神戸大学大学院医学研究科 内科系講座 先端緩和医療学分野 緩和支持治療科

緩和支持治療科について

ごあいさつ

 
代替文字
 
 神戸大学 緩和支持治療科/大学院医学研究科 先端緩和医療学分野 のホームページを訪れていただきありがとうございます。
 当教室は、2012年10月の大学院医学研究科 先端緩和医療学分野、2013年6月の医学部附属病院 緩和支持治療科の設立に始まります。
 私は、開設より教室を引っ張ってくださっていた 木澤 義之 先生のあとを継ぎ、2022年4月より、教室を主宰させていただいております。
 全国でも数少ない緩和ケア分野の大学教室として、地域での緩和ケア診療の構築と緩和ケア領域の学術的な発展をを使命として、緩和ケアの臨床・教育・研究を行っていきたいと考えております。以下に、私たちが目指す教室の方向性を紹介します。

患者さん・ご家族の“よりよい生活”に貢献

 緩和ケアは、「生命の危機に直面する疾患を持つ患者と家族」を対象とし、「多面的かつ包括的なアセスメントに基づいて患者と家族のQOLの向上を目指す」を専門性とした分野です。つまり、病気による苦痛・治療に関連する苦痛などをやわらげ、重篤な疾患を持ちながらも治療や日々の生活を過ごしやすくできるようなサポートを行います。患者さんが医療に求めることの基本は苦痛を和らげることであり、それを専門とする緩和ケアは“医療の基本である”という側面を持ちます。その基本を我々は大切にし、患者さんが疾患に対する適切な治療に十分に取り組めるように、また疾患を持ちながらも日々の生活をより苦痛少なくすごし、何気ない日常に幸せを感じられるように、より専門的なスキルを持って「からだ・こころの症状」をやわらげます。

これからを担う人材の育成

 これまで述べたような専門的な緩和ケアを広く地域に浸透させていくためには、人材育成が重要です。全国的に見ると、緩和ケアを専門とする医師はまだまだ不足している現状があり、今後の少子・高齢化の波に際する緩和ケアに対するニードの高まりに対応するためには、専門的緩和ケアを担う人材育成は喫緊の課題です。我々の教室では、緩和ケアの専門性が必要とされかつ十分に発揮できる臨床セッティングである緩和ケア病棟・急性期病院での緩和ケアコンサルテーションサービス(緩和ケアチーム)・在宅訪問診療(診療所)での研修をバランスよく行い、がんなどの悪性疾患だけではなく心不全・呼吸器疾患・神経疾患など非がん疾患にも幅広く対応でき、成人のみならず小児例もカバーできるような緩和ケア専門医を育成していきます。また、我々の重要な専門性の一つである“終末期ケア(End-of-life care)”を大切にすることはもちろん、救急・集中治療を受けている患者さんや疾患に対する積極的な治療を受けている患者さんなどへもニードに応じた緩和ケアの提供を行える専門医を育成していき、必要とするより多くの患者さんへ緩和ケアを届けることができる未来を作っていきたいと考えます。

医学分野としての“緩和ケア”の学術的な発展

 もう一つ、将来に向けて重要なこととして、緩和ケアの研究を進めていくことがあげられます。これまでも当教室では症状緩和治療の開発やより良いコミュニケーション方法の開発などに関する研究を行ってまいりました。今後は小児や救急/集中治療領域の緩和ケアデリバリに関する研究や心不全患者・透析患者など非がんのunmet needsに関する研究に幅を広げつつ、我々の得意分野である症状緩和・終末期コミュニケーションに関する研究をより一層発展させたいと考えており、国内外の緩和ケア領域の研究を牽引していくリサーチマインドを持った人材の育成にも取り組みたいと思います。
 
2022年(令和4年)4月
神戸大学医学部附属病院 緩和支持治療科
特命教授 山口 崇


緩和支持治療科の概要

先端緩和医療学分野・緩和支持治療科の目指すもの

 大学院医学研究科先端緩和医療学分野並びに附属病院緩和支持治療科では以下の目標を掲げて活動しています。
  1. 生命の危機に直面する疾患を持つ患者・家族のQOLの向上
  2. 専門緩和ケアサービスに従事する医師の養成と共に働く医療・福祉従事者の支援
  3. 臨床研究を通じた緩和医療学の発展と向上

先端緩和医療学分野・緩和支持治療科の概要

 本分野では患者・家族のQOLの向上と緩和医療学の発展のために以下のような研究活動を行っております。

1)疼痛や呼吸困難など各種症状の評価方法および緩和治療の開発研究
2)効果的な意思決定支援やアドバンス・ケア・プランニングに関する研究
3)非がん疾患(心不全など)や救急・集中治療領域の緩和ケアの提供体制の確立に関する研究

 また、緩和医療の専門医としてがん医療および地域社会に貢献できる専門家を養成しています。具体的には、急性期病院での緩和ケアコンサルテーション、ホスピス・緩和ケア病棟での入院診療、訪問診療を含めた診療所での診療を通じて緩和ケア診療を横断的に経験するとともに、継続的なレクチャー等を通じた専門知識の修得を行い、日本緩和医療学会緩和医療専門医を取得できるよう専門医養成を行うとともに、緩和医療に関する臨床研究を行い博士号を取得できるよう大学院生の指導を行っています。

 詳細につきましては、神戸大学がんプロフェッショナル養成プランのHPもご参照ください。
神戸大学がんプロフェッショナル養成プラン

 お問い合わせや見学希望などは下記連絡先までお願いします。


 

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