医局だより

よくある質問

Q. 口腔癌は、放射線治療や抗がん剤では治らないのですか?



  • A. 以前は、口腔癌に対して放射線治療がしばしば用いられましたが、単独での放射線治療は手術と比較して治癒率が低いことや、放射線治療には口腔乾燥症・放射線性顎骨骨髄炎などの後遺症や放射線被ばくによる二次発癌などの可能性があることなどから第一選択(最初に選択されること)となることが少なくなりました。化学放射線同時療法(放射線と抗がん剤を同時に行うこと)は、切除不能(手術が技術的に難しい方)の場合は、行うことがあります。ただし、ご年齢によっては体の負担が大きく、できないことがあります。

     現在の口腔癌治療においては、手術が可能な方は、手術を最初に行い、必要に応じて放射線治療や化学療法(抗がん剤)を追加していくことが標準的な治療となっています。手術前に、がんを小さくする目的で放射線治療や抗がん剤の治療を行うこともありますが、手術後に必要な放射線治療や抗がん剤治療がしっかりできなくなることも考えられるので、当科では基本的に、最初に手術を行う標準的な治療法にのっとって治療を行っています。

    各治療法の長所・短所について十分に説明を受けた上で治療法を決定してください。

    放射線治療や抗がん剤の治療は、放射線腫瘍科や血液腫瘍内科の協力のもと行っています。