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  大規模国際共同研究による孤発性パーキンソン病の危険因子発見に東大・神大グループが貢献

パーキンソン病は黒質のドパミン神経細胞の変性脱落を伴う中枢神経系の代表的な変性疾患で,その有病率はわが国では人口10万人あたり100〜150人と推定されてます(難病情報センター参照)。パーキンソン病にはメンデル遺伝形式にしたがい兄弟や親子間などに発症する家族性パーキンソン病と,他の家族にとは無関係に発症する孤発性パーキンソン病に大別されますが,家族性パーキンソン病は,単一遺伝子異常で,その原因としてαシヌクレイン遺伝子の変異(Polymeropoulos et al., Science, 276:2045-2047, 1997)やパーキン遺伝子の変異(Kitada et al., Nature 392:605-608, 1998)であることがすでに突き止められています。しかし,パーキンソン病の95%を占める弧発性パーキンソン病の原因は不明で,その原因解明が急がれています。最近,米国NIHのSidransky 博士を中心とする大規模国際多施設共同研究により,人種に関係なくゴーシェ病の原因遺伝子GBAの変異がパーキンソン病の重要な危険因子であることが明らかとなり,研究結果が10月22日付けの米国科学誌The New England Journal of Medicineに発表されました(Sidransky et al., N Engl J Med. 361:1651-1661, 2009)。この大規模国際多施設共同研究には,わが国からは東京大学医学部辻省次教授(神経内科学)と神戸大学医学部戸田達史教授(神経内科学,分子脳科学)の研究グループが参加し,大きな寄与を果たしました(東京大学医学部附属病院プレスリリース参照)。

孤発性パーキンソン病は単一遺伝子異常ではなく,発症に関する複数の危険因子があると推測されていましたが,本お知らせ欄(平成21年5月28日付)にて紹介しているように,辻教授と戸田教授は,2009年5月にゴーシェ病の原因遺伝子GBAの全ての遺伝子変異を網羅的に検索する手法により,GBAが日本人の弧発性パーキンソン病の危険因子であることを突き止めています(Mitsui et al., Arch Neurol 66:571-576, 2009)。日本人に限らずGBA遺伝子変異がパーキンソン病の危険因子であることは,世界の複数の研究者が報告していますが,用いる手法の違いや,被験者数が少ないこと,人種差などから,その頻度や危険因子としての影響力について一定した評価が得られていませんでした。今回の大規模国際多施設共同研究には,アメリカより5施設,ヨーロッパより6施設,イスラエルより2施設,アジアより3施設の計16施設が参加し,5,691名のパーキンソン病患者,4,898名の健常者のGBA遺伝子変異の有無が調べられました。その結果,人種に関係なくGBA遺伝子変異が弧発性パーキンソン病の主要な危険因子であることが証明されました。今後,パーキンソン病の病態解明や治療が加速されることが期待されます。

【戸田教授コメント】
「本研究の成果はGBA遺伝子の変異がパーキンソン病の重要な遺伝的危険因子であることを確立するとともに、原因不明の神経難病であるパーキンソン病の発症メカニズム解明の大きな一歩となり、新たな視点からの治療薬の開発の進展に期待が高まります。」
 
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