 ヒトのがんのほとんどは上皮組織に生じます。上皮組織に生まれたがんのもとになる異常細胞(がん原性細胞)は、通常周囲の正常組織からの“選択圧”を受けることによって組織から排除されると考えられますが、この選択圧を担う分子メカニズムはこれまでほとんど分かっていませんでした。
細胞生物学分野(G-COE)井垣達吏特命准教授、大澤志津江グローバルCOE研究員らの研究グループは、ショウジョウバエの上皮組織をモデル系として用い、正常な上皮組織ががん原性細胞を積極的に排除するメカニズムを明らかにしました。正常な上皮細胞は、その隣に極性を崩壊したがん原性細胞が出現するとそれに応答してストレスキナーゼタンパク質JNKを活性化し、これが細胞骨格の再編成を介して貪食能を亢進させることでがん原性細胞を飲み込んで細胞死を誘導することを突き止めました。
本成果は、2011年3月14日付けの米科学雑誌Developmental
Cellに掲載されました。掲載号の巻頭に特に秀逸な論文
featured article として動画を交えた紹介記事があります。
プレスリリース用の詳しい記事については、こちらを参照ください。
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写真1※
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※(写真1)正常な上皮細胞は、隣にがん原性細胞が出現するとそれに応答してストレスキナーゼタンパク質JNKを活性化する。極性を崩壊したがん原性細胞を緑、JNKを活性化した正常細胞をマゼンタで可視化した。
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【関連サイト】 細胞生物学(G-COE)井垣研究室オリジナルサイト
【掲載記事】 読売新聞(3月24日朝刊24面) |