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研究活動・基礎研究

循環代謝グループ

循環代謝グループの研究プロジェクト

  1. 高比重リポ蛋白(HDL)の量と質に関する研究
  2. トランス脂肪酸の冠動脈疾患リスクに関する研究
  3. 炎症収束性脂質メディエーターと循環器疾患に関する研究
  4. 心不全の病態解明に関する研究
  5. 高LDL血症や高レムナント血症の病態と治療に関する研究
  6. 血清バイオマーカー研究
  7. 血管内皮細胞研究
  8. 生体内血栓モデルを用いた血栓症研究
  9. 運動療法と抗炎症作用
  10. 尿中心筋由来バイオマーカー研究
  11. 高血圧研究
<スタッフ>
<ALMINI>

1. 高比重リポ蛋白(HDL)の量と質に関する研究


1) HDLの機能に関する研究
  • 「善玉コレステロール」とよばれるHDLは動脈硬化の抑制因子であり、治療標的としても注目されています。しかし、本来は「善玉」であるはずのHDLが、炎症などの病態では、「dysfunctional = 悪玉」となることが報告されています。
  • HDL粒子がもつ重要な機能として、コレステロールの引き抜き作用があります。私たちは、簡便で再現性の高いHDL機能の測定系として、コレステロール取り込み能(cholesterol uptake capacity: CUC)を確立しました。
  • この方法を用いてdysfunctional HDLの日常臨床での診断が可能となりました。
  • 「HDLの質」の変化のメカニズムと、脂質異常症治療薬(スタチン、コレステロール吸収阻害薬、EPA製剤、フィブラート、プロブコール等)がHDLの量と質に及ぼす効果についての基礎および臨床研究を行っています。その一例として、高純度EPA製剤やスタチンがHDLの抗動脈硬化作用を増強することを明らかにしました。
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2)血清HDL値の制御機構に関する研究
  • 血清HDL値は、肥満や喫煙、運動不足、糖尿病、脂質異常症などによって低下し、メタボリック症候群の診断基準にも入っています。しかし、低HDL血症の分子機序が複雑なために、その治療法の開発は遅れています。
  • 私たちはHDLの分解代謝酵素である血管内皮リパーゼ(Endothelial lipase : EL)を単離同定しました。ELは血清HDL値の規定因子であることから、ELの血中濃度や酵素活性を測定することによって血清HDL値異常の原因検索をすることが可能です。私たちは(株)免疫生物研究所(IBL)と共同で、ヒト血中のEL蛋白濃度の測定系を開発しました。また、ELの機能を阻害することによってHDLを上昇させることができることから、「EL阻害療法」という新たな動脈硬化治療法の開発を目指しています。
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2. トランス脂肪酸の冠動脈疾患リスクに関する研究

  • トランス型の二重結合を持つ多価不飽和脂肪酸であるトランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングなどに多く含まれています。トランス脂肪酸摂取量が多い欧米では、トランス脂肪酸が心疾患リスクを高めることが報告されトランス脂肪酸の摂取を規制する動きがあります。一方、日本では、トランス脂肪酸の摂取量や血中濃度と冠動脈疾患との関係を検討した報告は多くありません。
  • 私たちは日本人の冠動脈疾患患者を対象に、ガスクロマトグラフ質量分析装置で測定した血清トランス脂肪酸濃度と冠動脈疾患発症との関連性を研究しています。実際に、日本においても血清トランス脂肪酸濃度は冠動脈疾患のリスク因子であり、冠動脈疾患やメタボリック症候群の患者では、年齢が若い人ほどトランス脂肪酸濃度が高いことが明らかになりました。とくに欧米化した食習慣をもつとされる若い世代では、トランス脂肪酸の摂取は将来の冠動脈疾患の発症につながる可能性があります。
  • トランス脂肪酸の動脈硬化促進作用の機序を、細胞実験や動物実験によって解明しています。

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3. 炎症収束性脂質メディエーターと循環器疾患に関する研究

  • 炎症は本来、外的傷害に対する生体の防御反応ですが、慢性化すると動脈硬化などの不可逆的な組織障害を引き起こすため、生体にとって適切な炎症収束プロセスが必要です。従来、炎症収束プロセスは、炎症惹起性サイトカイン・脂質メディエーターの産生低下・希釈に伴って「受動的に」進行するプロセスであると捉えられてきましたが、近年、特異的な脂質メディエーターによって制御される「能動的な」プロセスであることが明らかになりつつあります。
  • 炎症収束性脂質メディエーターは、主にω3多価不飽和脂肪酸を基質として産生されます。このメディエーター群は、リポキシン群・レゾルビン群・プロテクチン群・マレイシン群の4つのファミリーからなり、nMレベルのわずかな濃度で炎症を収束させる「生理活性物質」として作用します。
  • 炎症収束プロセスが機能不全に陥ることで、動脈硬化などの慢性炎症性疾患が生じるのではないかと考え、炎症収束を活性化させる治療法の開発を目指したいと考えています。
  • 生体内の脂質メディエーターは非常に微量にしか存在していないので、その分析には本学に設置された質量分析総合センターで超高感度脂質メディエーター解析システムを利用しています。
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4. 心不全の病態解明に関する研究

  • 心臓は生涯絶え間なく働いており、莫大なエネルギーを常に確保できるようミトコンドリアを豊富に持っています。一方でミトコンドリアは活性酸素種の産生源ともなるため、心臓には酸化ストレスに対する精緻な防御機構があると考えられています。
  • 2-アミノ酪酸(2-AB)は神経伝達物質として有名なGABAの構造異性体ですが、その代謝や生理作用についてはこれまでほとんど知られていませんでした。我々は生体内で酸化ストレスの除去に重要な役割を果たすグルタチオンの代謝制御機構に2-ABが深く関わり、酸化ストレスを介して心臓にダメージを与える抗がん剤に対して保護的に作用することを明らかにしました
  • ケトン体は生体が飢餓に陥った際の非常用エネルギーとして重要な役割を果たすことが知られていますが、以前より心不全患者の血液や呼気中でケトン体濃度が上昇することが知られていました。最近、ケトン体は非常用エネルギーとして以外に、様々な生理作用を有することが報告されています。我々はケトン体が心不全の際にエネルギー源としてのみでなく、抗酸化作用を介して心臓に保護的に働くことを解明しました。
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5. 高LDL血症や高レムナント血症の病態と治療に関する研究

  • 「悪玉コレステロール」とよばれるLDLは動脈硬化の強い危険因子です。また、トリグリセリドを運ぶVLDLやレムナントも動脈硬化の促進因子です。私たちは、各種高脂血症治療薬(スタチン、コレステロール吸収阻害薬、オメガ3系脂肪酸製剤、フィブラート、プロブコール等)の薬効に関する臨床研究を行っています。
  • 血清脂質は、食事・腸管由来の「外因性脂質」と肝臓由来の「内因性脂質」に分けられます。スタチン製剤の普及により内因性脂質(LDLコレステロール)の管理が比較的容易になったのに対して、外因性脂質(トリグリセリドやレムナント、脂肪酸等)の重要性はあまり深く認識されていません。私たちは、「総合的な脂質管理」を目指して、外因性脂質を含めた脂質異常症の病態解明と治療標的に関する研究を行っています。、また、カリフォルニア大学デイビス校と共同研究を行い、食後高脂血症における外因性脂質の影響を評価し、新たなる治療戦略を模索する研究を行っています。
  • 脂質異常症の病態と脂質異常症治療薬の作用機序について、動物モデルや培養細胞を用いた基礎的研究を行っています。
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6. 血清バイオマーカー研究

  • 冠動脈疾患患者には、継続的に脂質異常症や糖尿病、高血圧などの管理が行われます。しかし、その後も再狭窄を繰り返したり、新規病変が進行する場合があります。このような高リスク患者の血清中の分子を網羅的に解析し、病態と相関する新しいバイオマーカーの同定を試みています。
  • 血清ミエロペルオキシダーゼ(MPO)やパラオキソナーゼ(PON)は、HDL粒子の抗動脈硬化作用を制御し、dysfunctional HDLの生成に関連している可能性があります。このためMPOとPONは冠動脈ステント治療後の再狭窄や新規病変のバイオマーカーとなる可能性があり、その機能解析を行っています。
  • 立証検査医学分野(シスメックス寄付講座)と共同で本格的な研究を行っています。
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7. 血管内皮細胞研究

  • 血管内皮は血管機能の維持に中心的な役割を果たしており、血管内皮障害は種々の病気の直接の原因となります。私たちは血管内皮細胞の機能の解明と新たな治療法への応用を目指して、新規分子の同定と機能解析を行っています。
  • 私たちは血管内皮特異的接着分子(ESAM)を発見しました.ESAMは動脈硬化や腫瘍血管新生、炎症などの病態に深く関与することが判明し、このような病態の指標や治療標的になる可能性があります。ESAMの生体内での機能や心血管疾患における役割を研究しています。
  • Junctional protein associated with coronary artery disease(JCAD)は、血管内皮細胞の細胞間に局在する新規の分子であり、ヒトゲノムワイド関連研究において、JCADの一塩基多型と冠動脈疾患や心筋梗塞発症との有意な関連性が報告されています。しかし、JCADの生理機能や、心血管病の発症進展における意義は明らかではありません。本研究では、基礎研究および臨床研究を駆使して、JCADの心血管病発症・進展における役割を解明しています。
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8. 生体内血栓モデルを用いた血栓症研究

  • 血栓症は臨床的に大きな問題(心筋梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓症、心房細動における左房内血栓、ステント血栓症など)であり、抗凝固療法や抗血小板療法を行われている症例が非常に増えています。血栓症の病態生理を明らかにするために、我々は以下のような独自性のある血栓症に対する研究を行っています。
  • 血栓症の発症には、生体内での物理的な血流異常が非常に重要であるにもかかわらず、これまでの血栓症研究は、血小板や凝固因子などに注目したin vitroでの研究が主でした。また、生体内の血栓症モデルの作成が手技的に困難である等の理由で、世界的にも研究施設は限られていました。私たちは生体内の血栓症モデルの作成手技や、独自の再発性血栓モデルの作成、分子イメージングによる評価にも成功しています(Hara T, et al. Circulation 2014)。これら技術を駆使することで独自性の高い血栓症研究を継続したいと考えています。
  • 我々の研究グループが機能解析してきたEL、ESAM、JCAD等の血管内皮の分子に着目した血栓症の分子機構の解明と新規治療法の開発を目標としています。
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9. 運動療法と抗炎症作用

  • 慢性心不全や動脈硬化疾患に対する有効な治療法である運動療法の抗炎症作用について研究を行っています。
  • 炎症収束性脂質メディエーターや関連受容体に着目し、培養細胞や動物モデルを用いた研究で抗炎症効果の分子メカニズムを探索しています。
  • 質量分析センター、神鋼記念病院と共同研究を行っています。
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10. 尿中心筋由来バイオマーカー研究

  • 神戸学院大学の松尾雅文教授との共同研究で、心筋由来の尿中バイオマーカーの研究を行っています。
  • 尿を用いて非侵襲的に心筋疾患の診断、治療判定を行うことを目指しています。

11. 高血圧研究

  • 各種降圧薬の薬効評価についての臨床研究を行っています。
  • 高血圧(圧負荷)によって生じる心臓血管合併症の発症機序について、動物モデルや培養細胞を用いた基礎的研究を行っています。
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<スタッフ>
石田 達郎   特命教授(地域医療ネットワーク学分野兼任)
篠原 正和   准教授(疫学分野質量分析総合センター
杜 隆嗣    特命准教授(立証検査医学分野兼任)
小林 成美   助教
入野 康宏   特命助教(立証検査医学分野
原 哲也    特命助教
森 健太    特定助教(総合内科
中島 英人   医学研究員
長尾 学    大学院生
津田 成康   大学院生
尾下 寿彦   大学院生
渡部 晃一   大学院生
岡野 光真   大学院生
吉田 江身子  実験助手
一柳 映美   実験助手
神戸大学循環器内科、循環代謝グループ2017
<ALUMNI>
井上 通彦   龍野中央病院
岡田 武哲   国立病院機構 神戸医療センター
乙井 一典   特命助教(神戸大学総合内科
呉羽 布美恵  三田市民病院
佐々木 真希  西記念ポートアイランドリハビリテーション病院
孫  麗    大阪警察病院
平 和樹    芦屋たいらクリニック
田中 伸明   六甲アイランド甲南病院
田中 華代   社会福祉法人オービーホーム
中島 英人   中島内科
破磯川 実   市立加西病院
劔物(原口)英子 神戸市立医療センター西市民病院
福田 亨    兵庫県立加古川医療センター
本庄 友行   神鋼記念病院
岩崎(門口)倫子   
森 健茂    三豊総合病院
安田 知行   三田市民病院
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