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特 色
耳鼻咽喉・頭頸部外科疾患全般を対象として診療を行っています。頭頸部癌に対しては、関連各科と共同で根治とQuality of Lifeの両立を目指した治療を心掛けています。慢性副鼻腔炎など鼻副鼻腔の手術では、耳鼻科専用ナビゲーションシステムを用いた低侵襲で安全な内視鏡手術を行っています。中耳炎の手術、めまい・難聴の診断と治療、音声機能改善手術、嚥下障害のリハビリテーション、嗅覚障害、アレルギー性鼻炎、顔面神経麻痺にも力を注いでいます。
頭頸部癌
頭頸部領域に発生した悪性腫瘍の治療において、Quality of Lifeの維持と治療成績の向上を両立することは大変難しい命題です。放射線科・腫瘍内科・歯科口腔外科・消化器内科との合同カンファレンスにて治療方針を検討し、形成外科・消化器外科・脳神経外科など関連各科の協力を得て、根治性を高めるとともに、機能温存を心がけ、患者様お一人お一人に最も適した治療を受けていただくよう日々の診療に当たっています。
代表的頭頚部癌の治療方針
1. 喉頭癌
年間症例数は約40例。早期の喉頭癌(ステージI)放射線治療でよく治ります。中期の喉頭癌(ステージIIとIII)放射線治療単独では治癒率があまり高くありません。そこで放射線の当て方を工夫し、抗癌剤を組み合わせて治療効果を高めています。放射線治療後に再発した場合には、可能な限り喉頭を温存して癌を切除する喉頭部分切除術や喉頭亜全摘術を行ないます。進行した喉頭癌(ステージIV)では両側の声帯も含めて喉頭を摘出する喉頭全摘術が必要となります。手術により声を失うことになりますが、当科で開発された天津式気管食道瘻形成法やボイス・プロテーシスなどにより会話機能を再獲得できるようにします。
2. 下咽頭癌
年間症例数は約30例。下咽頭癌の5年生存率は30~50%と、耳鼻科領域の中で最も予後が最も厳しい癌の一つです。見つかったときには既に進行している場合が少なくありません。原発巣が小さい場合には、リンパ節転移だけを手術で治療し、喉頭・下咽頭は抗癌剤と放射線による保存的治療や機能温存手術を行なうようにしています。電子内視鏡の発達により最近増えてきた極めて早期の表在癌は顕微鏡・内視鏡下に経口的に切除します。進行癌や再発癌に対しては、喉頭を含めた拡大切除を行っています。
3. 口腔癌・中咽頭癌
口腔癌・中咽頭癌の新患は年間各20~25例。中咽頭癌の大半は、化学療法併用放射線療法で治療しています。舌癌には基本的に手術が必要ですが、形成外科の協力により、構音・嚥下機能を重視した再建手術を行っています。治療前から言語聴覚士によるリハビリテーションや歯科口腔外科による口腔ケアを開始し、Quality of Lifeの向上を目指しています。
4. 上咽頭癌
放射線や抗癌剤が非常に良く効きますので、手術は行なわず放射線と抗癌剤治療を組み合わせた治療を受けていただきます。肺や肝臓などへの遠隔臓器へ転移することが多いので、退院後も遠隔転移予防のために外来で定期的に抗癌剤の治療を受けていただくことをお勧めしています。
5. 鼻副鼻腔癌
手術は年間約30例。超選択的抗癌剤動注療法を併用した放射線治療や、内視鏡とナビゲーションシステムを用いた手術などから、癌の進展範囲に応じて最適な治療法を選択し、機能と形態の温存を心がけています。頭蓋内に進展した進行癌に対しては、脳神経外科・形成外科と合同で行なう拡大手術には定評があり、県外からもご紹介いただいています。
6. 甲状腺・唾液腺腫瘍
手術は年間約70例。甲状腺と耳下腺などの唾液腺の腫瘍性疾患は多彩な病理組織の腫瘍が含まれますので、専門外来にて系統的な術前診断を行ない、手術の適応を決定します。余儀なく顔面神経や声帯を動かす反回神経を切除せざるを得ない場合には積極的に神経の再建を行います。

