神戸大学 神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・代謝・内分泌学分野
留学体験記

海外留学を経て日本で活躍されている先生、現在まさに海外で研究を続けておられる先生などの貴重なお話を掲載します。
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モントリオールのマギル大学に留学された梶先生からのお便りです。

梶 博史 Hiroshi Kaji


マギル大学にて

梶先生1997年6月よりモントリオールのマギル大学Calcium Research Laboratoryに留学することとなりました。

モントリオールはカナダのケベック州にあるカナダで2番目に大きな都市ですが、ケベック州ということもあってラテン系の雰囲気が街にただよった美しい街です。ケベックの独立問題が話題になっているので少し危ないのかなというイメージも最初ありましたが暴力的な事件は何もなく、治安もいいので夜中の1時2時まで研究していても家に帰れます。

夏は非常に過ごしやすくいいところですが、世界の大都市でもかなり高緯度にあるということもあって、冬は10月から4月あるいは5月まで延々と雪がつもっています。
1998年の1月にはモントリオールでは今世紀最大のアイスストームにあって、ケベックじゅうのライフラインが被害をうけて、3日ほど電気なしで過ごしました(もちろん郊外や一軒家の人々は数週間だめだったようです。)。
アイスストームといってもイメージがわきにくいと思いますが、急に気温がさがった時に一気に大量の氷ができた時におこるもので、最初は木や自動車が氷におおわれて、非常に美しい雪祭のような景色になります。それが気がついてみると電気や水道などがダメージをうけて、木々は氷の重みでばたばたと倒れていきました。ケベックの経済的損害は阪神大震災なみだったということです。

さてマギル大学というのはカナダではかなり伝統のあるところで、ウイリアムオスラーとかペンフィールドといった人が出ているところです。
私はそこのCalcium Reaearch LaboratoryでボスはDavid Goltzmanというマギル関連のRoyal Victoria病院やMontreal General病院の内科のチーフをしている先生です。

研究プロジェクトとしてはたまたま留学したのと同じ時期に多発性内分泌腺腫症(MEN)1型の原因遺伝子が15年かかってクローニングされたという論文がNIHから出たので、それについてやってみようということになりました。もちろんラボでもまだだれもやっていないのでまったくのゼロからのスタートで、ある意味ではそういうのが一番研究の楽しさが味わえるのかもしれません。

ただ現実は厳しくすでに1年が経過して抗体やいろんなコンストラクトはできてきたけど闇の中を懸命に泳いでるような毎日です。こちらのラボの雰囲気はどんなのかというと比較的のんびりしてて、システムもむしろ日本に近いかもしれません。
まともにいったらちょっとアメリカのラボにはかなわないかなあという印象なので、たいていの日本人の先生は日本で研究してる時とくらべてメリットは時間がたくさん使えることかなあといわれる方が多いのが現状です。

ただアメリカにくらべてやはり安全で、食べ物もおいしく、物価も安いのでとても住みやすいところだと思います。French Canadianは一般にいい人が多いようです。いい結果がでないとなんともいえないけど、私の留学としてはけっこういい経験ができてると思います。
ラボには日本人は私一人なので、最初の1年単身留学してたこともあって、1-2週間日本語をまったく使えないこともしばしばあって、日本語を使えることは本当にありがたいことだなあと思いました。今は家族と合流してまた違ったパターンの生活になっていますが、この与えられた機会を最大限に生かせるような留学生活にできたらなあと思います。



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