分子代謝医学
神戸大学大学院 医学系研究科
Division of Molecular and Metabolic Medicine
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研究内容詳細

5)糖尿病遺伝素因の解明

[1] 1型糖尿病モデルKDPラット
 Komeda diabetes-prone (KDP)ラットは自然発症1型糖尿病の動物モデルです。これまで私達はこのラットにおける2つの主要遺伝子(MHCとCblb)を同定し、2つの遺伝子による発症モデルを提唱しました(Yokoi et al., Nat Genet, 2002)。この発症モデルを確認するため、KDPラットと同一のMHCを有するが異なる遺伝的背景を持つTMラットにKDPラットのCblb変異を組み込んだコンジェニック系統を作出したところ、コンジェニック系統が糖尿病を発症したことから2つの遺伝子による発症モデルを確認しましたが、発症率が低く発症開始日齢が遅いことから発症を修飾する遺伝子の存在が示唆されました(Yokoi et al., Diabetes, 2007)
さらに、2種類のコンジェニック系統の作製によって、もう一方の主要遺伝子である主要組織適合遺伝子複合体(MHC)のクラスII分子が自己免疫の臓器特異性を規定することを実験的に検証しました(Yokoi et al., Genes Immun, 2011 published online)。現在は糖尿病の発症を修飾する遺伝子の同定を進めています。
[2] ヒト1型糖尿病における遺伝子解析
 KDPラットの解析から同定したCBLB遺伝子がヒト1型糖尿病に関与するかどうかを明らかにするため、1型糖尿病患者の遺伝子解析を行っています。米国白人の1型糖尿病患者の解析では、CBLB遺伝子と糖尿病発症との関連は認められませんでした(Kosoy et al., Genes Immun, 2004)。一方、日本人1型糖尿病患者においては6個のミスセンス変異を同定し、そのうちの1つが機能異常を示すことを明らかにしました(Yokoi et al., BBRC, 2008)。現在は、スウェーデンのルンド大学との共同研究として、CBLB遺伝子を含む1型糖尿病候補遺伝子群について変異の同定を行っています。同定された変異が発症の原因になっているサブグループの発症予知、予防、診断および治療法の確立に寄与することが期待されます。
[3] 新規糖尿病モデルSDTラット
 Spontaneously Diabetic Torii(SDT)ラットは、1997年に鳥居薬品研究所において確立された非肥満性糖尿病の新たな動物モデルです。
糖尿病合併症としてこれまでの動物モデルではほとんど認められなかった網膜症が認められるのが特徴であり、糖尿病研究者の間で注目されています。私達はSDTラットの糖尿病の原因遺伝子を同定し、その発症機構を解明することを目標として研究を遂行しています。これまでの解析から、ラット第1、2およびX染色体に耐糖能関連遺伝子座 (Gisdt1-3)を同定しています(Masuyama et al., BBRC, 2003)
現在はこれら各耐糖能関連遺伝子座の病態生理的役割を解明するために、コンジェニック系統を作製して糖尿病発症や耐糖能について詳細な解析を行っています。また、上述の遺伝子座とは異なるラット第3染色体の遺伝子座が膵臓の炎症や線維化に重要であることを突き止めています(Fuse et al., Physiol Genomics, 2008)
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