ごあいさつ

教授あいさつ

戸田 達史戸田 達史

平成20年12月1日より、神経内科学教室を担当させていただいております。分野長として教室をさらに発展させるべく努力して参りたいと思います。

神経内科には2つの魅力があるように思います。1つは、古くは、問診とハンマーなどの理学的診察だけから、また近年はMRI、SPECT、電気生理学検査なども組み合わせて、病変の部位は?疾患名は?治療は?と深く考えていく神経学的診察を駆使して、患者さんに最良の診療を実践することです。

もう1つは、今や神経内科は、難治性神経疾患や高次脳機能のメカニズムの解明といった神経科学の先端的な課題を担う科という側面も持ち、極めて多彩な広がりを見せていることです。ひと昔前、神経内科疾患は、多くが原因は不明であり、病気のメカニズムもきわめて難解で、攻略の糸口を見出しがたいものでした。しかし、過去20年間の分子遺伝学の進展により事態は一変し、多くの神経難病の病態が今まさに分子レベルで解明されつつあり、原因療法の開発まで進められているものもあります。すなわち従前の「なおらない」から「なおる神経内科」へ今後もどんどん変革しており、患者さんのために疾患を克服することが重要と考えられます。

私たちの教室の特徴は、いずれの魅力にもこたえることができることでしょう。初期研修の後に神大病院において、神経内科医として病棟での診療と、神経生理学、神経放射線などの研修を統合した研修プログラムを提供し、さらに急性期疾患、あるいは慢性期疾患について、多くの症例の診療を実践できるよう関連病院での診療を組み合わせて、神経内科専門医の養成に相応しい診療内容を提供したいと考えています。本格的な少子高齢化社会を迎え、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳血管障害の診療の担い手となる神経内科医への期待はますます高まっており、脳卒中センター(SCU)、認知症センターと連携をはかります。

また研究面においては、臨床基礎一体型講座として分子脳科学分野も併設し、臨床医学と基礎医学の融合により、ベッドサイドで生じた疑問をベンチで研究し(from bedside to bench)、ベンチで得られた成果をもとに治療をベッドサイドで実現させるよう(from bench to bedside)、神経疾患の解明、克服をめざした最先端の研究を幅広く推進していきたいと考えています。

このような理念を共有し、神経内科の診療、研究を大きく発展させていくことに共感していただく新進気鋭の諸君の参加を待っています。

教授 戸田 達史