Kobe University Hospital
Oral and Maxillofacial Surgery


    



                      ■
 よくある質問 







  口腔癌について

  ■ Q. 口腔癌の原因は何ですか? 治療法はありますか? ■

    A. 口腔癌の原因は明らかになっていませんが、発癌促進因子として喫煙、飲酒、歯周病や
     不適合義歯などの刺激による慢性炎症などが知られており、特に喫煙者では非喫煙者の
     数倍の発癌リスクがあるといわれています。
      予防としては禁煙の他、虫歯や歯周病を放置せず早期に治療することもあげられます。
     また、口腔癌は患者さん自身が口を開けると鏡で見えることが多く、舌や歯肉の異常や
     治りにくい口内炎がある場合などは、すぐに歯科口腔外科を受診してください。


  ■ Q. 口腔癌になると他の癌にもなりやすいと聞きましたが、本当ですか? ■

    A. 口腔癌患者さんで検査をすると口腔以外の場所に重複癌(口腔癌の転移ではなく別の
     癌)が発見されることがあります。前癌病変まで含めると約10%の方に発見され、特に
     咽頭、食道、胃に多くみられます。この理由として、口腔癌の発癌促進因子である喫煙や
     飲酒がこれらの部位にも影響を及ぼし癌が発生しやすくなるものと考えられています。
      このため、当科では口腔癌の治療前や治療後に、消化管の内視鏡検査やPET検査を
     ルーチンに行うようにしています。幸いこれらの重複癌は早期に発見されることが多く、
     治療により治ることがほとんどです。


  ■ Q. 口腔癌は、放射線や抗癌剤では治らないのですか? ■

    A. 以前は、口腔癌に対して放射線治療がしばしば用いられましたが、放射線治療は手術と
     比較して治癒率が低いことや、放射線治療には口腔乾燥症・放射線性顎骨骨髄炎などの
     後遺症や放射線被ばくによる二次発癌などの可能性があること、再建手術の進歩ととも
     に手術の後遺症が少なくなったことなどから、最近では手術が口腔癌治療の第一選択と
     なることがほとんどです。抗癌剤は副作用が大きく治癒率が低いことなどから、主に対症
     療法として用いられてきました。
      しかし腫瘍の部位や大きさなどによっては、抗癌剤を腫瘍を栄養する動脈に直接注入し
     同時に放射線治療を行う、「抗癌剤動注併用放射線治療」によって治癒の見込める口腔
     癌もあります。
      各治療法の長所・短所について十分に説明を受けた上で治療法を決定してください。


  ■ Q. 口腔癌に免疫療法(丸山ワクチンやリンパ球療法など)は効果がありますか? ■

    A. 一部の口腔癌(例えば悪性黒色腫など)では補助療法としての免疫療法の有効性が
     報告されており、当科でも行っています。しかし扁平上皮癌を含む大多数の口腔癌では、
     免疫療法の有効性は確認されていません。


  ■ Q. 舌や顎を切除すると、食事や会話などができなくなりますか? ■

    A. 舌の早期癌では舌部分切除が行われますが、嚥下障害(飲み込む)・咀嚼障害(噛む)
     ・構音障害(話す)などの後遺症はほとんど生じません。進展癌で舌を半分程度切除する
     ときには以前はこれらの障害が頻発しましたが、最近では再建手術の進歩により、日常
     生活が支障なく送れる程度に後遺症を軽減させることが可能になりました。
      舌亜全摘や全摘手術ではこれらに加えて嚥下改善手術や術後のリハビリを行っており、
     後遺症の軽減に努めています。また、歯や顎を切除する場合も、必要に応じて骨移植や
     歯科インプラントを行うことにより、咀嚼障害を最小限にするような工夫をしています。

     ※ 嚥下改善手術は耳鼻咽喉科、再建手術は形成外科の協力のもと行っています。



  矯正治療について

  ■ Q. 手術をせずに治療はできますか? ■

    A. 手術適応かどうか、また手術をせずに治せるかどうかを鑑別診断するために、病院で、
     まず精密検査を行います。


  ■ Q. 矯正治療は必要ですか? ■

    A. 術後きれいなかみ合わせを作り、後戻りを防止するためにも矯正治療は必要です。


  ■ Q. 傷あとは残りますか? ■

    A. ほとんどの手術は口の中から行うため、顔の表面に傷は残りません。しかし、口の中に
     傷ができるので、口の中は清潔に保たなければいけません。
      また、口の中の傷が治癒する過程で一時的に傷口が硬くなるので、頬の筋肉が伸びにく
     くなり、歯ブラシが奥歯に届きにくくなります。


  ■ Q. 手術は危険ではないのですか? ■

    A. 手術自体は、手術方法も確立しており危険な手術ではありません。
      しかし、術後は顔がかなり腫れますし、手術の影響で、顎の表面の皮膚の感覚が鈍く
     なったり、痺れが切れたような感覚が生じることがあります。


  ■ Q. 手術後日常生活に支障はありますか? ■

    A. 手術で切った顎の骨がくっつくまで、3ヶ月くらいは顎に負担がかかるような運動(顎に
     振動が伝わりやすい縄跳びなど)や接触の多いスポーツは避けて下さい。
      また手術後は、口が開けにくくなり顎の力も入りにくくなるため、しばらくは固いものが
     食べづらくなります。


    * 顎の変形や歯ならび、かみ合わせでお悩みの方は気軽に御相談にいらして下さい。



  インプラント治療について

  ■ Q. インプラントシステムは何を使用していますか? ■

    A. チタン製スクリュー式人工歯根で、スウェーデンより導入されたブローネマルク
     インプラントシステムを用いています。


  ■ Q. 完全自己負担によるインプラント費用はどのようになりますか? ■

    A. 概略を説明しますと、インプラント体(人工歯根)を顎骨内に埋入し仮歯(仮封冠)が入る
     までの料金と上部構造(最終的に咬合する歯)の料金、その他必要となる検査などの料金
     の合計となります。
      詳細については外来受診時にお気軽にお尋ねください。
     ※ 埋入前に骨造成術が必要となる場合なども別途料金が必要になります。


  ■ Q. 保険診療のインプラントはどのような場合に適用されますか? ■

    A. 腫瘍、外傷等により広範囲に顎骨欠損が認められた場合などに適用されます。
      歯周疾患や加齢による骨吸収の場合は除かれます。
      詳細については外来受診時にお気軽にお尋ね下さい。


  ■ Q. 外来および手術日はいつですか? ■

    A. インプラント外来は月・金曜日の午後で、通常の再診や外来手術が行われています。
      入院の場合は水曜日が手術日となります。


    ※ 先進医療としてのインプラント義歯は、平成24年度診療報酬改定により、平成24年
    3月31日をもって終了いたしました。
     平成24年4月1日からは、完全自己負担によるインプラント治療(自費診療)と、
    広範囲顎骨支持型装置及び広範囲顎骨支持型補綴(保険診療)に移行いたしました。



  レーザー治療について

  ■ Q. レーザーとは何ですか? ■

    A. レーザー(LASER)という言葉自体、“放射の誘導放出による光の増幅”という英文の
     頭文字を併せたもので、この原理に基づき人工的に作り出される光のことです。
      レーザーには様々な種類のものがありますが、それぞれが異なった波長をもつことで
     異なった性質や特性を生じます。このうち歯科口腔外科の領域で有用な炭酸ガス、
     Nd:YAG、He-Neレーザーの3種類を現在当科では使用しています。


  ■ Q. 従来の外科手術で用いられるメスと比べたレーザー治療の利点は何ですか? ■

    A. 利点は基本的に出血がないため縫合が省略できる場合が多く、傷の変形も少なくなり
     きれいに治癒します。


  ■ Q. 蒸散とはどのような処置ですか? ■

    A. 組織の表面を火で焼くようなイメージで、出血もなく部位によっては麻酔をせずに行う
     ことも可能です。特に、表在性で広がりを持った疾患の処置の場合には非常に有効です。


  ■ Q. レーザーを用いてその他にはどんな処置を行うことができますか? ■

    A. 顎顔面領域の神経麻痺や歯の知覚過敏などに対しては、He-Neレーザーを用いた
     低出力でのいわゆるソフトレーザー治療も行っています。


  ■ Q. レーザーを用いた治療には保険が効きますか? ■

    A. 基本的には保険診療の適応範囲で使用することが可能ですが、一部私費診療として
     院内で費用を設定しているものもありますので、いつでもお気軽にお問い合わせください。



  顎関節症について

  ■ Q. 顎が痛くて口を大きく開けられないのですが、どこの科を受診したらいいですか? ■

    A. この症状から疑われる疾患の一つに、顎関節症が挙げられます。以前から顎の関節に
     痛みがあり、特に痛みの強い側で固いものを食べると関節部分が痛んだり、以前から
     口を開ける際、顎に「カックン」という音(クリック音)を認めており、突然開口時に
     痛みや口を大きく開けることができなくなった、という経過は顎関節症の典型的な所見の
     一つです。
     ただし、口が開かないという症状は感染症や骨の病気、腫瘍といった病気が隠れている
     こともありますので、歯科口腔外科にて適切な診断が必要です。


  ■ Q. 口を大きく開けるたびに音がするのですが、放っておいて大丈夫ですか? ■

    A. 関節の雑音だけで痛みがなく、食事や日常会話に特に支障がなければ治療の必要がない
     ことが多いです。口を開けるたびに顎が「カクカク」鳴る時、この関節雑音はクリック音と
     呼ばれ、関節円板が前方にずれていることが原因で起こります。


  ■ Q. 顎関節症の原因は「噛み合わせ」ですか? ■

    A. 現在では研究が進み、顎関節症の病因は多因子であることが判明しています。顎関節症の
     病因として考えられるのは、患者さん自身の顎の弱さや、打撲などの外傷の経験、ストレス
     や噛みしめ、歯ぎしり、食生活、歯並び、ほおづえや片噛みなどの日常のちょっとした癖など
     多岐に渡ります。噛み合わせの不良は病因のほんの一部であり、治療のファーストステップと
     しては、まず習癖や生活習慣の改善から始めるのが適当なことが多いです。また、マウスピー
     スを装着するスプリント療法が効果的なケースもあります。


  ■ Q. 顎関節症から肩こりや頭痛が起こると聞いたのですが、本当ですか? ■

    A. 歯ぎしり、くいしばりの習癖はないでしょうか?下顎の周辺に咀嚼筋という顎を動かす筋肉が
     あり、この筋肉に痛みがあると「顎が痛い」「歯が痛い」「頭が痛い」と認識されることがあります。
     歯ぎしりなどに起因する咀嚼筋および頭蓋周辺筋の過緊張が顎関節症や筋緊張型頭痛の
     原因の一つになります。筋緊張型頭痛が主症状である場合は、内科などへご紹介し他科連携
     で治療に当たることもあります。



  全身疾患を有する患者さんへの治療について

  ■ Q. 血圧を下げる薬を飲んでいますが、抜歯は問題ないですか? ■

    A. 歯科診察台に座ると、緊張や恐怖感、処置中の疼痛などのため血圧が上昇することが
     よくあります。また、歯科麻酔薬の中にも血圧を上げる作用をもった薬剤が含まれて
     います。抜歯後に血圧上昇が継続すると止血が困難なこともあります。
      他にも降圧剤の中には歯肉増殖を引き起こす薬があり、歯周病を増悪させる一因子
     でもあります。


  ■ Q. 抜歯のとき、血液をサラサラにする薬は飲み続けていても大丈夫ですか? ■

    A. 基本的には、抗血小板薬、抗凝固薬の休薬は行わないようになってきています。
     つまり血が止まりにくい状態で抜歯をすることになり、後出血の危険性も十分にあります。
      しかし、どの歯を抜歯するのか、どんな状態の歯を抜歯するかにより考え方は異なって
     きます。このような場合は、どれくらい止血しにくいのかを術前に評価し、止血処置の工夫
     をして、後出血に対応できる施設(入院も含めて)で行うことが望ましいと考えます。


  ■ Q. 抜歯後の出血は当日だけ気を付ければいいのですか? ■

    A. 当日、翌日が大部分ですが一週間後に出血を起こす場合もあります。


  ■ Q. 骨粗鬆症の薬を飲んでいます。 抜歯したら顎の骨が腐ってくるのですか? ■

    A. 飲んでいる期間や抜歯する歯の状態によっても骨壊死の危険性は異なります。
      また、骨粗鬆症の薬を休薬する必要がある場合もあります。


  ■ Q. 感染への抵抗力が減弱している患者さんへの抜歯で注意することは? ■

    A. 可能であるなら、抜歯などの処置を行う前に口腔清掃を十分に行い(口腔ケア)、
     清掃状態(プラークコントロール)良好となってから処置を行います。
      また場合によっては、抗菌薬の術前・術中の投与(点滴投与の含めて)を行います。



 Copyright (c) 2014 神戸大学病院 歯科口腔外科 co.,ltd. All rights reserved.