神戸大学医学部附属病院 脳神経外科
神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 脳神経外科学分野
Kobe University Hospital,  Department of Neurosurgery   
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頭部外傷     


 私たちの施設は3次救急病院であり、救急部と協力し、様々な頭部外傷患者を治療しています。急性頭部外傷患者は、まず呼吸管理、循環管理を行い、全身状態を安定させた後、脳損傷の管理を行います。頭部外傷にはさまざまな発生機序がありますが、脳実質の損傷の有無で回復の程度が変わります。当科では、病態にあわせ、外科的治療、バルビツレート療法、低体温療法を行っています。また、刻々と変化する病態を把握するために、頭蓋内圧センサーなどのさまざまなモニタリングを使い、適切な治療を行うよう努めています。また、慢性期ではリハビリテーションを中心に、地域の病院と連携して治療にあたる体制を整えています。

頭部外傷の代表的疾患は以下のものが有ります。

  (1)外傷性脳実質損傷

       脳挫傷(外傷性脳内血腫)

       び慢性軸索損傷

  (2)外傷性頭蓋内血腫

       急性硬膜外血腫

       急性硬膜下血腫

       外傷性くも膜下出血

       慢性硬膜下血腫

  (3)頭蓋骨骨折

       頭蓋骨陥没骨折

       頭蓋底骨折

以下に、それぞれの疾患について解説いたします。


(1)外傷性脳実質損傷

(a)脳挫傷(外傷性脳内血腫)

 脳の挫滅創が限局性に見られる状態です。挫滅により脳内で出血し、血腫をつくる時もあります。挫滅創内では細胞の自己融解が起こり、最終的には液化、空洞化します。時間経過と共に挫滅創周囲に著明な脳浮腫が形成され、24〜48時間後に浮腫は著明となり、これが脳挫傷をさらに悪化させます。このため、脳圧降下剤などを用いて脳浮腫を軽減させるようにしますが、それでも悪化するようであれば開頭減圧術、血腫除去術などの外科的治療を行います。


(b)び慢性軸索損傷

 これは、頭部外傷直後より昏睡状態が続いているにもかかわらず、CTなどで頭蓋内占拠性病変などが見られないときに診断されるものです。受傷機転は交通事故が圧倒的に多く、回転性の力が働いた時に起こることが多いとされています。血腫などの頭蓋病変が無いため、基本的に薬による保存的治療を行います。



(2)外傷性頭蓋内血腫

 急性頭蓋内血腫には、硬膜外、硬膜下、くも膜下、脳内など血腫の発生部位によって分類されています。脳内血腫は脳挫傷に伴って起こることが多く、上で説明いたしました。以下には脳外の頭蓋内血腫について説明いたします。


(a)急性硬膜外血腫

 急性に硬膜の外側(頭蓋骨の内側)に出血した血腫です。頭蓋骨線状骨折や陥没骨折に伴うことが多いですが、骨折無く起こることもあります。骨折により硬膜の血管を損傷して、そこから出血することが多いです。この病気の特徴は、受傷時は意識がはっきりしていても、その後意識が急激に低下して頭痛、嘔吐、不穏、痙攣などの症状が急速に進行することです。当然、受傷の程度が強ければ受傷時から意識が低下していることもあります。基本的に脳の損傷は少ないため、適切に治療すれば回復が期待できますが、手術時期が遅れたりすると二次的に脳損傷がおこり、後遺症を残すことがあります。


     


(b)急性硬膜下血腫

 急性に硬膜と脳との間に出血がおこり、血腫となった状態です。回転性の加速度により脳の移動が起こり、脳表の架橋静脈が破綻して出血することが多いです。高齢者の場合は比較的軽度の外傷(転倒による頭部打撲)などでも起こることがあります。受傷直後より意識障害を伴うことが多く、硬膜外血腫に比べると圧倒的に経過が不良です。血腫の量が少ない場合は薬による治療のみで経過を見ることもありますが、血腫量が多く、脳への圧迫が強い場合は開頭減圧術、血腫除去術などの外科的治療を行います。


    


(c)外傷性くも膜下出血

 脳表のくも膜と脳実質との間に出血を起こした場合、くも膜下出血といいますが、外傷によりこの部分に出血を起こしたものを外傷性くも膜下出血とよびます。外傷性くも膜下出血のみでは外科的治療の対象にはならず、基本的には薬による治療を行います。


(d)慢性硬膜下血腫

 硬膜と脳との間にゆっくり(通常3週〜数ヶ月)と液体状の血腫が貯留する病気で、軽微な頭部外傷に由来することが多い。しかし、外傷などが無くとも発生することもあり、本症の発生に関しては現在も不明な点が多いです。乳幼児と高齢者に多く発生します。ゆっくりと進行するため、最初は殆ど症状が出ず、症状が出たときにはかなりの血腫が溜まっていることが多いです。治療は基本的に穿頭血腫除去術などの外科的治療で、血腫を除去することですが、除去しても再度貯留する場合もあります。


(3)頭蓋骨骨折

(a)頭蓋骨陥没骨折

 強い外力が加わり、頭蓋骨が陥没して骨折する状態です。陥没が小さければ保存的に治療することもありますが、@美容的に問題がある場合、A硬膜の損傷がある場合、B静脈洞などを圧迫している場合、C頭蓋内血腫を合併している場合、には手術します。

(b)頭蓋底骨折

頭蓋底部に強い外力が働いた場合に生じます。鼻漏、耳漏、耳出血、皮下出血などや脳神経麻痺などの症状があった場合に頭蓋骨骨折を疑います。基本的に血腫を伴わないかぎり、保存的に治療します。






上記疾患につきましては、専門の外来担当医をご参照下さい。

<診療に関するお問い合わせ>

〒650-0017
神戸市中央区楠町7丁目5−2
神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 脳神経外科学分野
TeL: (078) 382-5966 , Fax: (078) 382-5979

診療科長補佐   水川 克
教授兼診療科長  甲村英二

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