プ ロ グ ラ ム 日 時 平成14年2月2日(土)13:30〜 会 場 兵庫医科大学 3号館1階3−1講義室 阪神電鉄武庫川駅下車 西出口から徒歩2分 本地方会は、日本小児科学会認定医のための研修8単位です。
一 般 講 演(講演時間6分) I. グループ (13:30〜14:15) 座長 安 部 治 郎 1.無熱時痙攣を契機として発見された多発性脳海綿状血管腫の一例 兵庫医科大学 小児科 三 品 浩 基 他 2.当科における脳炎患者の脳波所見の検討 神戸市立中央市民病院 小児科 斎 藤 潤 他 3.意識障害、心筋炎、黄疸、麻痺性イレウスを伴った重症川崎病の一例 神鋼加古川病院 小児科 吉 田 茂 他 4.川崎病におけるガンマグロブリン療法 〜投与量と臨床経過の関係について〜 兵庫県立西宮病院 小児科 徳 光 洋 子 他 5.特発性心室頻拍の1例 兵庫医科大学病院 小児科 小 野 淳一郎 他 II. グループ (14:15〜15:00) 座長 吉 松 剛 雄 6.当院における超低出生体重児のストマ管理 神戸大学 小児科 田 伏 里 奈 他 7.長期羊水流出を合併した超早産双胎の1例 兵庫県立こども病院周産期医療センター 新生児科 楢 林 成 之 他 8.脳室内出血後水頭症に対し、脳外科的処置を施行した超早産児5例の検討 兵庫県立こども病院周産期医療センター 新生児科 林 昇 怡 他 9.新生児脳梗塞の一例 赤穂市民病院 小児科 三 木 直 樹 他 10.アミカシンの過量投与の一新生児例 近畿中央病院 小児科 清 水 一 男 III. グループ (15:00〜15:45) 座長 上 川 眞里子 11.生後早期に確定診断し得たPallister-Mosaic症候群(PMS)の1女児例 国立神戸病院 小児科 足 立 昌 夫 他 12.頭蓋骨早期癒合症の2例 姫路赤十字病院 小児科 貝 藤 裕 史 他 13.新生児マススクリーニングで高ガラクトース、高メチオニン血症を呈した SLC25A13遺伝子異常症の1例 兵庫県立淡路病院 小児科 光 田 好 寛 他 14.遺伝子解析を施行した非古典型21-水酸化酵素欠損症の一女児例 兵庫県立尼崎病院 小児科 生 野 記 子 他 15.インシュリン使用前に低血糖を示したIDDMの1例 社会保険神戸中央病院 小児科 乗 松 泉 他
休 憩
特 別 講 演(16:00〜16:40) 座長 谷 澤 隆 邦 自然の災害と人間が生きること 京都大学大学院工学研究科環境地球工学専攻教授 国際連合地域開発センター防災計画兵庫事務所所長 小 林 正 美
IV. グループ (16:40〜17:25) 座長 前 田 浩 16.医学生を対象とした実地医による小児科クリニック実習 日本外来小児科学会 教育検討委員会 熊 谷 直 樹 他 17.シチプラチン(CDDP)による溶血性尿毒症症候群(HUS)をきたした 悪性黒色腫の2才男児例 神戸大学大学院医学系研究科成育医学講座 小児科学 武 田 和 子 他 18.喘鳴にて発症した咽後膿瘍の1歳男児例 加古川市民病院 小児科 湊 川 誠 他 19.基礎疾患なく発症したSalmonella骨髄炎・関節炎の1例 西神戸医療センター 小児科 田 原 佐知子 他 20.卵アレルギー児に対して高圧処理と熱処理した オボムコイドのプリックテストについて 尚和会第一病院 小児科 福 田 典 子 他 V. グループ (17:25〜18:01) 座長 泉 裕 21.9ヶ月検診で発見された若年性特発性関節炎の1例 兵庫県立こども病院 免疫アレルギー科 荻 野 芽 子 他 22.仙骨部の皮膚潰瘍・壊死を認めた血管性紫斑病の1女児例 兵庫県立塚口病院 小児科 芥 川 宏 他 23.潰瘍性大腸炎の2例 六甲アイランド病院 小児科 梶 山 瑞 隆 他 24.当院小児科で過去6年間に経験した亜急性壊死性リンパ節炎 明石市立市民病院 小児科 杉 野 由里子 他
特 別 講 演 自然の災害と人間が生きること 京都大学大学院工学研究科環境地球工学専攻教授 国際連合地域開発センター防災計画兵庫事務所所長 小 林 正 美 災害とは、調和的人間社会の崩壊である。人間が決めた自然との約束事の破綻を自然災害と呼び、人間同士の信頼関係の崩壊を、人為災害と呼ぶ。災害で失われるものは、人間の命、美しい自然、そして人間が造った文明や文化の産物。人為災害は、人間に不信、怒り、憎しみをもたらし、時を経て、自らの愚かさを知らしめる。一方、自然災害は、それはかつて人間に、人間を超えた存在とそれに対する畏怖と謙虚さ、個の自立と人々の協力の大切さを教えてくれた。しかし今の時代に人々が自然災害に見舞われた場合には、巷でつくられている物的構造物の崩壊が、最も弱いところから始まるのと同じように、社会の中の最も弱い部分の人間が炙り出され、顕在化する。人間ネットワークの中の最も弱い鎖に、かろうじて繋がり生きてきた彼らは、社会との関わりを失い、孤立し、生きる希望を失う。物で換算される富の蓄積の大小に、回復・復興が比例する社会では、物的な損失が、精神の、そして心の喪失感をもたらし、明日を見えなくする。「失った者」と「失わなかった者」との差を、物質的に歴然とさせていく社会構造のもとでは、昔の自然災害が担っていた役割である「富の再配分」は、もはや機能しない。 人間が生きる希望を失うのは、物を失った時ではない。自分を必要とする人間が見えなくなった時である。災害で心の喪失を持つ人間に、明日を与えるものは、単なる物質としての「もの」の援助ではなく、その人一人の存在を、最後までかけがえのない「人間」として「必要である」と言明する、人間社会の構築である。 インドネシア、フィリピン、日本、インドなどの、自然災害に見舞われた場所を訪れ、そこで見た災害の後に繰り広げられる人間居住のあり様から、「人間が人間らしく生き抜く環境」について考察する。 |