研究内容

1認知症

本邦では高齢化社会の進展に伴い、認知症の有病率は年々増加している。当科では認知症センター(メモリー外来)での診療を行っており、アルツハイマー型、レビー小体型、前頭側頭型、脳血管性など多岐にわたる疾患分類を考慮したうえで、患者様ごとに最適な治療法を考える個別化医療(オーダー・メイド医療)を目指した治療法の研究を行っている。
また基礎研究においては、虚血モデルマウスを用いた脳血管性認知症の病態解明を行う。

2末梢神経障害、運動ニューロン病(神経電気診断)

ギラン・バレー症候群(GBS)や慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)といった免疫介在性ニューロパチーの豊富な症例に対し、神経伝導検査をはじめとした神経電気診断を詳細に行うことで、個別の病態解明に役立てる。
また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの運動ニューロン病における非侵襲的な早期診断法の確立を目標として、あらたな筋電図検査法の開発を行う。

3筋疾患(トランスレーショナル・リサーチ)

当科は、福山型筋ジストロフィーの原因遺伝子の解明、新たな治療法の開発を行っている神戸大学・分子脳科学教室との基礎臨床融合講座である。筋ジストロフィーや炎症性筋疾患における組織や蛋白の解析を行い、分子脳科学教室でのモデル動物の作成や治療法の開発につなげる。
また、こうした筋疾患に限らず、様々な領域で臨床での疑問を基礎医学によって実証し、その結果を実臨床へ還元するトランスレーショナル・リサーチを実践する。

4神経変性疾患(神経画像検査、ゲノム探索)

神経内科領域にはいまだ原因が不明で、根本的な治療法のない疾患が多く存在する。脳の変性疾患である脊髄小脳変性症、パーキンソン病及び関連疾患はその代表である。近年技術的な進歩のみられるMRIやSPECT、PETなどの画像検査により、変性や萎縮に対する定性的/定量的評価を行う。
また分子脳科学では、先端ゲノム科学(次世代シークエンサーやゲノムワイド関連解析)による、孤発性パーキンソン病の発症ゲノム因子や家族性神経疾患の原因遺伝子の同定を行っている。発見した遺伝子は、動物モデル、ヒト病理での解析へとすすめ、新たな治療法開発と個別化医療(オーダーメード医療)開発を目指している。

5免疫性神経疾患

多発性硬化症(MS)や視神経脊髄炎(NMO)は本邦でも患者数の増加している、中枢神経の炎症性脱髄疾患である。これらは自己免疫が関与するとされているが、その発症機序はいまだ不明な点が多い。当科では病態の解明を目指し、フローサイトメーターを用いたリンパ球の解析や、治療と臨床症状との関連性の解析を行う。

当科は分子脳科学分野と基礎臨床融合講座として基礎研究を行っている。
詳細はホームページ(http://www.med.kobe-u.ac.jp/clgene/)参照。