神戸大学 医学部付属病院

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分子薬理・ 薬理ゲノム学 平成28年度卒業生 白根 璃沙子「臨床にも基礎医学の研究が活かせている実感があります」

※専攻・学年は取材時のものです。

写真:白根 璃沙子

Q.いつ頃から医学研究コースを履修しようと考え始めたのですか?
またそのきっかけは何ですか?
2年次の基礎配属実習半ば頃より履修しようと考え始めました。将来、疫学・臨床研究に携わってみたいと思っているため、学生の間に少しでもデータ解析などに必要な知識や手技を学びたいと、かねてより考えていました。基礎配属実習でウイルス学教室に配属となり、帯状疱疹ウイルスの疫学研究のデータの一部を解析する機会をいただいたので、医学研究コースを履修してこのテーマに取り組もうと決めました。
Q.この分野を選んだ理由は?
学士編入という形で神戸大学医学部に入る前、国際保健を勉強していた経験から、感染症には関心がありました。電子顕微鏡を使わないと見えない小さいウイルスが、ヒトの生命までも脅かす不思議に魅かれ、この分野の最先端の基礎研究に触れてみたいと思ったことがウイルス学を選んだ理由の一つです。さらに、帯状疱疹に関する疫学の共同研究をされていると伺っていたので、こちらのプロジェクトにもいつか携わってみたいと思い、選ばせていただきました。

写真:白根 璃沙子

Q.このプログラムの魅力は何ですか?
興味のある研究分野・トピックについて自分のペースでじっくり掘り下げて学べること。
学会や学外ワークショップに参加するなどの研究活動に対して経済的な援助があるので、広い視野をもって学びたいことを追求できること。
私は昨年、このシステムを利用して、臨床研究の統計学的データ解析法を学ぶべく、聖ルカ・ライフサイエンス研究所主催の合宿形式のワークショップに参加することができました。
Q.現在の取り組み、今後の取り組みを教えて下さい。
日本における帯状疱疹の大規模前向き疫学調査データの一部の統計学的解析に取り組んでいるところです。このような大きいデータの量的解析に取り組むのは初めてなので、統計ソフトの使い方やデータを解析にかける前の整理方法など、初歩的な事項から統計学の専門家に教えて頂いています。予想以上に時間がかかってしまっていますが、今時間をかけて学んでいることは必ず将来役に立つと信じて、粘り強く努力したいと思います。

写真:白根 璃沙子

Q.このプログラムに参加し、得たことがあなたの将来にどのように活かされると思いますか?
私が現在理解を深めようとしている統計学の知識やデータ解析の手法は、基礎・臨床に関わらず、将来どの研究分野に進んでも応用の効くことだと思います。また、今後、医学論文を読む機会が増えて行く中で、研究デザイン、データの性質に見合った解析がなされているか、など、見過ごしがちな部分もある程度理解しながらクリティカルに評価できると思っています。
Q.これから履修を考えている学生へ一言
医学の勉強、部活やバイトの合間に研究をすることは容易ではないと思います。しかし、学生だからこそ、時間をかけて納得のいくまで学べることも沢山あると思います。医師になってから研究をしたい、と思っても、時間的余裕がないかもしれません。研究室の先生方はオープンマインドな方が多いですし、他大学で研究に取り組んでいる医学生との交流などを通して、インスピレーションをいただける機会も多々あります。もし、今、興味の湧いていることがあるならば、ためらわずに探求してみてください!新しい世界が広がって、自分の新たな可能性が見えてくるかもしれません。