際に米国の学生は、患者さんの治療方針決定に関わるなど、本物の医師に近い働きをします。さらに日本の初期研修にあたる期間が長く、その分generalな力がつくと感じました。分厚いgeneralに支えられ、専門医は高度医療に専念でき、良い循環があると思いました。
   さらに最大のカルチャーショックは、米国の保険制度でした。僕の言葉では全てを表現できないため、こればかりは是非自身で体感していただければと思います。
   もちろん日本の医学教育・保険制度の方が充実していると思われる点も多々あり、「違い」であるだけで「優劣」ではありません。しかし、二国間の違いを体験することで自身がこの先どのように学んでゆくべきか、どのような診療をしてゆくべきか、大きなヒントをもらったと感じました。自身の医師像は全て固まったわけではありませんが、まずは米国式のgeneralな能力と日本式のspecialな能力を併せ持つ医師になろうと強く感じました。簡単な道ではありませんが、やる気を与えてくれたということで有意義な実習だったと感じています。
   英語についてはESSで6年間修業しましたが、やはり苦労しました。ただ、日本で診療をするかどうかに関わらず絶対に必要な能力であるため、本場の英語に触れられる機会は貴重です。ピッツバーグは治安が良く景色も綺麗で、良い意味でアメリカらしい街だったと思います。いずれにせよ海外派遣実習は自分の視野を大きく広げてくれると思います。是非挑戦していただければと思います。
海外派遣研修プログラム アメリカ



医学科 平成16年度入学 太治智愛
(派遣期間 H21,9/28〜10/9)
    海外派遣プログラムの一環として、平成21年10月4日から12日までの約1週間、アメリカ合衆国のボストンで学ぶ機会をいただきました。
    このプログラムが神戸大学医学部のほかの海外派遣プログラムと大きく異なる点は、臨床実習(病院の中で白衣を着て学生として医療チームに加わる)ではなく、日米の臨床研究を中心として医学・医療を広い視点から考えることができる点です。
    1週間という短い期間ではありますが、タフツ大学医療センター、ブリガム婦人病院、ハーバード公衆衛生大学院、ナーシングホームなど、さまざまな場所を見学するとともに、さまざまなバックグラウンドをもつスタッフや先生と話をしたり、レクチャーを受けたりすることができます。参加者も学生だけではなく、現役の医師、薬剤師、看護師など多彩です。実際に病院や研究施設で働いている方の目から見た、日本の医学・医療や臨床研究について話を聞くことができる点も特徴の一つだと思います。また、基本的にグループ行動なので、英語力にあまり自信がなくてもコミュニケーションに困ることは少なく、ある程度リラックスして過ごすことができます。
    プログラムのメインは、アメリカの「臨床研究」(実際の患者さんを対象に、例えば薬の効果を調べたりする研究。これに対して「基礎研究」は動物実験や試験管を用いた実験を行う研究)について学ぶことです。
    ボストンは「医療のマンハッタン」といわれるように、アメリカ国内でも世界的にも有名な病院やメディカルスクール(日本での医学部)があり、歴史のある美しい街です。そういう点でもよい刺激を受けることができると思います。視野を広げたいという方にはお勧めです。
海外派遣研修プログラム シンガポール



Exchange with students from other country
医学科 平成18年度入学 加耒佐和子
    私は四月にシンガポールのTang Tock Seng HospitalのInfectious Disease、Singapore General HospitalのFamily Medicineでそれぞれ二週間ずつ実習をさせて頂きました。
   感染症では主にHIVの患者さんを診せて頂いたり、抗菌薬外来、トラベルクリニック、ラウンドなどを通して先生方の疾患へのアプローチ方法、治療方針、治療経過の評価を体感しました。各科からのコンサルトが感染症科の大きな柱であり、午後は毎日各病棟を走り回ったのがいい思い出です。
   家庭医療科では、検診、往診、病棟、老人ホーム訪問と実に多彩な経験をさせて頂きました。シンガポールの医療の質は日本と同等に高度なものであり、どちらかというと疫学的相違、社会的相違などを肌で感じた実習でした。
   プライベートでも各国の留学生と知り合うことができ、ディスカッション、会話を通して自分の視野も僅かながら拡がった気がします。
   最後にこのような貴重な経験を与えてくださった皆様に心から感謝申し上げます。
海外派遣研修プログラム マレーシア


学生たちと精神科病棟にて


授業の様子
医学科 平成18年度入学 中村 友紀子
   私は海外派遣実習として、マレーシアInternational Medical University(IMU)精神科での4週間を選択させて頂きました(滞在中マレーシアという国に魅力を感じ始めたため、実際は日程を延長し計6週間を過ごすことになりました)。
   滞在中は病棟実習や、外来陪席、授業への参加、訪問看護への同行など、様々な内容の体験をさせて頂きました。精神科の先生方は非常に熱心にご指導下さり、勉学・英語力向上への意欲を強く刺激されました。また驚くべきは学生の優秀さで、授業は自分たちで準備・発表をするほか、学習内容について積極的に意見交換をするなど、日本では考えられないモチベーションの高さが見られました。しかし同時にとてもフレンドリーで、食事や観光に誘い出してくれ、マレーシアの文化・歴史・宗教について興味深い話を聞かせてくれるなど、文化面でも非常に豊かな経験をさせて頂いたように思います。
   マレーシアという国に関する予備知識も無く、“なんとなく一皮むけてみたい”という漠然とした気持ちで応募した海外実習でしたが、結果的には既成の価値観、人生観を大きく変える経験になりました。不安な気持ちもありましたが、実習開始前には到底予想も出来なかったような素晴らしい出会いや体験が数多くありました。これから実習に臨む学生の皆さんたちにも、是非勇気を出してこの海外派遣実習に応募して頂きたいと思います。実習に際しご支援頂きました神戸大学、IMU双方の関係者の皆様に心より感謝の意を申し上げます。
海外派遣研修プログラム タイ



医学科 平成18年度入学 三由 僚
(派遣期間 H23,4/4〜4/29)
   私は4月4日から4月29日までの4週間、タイのShiriraj HospitalのInfectious Disease, Trauma Surgeryで実習を行いました。
   タイはアジアの中で最もHIV罹患率が高い国であり、感染症内科ではAIDS患者を中心として、診療を行っていました。日本でもHIVが近年増加傾向にあり、社会問題となっていますが、Siriraj Hospitalの感染症内科では、入院患者のほとんどがAIDS関連の患者で占められており、タイにおけるHIVの現状を目の当たりにしました。
   外傷外科では外来診療を中心に、Hand Clinic, Facial Fracture Clinic, Burn Clinicなどで多様な外傷症例を経験することができました。タイでは日本のような公共の救急車が存在せず、ボランティアによって救急車が運用されています。事故が起こると、周りの人が病院まで搬送することも多いようで、日本の救急システムとの違いを感じました。
   日本と異なり、タイでは医学教育は全て英語で行われているようで、ほとんどの先生方や学生が英語を流暢に話しているのには本当に驚かされました。また、タイの皆さんは本当に親切で、分からなければ何度聞いても笑顔で丁寧に答えてくださいます。ですので、私のように英語力にあまり自信はないけれども海外の医療に触れてみたいという方には、タイへの留学は本当にお薦めします。
   タイの学生は皆本当に親切、フレンドリーで、放課後や週末には様々な場所へ、食事や観光・旅行に連れて行ってくれました。Siriraj Hospitalでの実習はタイの学生と交流する機会がとても多く、病院実習だけでなくタイの文化・風習などについて学ぶこともでき、本当に充実した日々を過ごすことができます。本実習を通じて、多くのタイの医学生の友人ができ、彼らと様々な話をすることが出来たことは、私の大学生活において、かけがえのない経験となりました。
   最後になりましたが、このような機会を与えて下さった神戸大学・マヒドン大学の関係者の方々には深く感謝致します。
海外派遣研修プログラム オーストラリア







医学科 平成16年度入学 土井貴仁
(派遣期間 H21,11/10〜12/11)
   「君たちは卒業すると医師免許を得ることができるが、それは他の医学生も同じこと。大切なことはそれ以上にどれだけのことをこの6年間に学びとるかです」
   これは入学式である先生がおっしゃった言葉です。医師となるにあたり、自分がこの先どのような道を歩みたいか、そのために医学部6年間でどのようなことを行ってきたかを考えると海外派遣を目標の一つにおいてよかったと感じます。
   海外派遣を目標としたのは意識の高い諸先輩方がこの海外研修を経験され、卒後様々な分野で活躍されている姿を見たからです。入学時より「世界とつながった仕事をしたい」という漠然とした希望を持っていたので、そのためにまず海外の医療状況を学ぼうと考えました。
   派遣先は豪州に決めていました。これは日本と同じ先進国であること、広大な国土を持ちながら救急医療のシステムがきちんと構築されていること、そしてなによりおおらかなオージーの気質が好きだったからです。6年次の秋にUniversity of Western Australia (UWA)の関連病院であるRoyal Perth Hospitalの循環器内科で西豪州全域をカバーする高度先進医療の状況を学び、Fremantle Hospitalの救急科にてはPerth郊外で地域の拠点病院としての救急医療を学んできました。Royal Perth Hospitalでは心移植の手術が同時期に行われており、患者さんの管理や移植後のケアなどを大変興味深く学ばせていただきました。
   また同時に現地の研修医や医学生のお宅に宿泊させていただいていたことで豪州の医学教育・医療システム、今後の彼らの進路などを聞けたことも副次的な産物でした。彼らの中には途上国での医療活動は先進国である豪州の使命であるとおっしゃる方もおり、それを聞いたときには、確かに当たり前のことではありますが、とても新鮮に聞こえました。
   間違いなく日本の医療は世界的に見ても最高水準であり、それは疑う余地もありません。日本ではない別の国で短期間ではありますが滞在し、医療活動に触れたことで、そのよい面も悪い面も少なからず感じ、両方を比較してみるということを教えてもらいました。外国で研究・開発された技術をすぐに自国の医療に役立て少しでもよい医療を患者さんに提供したいという意識はすばらしくどちらの国でも熱心に行われています。一方で国際協力の意識は少なくとも私の中では遅れていたのかもしれません。医療を通じての国際貢献も重要であることを、この「複眼視」によって考えさせられました。
   冒頭の先生に改めて「君は6年間で何を学んだかね?」と聞かれたら、私は迷わずオーストラリアの経験をあげるでしょう。大学での勉強をある程度終えた6年次の秋にさらにこれから医師・医学研究者として活動する上での大切となるであろう「複眼視」を学び、新たな「課題」を得ることができたのですから。これから入学される方、海外派遣を希望されている方は是非検討されて貴重な経験を積まれて来ることを期待しております。
参加者の声



医学科 平成19年度入学 國谷 有里
   平成23年度8/17から8/24まで、神戸大学・東海大学・東京大学・名古屋大学・滋賀医科大学・高知大学・日本医科大学・東京女子医大から28名の4・5年生が、ハワイ東海インターナショナルカレッジにて開催された語学研修に参加しました。朝8:30から夜9:00まで、医療倫理や医学英語、プレゼンテーションの講義や、ハワイ大学医学部の学生相手に問診をとりケースプレゼンをする練習を行いました。これらはすべて英語で行われ、常に英語に触れられる環境に置かれるため、言いたいことが伝わらないジレンマや互いに意思疎通ができる喜びを感じることができ、更なる語学学習へのモチベーションとなりました。また、ハワイでレジデントやフェローとして働かれている先生方のお話を伺う機会があり、渡米に至るまでの経緯やアメリカで医療を学ぶことのメリット、学生時代にやっておくといいことなどを教えていただけ、臨床留学を考えている人にとっては非常に参考になったと思いますし、考えていなかった人にとっても視野を広げるチャンスになったと思います。こうした学習プログラムだけでなく、ダイヤモンドヘッドや美術館・パールハーバーを訪れハワイの文化に触れたり、カピオラニ病院・St. Luke’s Clinicを訪問し日本とハワイの医療の違いを学ぶことも出来ました。
   7日間と短い間ではありましたが、医療と英語の勉強だけでなく、他大学の学生と意見交換ができたりと、モチベーションを高め、自分の将来のヴィジョンについて再考する良いきっかけになりました。将来臨床留学を希望される方はもちろん、なんとなく海外に興味を持っている、という方も是非参加されることをお勧めいたします。
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チュートリアル
チュートリアル=画期的な勉強法??
医学科 平成20年度入学 小牧 遼平 shima  
  「医学科の勉強って相当大変でしょ?毎日忙しいでしょ?」
よく、言われます。実際、確かにそれなりに大変で忙しいですよ。なめてはいけません。テスト勉強のときには図書館にこもったり。こんな量覚えられないっていう子もいたりいなかったり。でも、なかには楽しい勉強時間もあります。自分一人で勉強するのはしんどいけど、友達と一緒なら嫌な勉強も楽しかったりしませんか?まさに、そんな機会を与えてくれるのがチュートリアルです。患者さんの疾患に対して、5〜6人で診断、検査、治療方針などを考える時間です(細かく言うと若干ちがうけどね)。「この患者さんは風邪かな?それともインフルエンザかな?」「じゃあ、その二つを区別するのにどんな検査をしたらいいかな?」ってな具合にディスカッション。楽しそうでしょ?これを一人で勉強すると全くおもしろくない。風邪とは、上気道感染で、くしゃみや鼻水を主症状とする疾患である。対して、インフルエンザとはせきや発熱に加えて全身症状を呈する疾患である、検査としては…などなどだらだら。こんなことを一人で黙々と覚えなくてはならない。全然おもしろくない。おもしろくないから勉強のモチベーションもあがらない。楽しくない。楽しくないから記憶にも定着しない。あー、いやだいやだもうやめたい。そんな悪循環に陥ってしまいます。しかし、このチュートリアルシステムによって僕たちは負のスパイラルから解放されるのです。
   しかも、チュートリアルではリアルの現場に近い考え方を学ぶことができます(先生談)。高校までの化学や数学や古文とは大違いではないですか(これらも大事なんだけどさ)。医者になったとき本当に必要な能力を学ぶことができます。こんなんやっても意味ないやん、なんて言わせません。そのおかげで僕ら4年生のモチベーションもうなぎのぼり。先生の策略にはまって勉強しちゃいます。でも、だれも文句は言いません。ハッピーハッピーな勉強ですから。ついでにプライベートでもいいことあってハッピーハッピー。
   最後に、風邪とインフルエンザを区別するための検査が気になっちゃった人に一言あります。ぜひ神戸大学医学部医学科で一緒に勉強しましょう。
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解剖実習
解剖学実習を通して学ばせて頂いたもの
 
医学科 平成21年度入学 西久保 雅司

 神戸大学では1回生は一般教養の学習が中心となり、本格的な医学の勉強は2回生から始まります。2回生に無事進級した私たちが、初めて接する医学の授業の中に「解剖学」という文字もありました。「解剖学」は、筋肉、神経、血管、臓器といった人体の構造について学ぶ授業であり、解剖学実習では、篤志家の方々のご遺体を、学生自身がメスとピンセットで以って解剖させていただきます。ここで「篤志家」とは、死後、医学教育のために自らの遺体を大学医学部に捧げる意思をもつボランティアのことを意味します。そして篤志家によるこのような尊い行為のことを「献体」といいます。
 解剖学実習は人体を実際に解剖させていただくという内容故に、心ない噂も一部流布されていると聞きます。例えば「遺体はホルマリンのプールで保管されている」等々です。とんでもない話で、医学教育のために提供してくださったお体を、そのように扱うことができるはずがありません。解剖学教室の先生や技官の方々が適切に防腐処置をしてくださったご遺体は、それぞれ丁寧に白布に包まれ、一体ごとに個別に保管庫に安置されて、解剖学実習まで保管されます。そして解剖学実習が始まると、私たち学生は毎日、実習を黙祷で始め、黙祷で終わるのです。
 人体は本当に精密にできています。従って私たちが学ぶべき解剖学の知識は本当に膨大です。しかし医学生として、多いからと言って投げだすわけにはいきません。臓器の位置や構造、血管の流れなどが分からない医師になるわけにはいかないからです。にもかかわらず、その膨大さ故にどれだけ教科書を読み、解剖図譜を眺めても、それらを記憶することは無論のこと、私にとっては人体の構造を理解することは全く不可能なことにしか思えませんでした。
 しかし実習が始まると、当初、未知の呪文のようであった解剖学の知識が少しずつ私の中で「生きた知識」となり、取り込まれていくのを感じました。解剖学のテキストを読んでも、実習が終わった範囲に関しては、自然と頭に入ってくるのです。それは自らの手でもって探り、見つけ、触れ、目に焼き付けた知識だからこそだと思います。
 このように解剖学実習は膨大な人体の知識を学ばせていただく本当に素晴らしい機会でした。そして単に知識だけでなく、献体して下さった方々のお体に触れることで、「自分は今医学部に通い、将来は医師となるんだ。人の命に責任を負うんだ。」ということを本当に実感しました。篤志家の方々、そして篤志家の方のご遺志を理解して献体に協力してくださったご遺族の方々には本当に感謝の思いでいっぱいです。


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初期体験臨床実習
病院での初期体験実習
医学科 平成16年度卒 村田 眞理子
初期体験実習は一回性の夏休みに行われ、私は臨床免疫学講座に配属されました。各講座五名ほど配属され、それぞれの予定に従って実習が行われました。臨床免疫学講座では主に大学病院の見学、入院されている患者さん達の病態の説明等がありました。また神戸市立中央市民病院で救急部、内科の見学もさせてもらいました。一回生で白衣を着るのも初めてで、何の知識も無い私達にとって、将来働くであろう病院の雰囲気やそこで働く医療スタッフとの交流は、とても貴重な体験でした。



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