[ERCP後膵炎に対する膵管ステントの予防効果の有用性に関する後ろ向き研究]

神戸大学医学部附属病院消化器内科では、実地医療として消化器疾患をもつ患者さんの診断や治療を最新の研究成果や医療技術を取り入れながら行っています。しかしながら、医療水準を維持し、さらに高めていくためには、前向きに臨床データを集めて解析したり、後ろ向きにこれまでの診療データを集めて解析することで、疾患の特徴やさまざまな治療法の有効性や課題を明らかにしていく「臨床研究」が不可欠です。
 現在、そのような臨床研究の一つとして、以前に入院されていた患者さんのうちで、内視鏡的逆行性胆膵管造影(ERCP)を実施された患者さんを対象に「ERCP後膵炎に対する膵管ステントの予防効果の有用性に関する後ろ向き研究」についての調査研究を実施しております。内容については下記をご覧ください。
 また、この調査研究についてご質問等ございましたら、最後に記載しております[問い合わせ窓口]までご連絡ください。

[研究概要および利用目的]
胆管や膵臓にご病気がある方に対しての検査としてERCPを行うことがありますが、合併症として重症の膵炎を起こすことがあります。ERCP後膵炎の発症メカニズムの一つとして膵液の流れが悪くなることが考えられており、検査後に膵管にステントと呼ばれるチューブを入れることでERCP後膵炎の発症を予防できることがこれまでに明らかにされています。しかしながら、ERCP後膵炎の高危険群の内容は多岐にわたっており、どのような高危険群で膵管ステントの予防効果が最も期待できるのかといった検討はほとんどなされていません。この研究は、ERCPを実施した患者さんを対象に膵管ステントを留置した患者さん群と留置しなかった患者さん群を選び出し、ERCP後膵炎の発生率を診療記録を用いて後ろ向きに調査します。傾向スコア解析という統計手法を用いることで、どのような高危険群において膵管ステントの予防効果が高いかを明らかにします。

[取り扱うデータ]
20064月から20092月までに、神戸大学医学部附属病院消化器内科で、ERCPを実施した患者さんを対象とします。データは対象患者さんの診療記録より情報を抽出します。調査項目は患者さんの臨床的特徴[年齢、性、ERCP後膵炎の危険因子(オッディ括約筋機能不全、膵炎既往、女性、プレカット、膵管造影、膵管処置、挿入困難(15分以上、検査時間30分以上)、膵管ステント使用の有無、膵炎を含めたERCPに関連した合併症]です。

[個人情報保護の方法]
本研究では、対象患者さんの個人情報が保護されるように、本研究に携わる研究者は割り当てられた登録番号で臨床データを識別します。

[研究参加による利益・不利益]
利益・・・本調査に参加いただいた患者さん個人には特に利益と考えられるようなことはございませんが、調査結果は、今後の消化器疾患の患者さんの診療成績の向上につながります。
不利益・・・診療記録からのデータ抽出のみのため、特にありません。

[研究終了後のデータの取り扱いについて]
最終解析終了後は、すべてのデータは廃棄されます。

[研究成果の公表について]
研究成果が学術目的のために論文や学会で公表されることがありますが、その場合もあなたの個人情報の秘密は厳重に守られ、第三者には絶対にわからないように配慮されます。

[
データ使用の取り止めについて]

あなたのデータが本研究に用いられているかどうかを知りたい場合や、用いられている場合において、あなたがデータ使用の取り止めを希望される場合には、いつでも下記 [問い合わせ窓口]までご連絡ください。取り止めの希望を受けた場合、それ以降、あなたのデータを本研究に用いることはありません。しかしながら、同意を取り消した時、すでに研究成果が論文などで公表されていた場合のように、結果を廃棄できない場合もあります。

[問い合わせ窓口]
神戸大学医学部附属病院 消化器内科 医員 竹中 完 
連絡先:0783826305