[「超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUSFNA)を行った膵癌患者の前向きコホート研究」の研究について]

患者さんへ

「超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUSFNA)を行った膵癌患者の前向きコホート研究」の研究について

はじめに

神戸大学医学部附属病院消化器内科では、現在、本研究開始日(2016629日)から2025331日の期間中に本院に入院された患者さんのうち、膵腫瘤に対してEUSFNAが予定されている患者さんを対象に研究を実施しております。内容については下記のとおりとなっております。

尚、この研究についてご質問等ございましたら、最後に記載しております[問い合わせ窓口]までご連絡ください。

1.   研究概要および利用目的

膵癌は近年増加傾向にある癌です。近年、膵癌の4つの主要な遺伝子変異が発見されました。また、多くの代謝物(アミノ酸、糖、脂質など)を一斉に解析する「メタボロミクス」という技術が発展し、様々な疾患において特徴的な代謝物の変化が起こっていることが次々に報告されています。近年、新しい抗がん剤治療が開発され、その効果が期待されていますが、膵癌の遺伝子変異や代謝物と化学療法の効果、予後との関連性ははっきりとはしていません。遺伝子変異や代謝物により化学療法の効果や予後を予測することができれば、膵癌の病態解明や治療に有用なデータが得られる可能性があります。

近年、膵腫瘤の診断に超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUSFNA)が有用とされ、多く行われるようになっています。本研究は膵癌を含む膵腫瘤患者を対象として超音波内視鏡下穿刺吸引術で得られた検体(以下EUSFNA検体)・手術検体・血液を用いて遺伝子変異の解析及びメタボロミクスを行う事で、膵癌の分子学的な特徴や代謝物と薬剤感受性及び予後との関連性を調べます。

  

2.   研究期間

 この研究は、神戸大学大学院医学研究科長承認年月日(平成28629日)から平成391231日まで行う予定です。

3.   取り扱う試料およびデータ

A    通常診療の血液検査時に研究用採血管(5ml)を1本加え、同時に採血を行います。

A通常診療のために行ったEUSFNA検体に加えて、研究用に2検体追加の組織を採取させていただきます。手術を受けられた方は手術検体も使用させていただきます。また、カルテより登録時には患者の性別、年齢、身長、体重、病名、病変の部位、診断契機、病歴(癌の家族歴、糖尿病など基礎疾患の情報)、生活歴(喫煙、飲酒、運動量などの情報)、治療内容(手術、薬物治療)、病理検査結果、一般血液検査結果(血算、生化学、腫瘍マーカーなど日常診療で使用する血液検査)を情報収集させていただきます。

BEUSFNA検体・手術検体の遺伝子分析をおこない、分子学的特徴を明らかにします。また、EUSFNA検体・血液検体の分析をおこないメタボロームの特徴を明らかにします。

C上記から得られたそれぞれの患者さんのデータを比較しながら、膵癌の遺伝子変異・代謝物と薬物治療の効果や予後との関連性について検証します。追跡調査として、追跡時には、一般血液検査結果(血算、生化学、腫瘍マーカーなど日常診療で使用する血液検査)を情報収集させていただきます。また、法律などで定められた正当な手続きを行ったうえで、がん登録や診療情報(介護保険、診療報酬明細書の情報を含む)の照会、住民票照会・請求、死亡小票・死亡票あるいは死亡診断書の閲覧により行います。追跡は登録から最大5年間の予定とし、その間必要に応じて適宜行ないます。

4.   個人情報保護の方法

個人情報、検査結果などの記録、保管は第三者が直接患者さんを識別できないよう登録時に定めた登録番号を用いて行います。また得られた記録は、インターネットに接続していない外部記憶装置に記録し、神戸大学大学院医学研究科消化器内科学研究室の鍵のかかる保管庫に保管します。

5.   研究へのデータ提供による利益・不利益

利益・・・・EUSFNA検体の遺伝子検索により、診断がつかない場合に補助的に診断できる場合があります。また、直接的な利益ではありませんが、この研究の成果によっては、今後、治療法の選択に際してよりよい治療法が明らかになる可能性があります。

不利益・・・通常診療の採血時に、血液5mlを研究用として余分に採取します。EUSFNA検体は研究用として通常の組織採取に加え、2検体多く検体を採取します。手術検体は通常診療で採取された検体を使用します。追加採取する血液量は通常人体に負担がない範囲であるため、本研究に伴う不利益はありません。EUSFNAの穿刺回数は通常診療を逸脱しない範囲です。

6.   研究終了後の試料およびデータの取り扱いについて

今回の研究に使われるデータが医学の発展に伴って、他の病気の診断や治療に新たな重要な情報をもたらす可能性があります。このため、データ等を研究終了後も保存させていただき、新たな研究等に使用させていただきたいと思っています。その場合にも、上記のように全ての患者さんの情報を匿名化してデータを扱い、データが使い切られるまで厳重に保管いたします。ただし、本研究終了後にデータを廃棄することを望まれていらっしゃる場合には、下記 [問い合わせ窓口]までご連絡ください。この場合には、個人を特定できない状態で速やかに廃棄させていただきます。

なお、保存させていただいたデータを用いて新たな研究を実施する際には、その研究について、医学倫理委員会で再度、審査を受けることとなっております。

7.   研究成果の公表について

研究成果が学術目的のために論文や学会で公表されることがありますが、その場合も、患者さんの個人情報の秘密は厳重に守られますので、第三者に患者さんの個人情報が明らかになることはありません。

8.   研究への試料およびデータ使用の取り止めについて

いつでも可能です。取りやめを希望されたからといって、何ら不利益を受けることはありませんので、試料およびデータを本研究に用いられたくない場合には、下記[問い合わせ窓口]までご連絡ください。取り止めの希望を受けた場合、それ以降、患者さんの試料およびデータを本研究に用いることはありません。しかしながら、同意を取り消した時、すでに研究成果が論文などで公表されていた場合のように、結果を廃棄できない場合もあります。

9.   問い合わせ窓口

この研究についてのご質問だけでなく、ご自身のデータが本研究に用いられているかどうかをお知りになりたい場合や、ご自身のデータの使用を望まれない場合など、この研究プロジェクトに関することは、どうぞ下記の窓口までお問い合わせ下さい。

神戸大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野 助教 増田 充弘 

連絡先:0783825111(代表) 内線 71513