神戸大学 神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・代謝・内分泌学分野
留学体験記

海外留学を経て日本で活躍されている先生、現在まさに海外で研究を続けておられる先生などの貴重なお話を掲載します。
是非、お役立てください。

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2年間シカゴ大学で学ばれた三宅先生からのメッセージです。

三宅 一彰 Kazuaki Miyake


シカゴコネクション

2004年3月から2006年3月までのベル教授のもとに留学しました。
神戸大学大学院博士課程では前教授・春日先生のもとでマウスや培養細胞を用いてインスリンシグナル関する研究に従事していましたが、2002年博士号取得後に春日先生の勧めもあり遺伝学分野へ転向しました。ベル教授はMODY(若年発症糖尿病)の原因遺伝子の同定や2型糖尿病遺伝子カルパイン10の同定などの業績があり、糖尿病遺伝学の分野では第一人者でした。

留学してから判ったことなのですが、ベル教授はこれまでに50人ほどの日本人留学生を受け入れて来られ、古くは(というと失礼ではありますが)当教室の清野進教授のアメリカ留学時代の同僚であり、旧知の仲という方だったのです。

シカゴ大学はこれまで数多くのノーベル賞受賞者を輩出していて、2008年には南部陽一郎先生がノーベル物理学賞を受賞されたこと、大統領選に勝利したオバマ氏が教鞭を執っていたこと(ついでにオバマ氏の奥様も大学の職員だった)で日本でも有名になりました。

シカゴ大学はシカゴのダウンタウンから南に10km程度離れたハイドパークにあり、私もそのハイドパーク内、研究室まで歩いて10分ほどのところに住んでいました(ちなみに私のアパートは56番通りで、大統領選に勝利するまでオバマさん住んでいたのが51番通りとご近所[neighborhood]だったことをつい先日知りました)。

家族4人でシカゴに引っ越したのですが、生活のセットアップなどは同じ研究室日本人の先生にかなり助けていただきました。その先生とは2ヵ月ほど重なっただけで、その後私が帰国するまで研究室の日本人は一人だけという環境でした。それでも、ベル教授はもちろん研究室の他のメンバーも非常に親切で、英語の得意でない私でもほとんど不自由のない研究生活を送ることができました。

日本との一番の違いは、当直や外勤などのdutyがないことと感じていました。時間があるので、自分の実験だけでなく、遺伝学・疫学の授業や糖尿病研究のレクチャーなどにも積極的に参加しました(ヒアリングの勉強にもなります)。また、家族との時間も満喫できたと思います。シカゴ大学にも日本人のコミュニティがあるのですが、その中でも私と同じような環境で留学されている医学系の先生数人とは家族ぐるみで仲良くしていただきました。

留学によって研究分野の知識・技術が向上することはもちろんですが、世界各国・日本国内に色々な繋がり=コネクションを拡げることができます。私の場合、ベル教授を中心とした“シカゴコネクション”(と清野先生が名付けていました)で、これは研究だけに限らず貴重な財産になります。

糖尿病・内分泌分野の臨床は非常に興味深く、毎日の診療がとても勉強になります。その根底にある機序に少しでも興味を持ってくれて、研究を志そうという人が出てくればうれしく思います。



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