第238回 日本小児科学会兵庫県地方会
プ ロ グ ラ ム
日 時 平成18年2月4日(土)13:30〜
会 場 兵庫医科大学 平成記念館
阪神電鉄武庫川駅下車 西出口
本地方会は、日本小児科学会認定専門医のため
の研修8単位です。
一 般 講 演(講演時間6分)
I グループ (13:30〜14:02) 座長 皆 川 京 子
1.先天性乳び胸により胎児水腫を呈した早産2例
兵庫県立こども病院周産期医療センター 新生児科 福 島 雅 子 他
2.新生児早期に脳皮質下血腫を認めた1例
加古川市民病院 小児科 峰 淳 史 他
3.先天性筋強直性ジストロフィーの1母児例
神戸大学大学院医学系研究科成育医学講座 小児科学 榎 本 真 宏 他
4.遺伝子変異を認めた無汗性外胚葉形成不全症の1例
加古川市民病院 小児科 佐 藤 有 美 他
II グループ (14:02〜14:34) 座長 安 部 治 郎
5.当科における急性散在性脳脊髄炎の臨床的検討
姫路赤十字病院 小児科 山 内 裕美子 他
6.マイコプラズマ感染後に発症した急性散在性脳脊髄炎の1例
公立豊岡病院 小児科 望 月 航 他
7.脳炎/脳症症状を呈さずにMRIにて脳梁膨大部に可逆性病変を認めた1例
神戸市立中央市民病院 小児科 辻 雅 弘 他
8.頭部MRIで異常所見を呈した溶血性尿毒症症侯群(HUS)の1例
兵庫医科大学 小児科 松 田 洋 昌 他
III グループ (14:34〜15:06) 座長 服 部 益 治
9.当院における紫斑病性腎炎症例の比較検討
兵庫県立尼崎病院 小児科 松 原 純 子 他
10.学校検尿で発見され、腎生検にてループス腎炎と診断された1例
神戸大学大学院医学系研究科成育医学講座 小児科学 豊 嶋 大 作 他
11.細菌性腸炎が発症の誘因となったと考えられた熱中症の1小児例
兵庫医科大学 救命救急センター 松 平 宗 典 他
12.心肺停止蘇生後、後遺症なく社会復帰した肥大型心筋症の1例
神戸市立中央市民病院 小児科 阿 部 倫 子 他
______ 休 憩(15:06〜15:20) ______
特 別 講 演(15:20〜16:05) 座長 谷 澤 隆 邦
遺伝医療と個人情報保護
兵庫医科大学 遺伝学講座
教授 玉 置 知 子
IV グループ (16:05〜16:37) 座長 尾 崎 元
13.当院で経験した年長児の川崎病症例
明石市立市民病院 小児科 野 崎 友 子 他
14.SLEを合併した色素性乾皮症の1例
加古川市民病院 小児科 樋 上 敦 紀 他
15.細菌性髄膜炎の5例
社会保険神戸中央病院 小児科 柴 田 真 弓 他
16.研修医に対する1日クリニック研修
くまがいこどもクリニック 熊 谷 直 樹 他
V グループ (16:37〜17:17) 座長 播 磨 良 一
17.乳幼児の家庭での事故防止に関する親の意識調査_ その1:現状と問題点 _
兵庫県小児科医会小児保健委員会 転 馬 博 之 他
18.乳幼児の家庭での事故防止に関する親の意識調査
_
その2:子の年齢から見た親の意識変化 _ 兵庫県小児科医会小児保健委員会 転 馬 博 之 他
19.チャイルドシートにより防げた可能性のある致死的頭部交通外傷の乳児例
兵庫医科大学 救命救急センター 松 平 宗 典 他
20.気管支喘息との鑑別を要した、長期間とどまった食道異物による気管狭窄の1例
兵庫県立こども病院 救急医療室 笠 井 和 子 他
21.保存的に治癒した鈍的肝損傷の1例
神鋼加古川病院 小児科 川 崎 彩 子 他
VI グループ (17:17〜17:49) 座長 前 田 浩
22.高度貧血で発症したメッケル憩室の1例
六甲アイランド病院 小児科 北 山 幹 夫 他
23.小腸腺筋腫による腸重積の年長児例
西神戸医療センター 小児科 小 寺 美 咲 他
24.急性腹症においてCTが診断に有用であった3女児例
済生会兵庫県病院 小児科 立 石 径 他
25.急性リンパ性白血病(ALL)の治療中に
葉酸欠乏性巨赤芽球性貧血をきたしたダウン症侯群の1例
神戸大学大学院医学系研究科成育医学講座 小児科学 森 健 他
特 別 講 演
遺伝治療と個人情報保護
兵庫医科大学遺伝学講座
教授 玉 置 和 子
遺伝医療に関わる情報は、当該個人の情報であるとともに家族に共有され、しかも一生変化しないという特徴をもつため、通常の医療の情報とは次元が異なる。その扱いや遺伝医療のあり方について、国としての統一見解は長く示されて来なかった。厚労省等は2001年になって初めて「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」を示した(いわゆる3省指針)が、この指針は「研究」のみを対象としており、遺伝医療はなおも対象外であった。2005年4月より発効する個人情報保護法に対応するため厚労省は、2004年末に「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」を発表したため、どの医療機関もその対応に迫られることとなったことは記憶に新しい。しかし、このガイドラインは遺伝子診断を独立した1項として取り上げた点が画期的で、やっと遺伝医療の存在が国のレベルで認められたと言ってよい。
現在では遺伝・遺伝子に関する情報は身近にあふれており、患者・家族は適切でない情報に埋もれて苦悩されている状況にしばしば遭遇する。遺伝カウンセリング(genetic counseling, GC)は、患者・家族が適切に遺伝情報に対応し、遺伝性疾患に向きあうための支援を目的にした医療行為である。GCは上記ガイドライン等にも必要性が記載されているが、GCを有効に遺伝医療に組み込むことが、「本人が本人の情報を有効に管理し活用する」という個人情報保護法の基本姿勢に即した対応であると考えられる。