鼻の整形

鼻の手術について

鼻の手術の相談ってむずかしい?

「きれいな鼻」ってどんな鼻でしょう?この質問に正しい答えはありません。ツンと尖った鼻が好きな方、すっと鼻筋が通った鼻が好きな方、ちょこんとした小さな鼻が好きな方…みなさんそれぞれお好きな鼻が違って当然です。

では、あなたの鼻をどんな鼻に変えたいですか?「ここをちょっとだけ尖らせたい」「鼻の穴を目立たなくさせたい」「ちょっと小さめにしたい」・・・みなさんいろんな表現をされます。

そんな曖昧な相談で、あなたの悩みや希望って、初対面の担当医に伝わりますか?

大事なことは患者様も一緒に考えて、理解した上で手術を受けていただくことです。当院には、大学病院という特殊性もあって、他院の手術に満足できなかった患者様がたくさん相談に来られます。そんな時にしばしば「クリニックで勧められるままに手術を受けたので、どんな手術をされたかは知りません」という言葉を耳にします。 とても残念なことです。

特に美容外科の手術は、病気ではない身体にメスを入れる特殊なものです。どうか簡単に、そして安易に手術を受けないでください。

鼻の解剖と美容外科手術

鼻の構造を理解すれば、鼻の美容外科手術への理解も深まります。

「団子鼻を治したい」と悩んでいるなら、「団子鼻」などと簡単に言わず、まずはご自身の鼻をよく見て、触って、考えて、担当医と相談してください。

もしかしたら鼻の脂肪を減らして、軟骨の形を少し変化させるだけで満足できるかもしれません(鼻尖縮小術)。場合によっては鼻の軟骨だけでは高さが足りなくて、耳の軟骨を足してあげた方が満足できるかもしれません(鼻尖縮小術+軟骨移植術)。鼻骨の高さが足りなくて、シリコンで高さを足してあげることを提案されるかもしれません(鼻尖縮小術+軟骨移植術+プロテーゼによる隆鼻術)。鼻尖を高くしたいという希望が強い時には、肋骨を使うこともあります(肋軟骨移植による鼻中隔延長術)。

鼻の構造

鼻の構造

ご自身の鼻を触りながら読み進めてくださると、より理解しやすくなります。

小鼻(鼻翼)を親指と人差し指の二本の指でつまんでみてください。この部分には硬い骨はなく、柔らかい軟骨によって占められていることが分かります。この部分は主に大鼻翼軟骨という軟骨によって形が決められています。鼻翼の下には鼻の穴(鼻孔)がありますが、左右の鼻孔の間の壁は、鼻を支える柱としての役割があるので、鼻柱と呼ばれています。鼻柱のてっぺんは、一般的には鼻の頭などと呼ばれますが、正式には鼻尖といいます。鼻翼を形作る大鼻翼軟骨は、鼻尖部でぐにゃりと曲がって鼻柱の根元付近にまで達しますので、鼻翼のかなりの部分を占めていることが分かるでしょうか。

次に鼻柱を鼻の奥に向かって強く押してみてください。鼻柱の奥にある固い柱に触れると思います。これが鼻中隔軟骨です。鼻中隔とは、その名の通り「鼻」の「なか」の「隔たり」で、鼻の空気の通り道を喉の奥まで左右に分ける壁のことです。鼻中隔軟骨も鼻の形を決めるために非常に大事なものです。

また鼻翼に戻って、鼻翼をつまみながら徐々に指を頭側にずらしてみましょう。鼻翼の頭側に硬い骨が触れますが、これは鼻骨です。鼻骨は頬の骨から立ち上がるピラミッド型をしています。その高さや太さによって鼻筋の通り方は大きく影響されますし、部分的に突出するとわし鼻の原因になります。鼻翼と鼻骨の間には、外側鼻軟骨という軟骨がありますが、これは皮膚の上からは分かりにくいかもしれません。

鼻はこのような鼻骨と軟骨による骨組みが、脂肪と皮膚で包み込まれています。

手術詳細

隆鼻術

隆鼻術

隆鼻術は、鼻筋を高くするために行う手術です。

鼻の穴の中を切ってシリコンでできたプロテーゼを挿入、またはご自身の身体の組織を使って、鼻を高くしたり、鼻筋を綺麗に整えます。

鼻尖形成術

鼻尖形成術

鼻尖形成術は、鼻先の形状を整えるために行う手術です。

鼻尖の形を決定する大鼻翼軟骨に糸をかけることで形を整えていきます。余分な脂肪も同時に取り除くことで鼻の肉を薄くします。

鼻中隔延長術

鼻中隔延長術

鼻中隔延長術は、鼻先に高さを出し形状を整える手術です。

鼻中隔(鼻腔を左右に仕切る壁)に軟骨を移植し、形を整えます。

他の手術に比べると身体の負担も大きくなるので、当院では基本的に全身麻酔をお勧めしています。

鼻翼縮小術(小鼻縮小術)

鼻翼縮小術(小鼻縮小術)

鼻翼縮小術(小鼻縮小術)は、横に広がったり張ったりしている鼻翼(小鼻)を縮小するために行う手術です。

鼻の穴(鼻孔)の内側の皮膚を切り取る内側法と、外側の皮膚を切り取る外側法があります。

患者様の仕上がりのご希望や鼻の形状を確認した上で適切な方法をご提案します。

耳介軟骨移植

耳介軟骨移植

耳介軟骨移植は、耳の軟骨を鼻先に移植して形を整える手術です。

患者様ご自身の耳から軟骨を採取して、鼻先へ移植して形を整えます。

自己組織を使用することで、拒絶反応が起こるリスクが低く、自然な仕上がりが期待できます。

軟骨は耳の後ろから採取するので、傷跡が目立つことはほとんどありません。

耳介軟骨移植の注意点

施術時間
約90~120分
洗顔・入浴・メイク
洗顔・シャワー・メイクは患部を避けて当日から、入浴・患部のメイクは抜糸後(約1週間後)より可能
ダウンタイム
目立つ腫れは2~3日をピークに7~10日間程で引いていき、内出血は1~3週間で消失します。約4~6ヶ月で自然な状態になります。約1週間は日中もギプスの装着が必要です。
合併症・副作用
感染/血腫/内出血/腫れ/傷跡/鼻孔の左右差や鼻尖の曲がり/糸の露出/鼻孔縁が上がる/皮膚の盛り上がり・凹み/違和感/鼻閉感/耳の形態異常

鼻骨骨切り

鼻骨骨切り

鼻骨骨切りは、太い鼻筋を細く整えるために行う手術です。

鼻専用のノミを用いて鼻骨を切り内側に寄せることで、幅の広い(太い)鼻筋を細く整えます。

基本的に鼻の内側から骨切りを行うため(クローズ法)、表からは傷が目立つことはありません。

むくみがとれて馴染むまでには個人差がありますが、6ヶ月以上かかることがあります。

鼻骨骨切りの注意点

施術時間
約90~120分
洗顔・入浴・メイク
洗顔・シャワー・メイクは患部を避けて当日から、入浴・患部のメイクは抜糸・ギプス除去後(約1~2週間後)より可能
ダウンタイム
目立つ腫れは2週間程で引いていき、約4~6ヶ月で自然な状態になります。目元や鼻周辺に紫や緑色の内出血が起こる場合がありますが、1~3週間程度で落ち着きます。
合併症・副作用
感染/血腫/内出血/腫れ/傷跡/左右差/糸の露出/鼻閉感/骨切り部の段差/鼻筋が太すぎる・細すぎる/火傷/擦り傷/色素沈着

斜鼻修正

斜鼻修正

斜鼻修正は、曲がった鼻筋を真っ直ぐ整えるために行う手術です。

鼻骨や軟骨を骨切りして整え、鼻骨や鼻中隔の歪みを修正し、鼻の中心線を正しい位置に戻します。

鼻の外見だけでなく、鼻の通りもよくなるので呼吸も楽になります。

主にオープン法で行うので、傷跡は鼻の穴の中から鼻柱にかけてでき、なるべく目立ちにくくなるように縫合します。

斜鼻修正の注意点

施術時間
約120~180分
洗顔・入浴・メイク
洗顔・シャワー・メイクは患部を避けて当日から、入浴・患部のメイクは抜糸・ギプス除去後(約1~2週間後)より可能
ダウンタイム
目立つ腫れは2週間程で引いていき、約4~6ヶ月で自然な状態になります。目元や鼻周辺に紫や緑色の内出血が起こる場合がありますが、1~3週間程度で落ち着きます。
合併症・副作用
感染/血腫/内出血/腫れ/傷跡/左右差/糸の露出/鼻閉感/骨切り部の段差/鼻筋が太すぎる・細すぎる/火傷/擦り傷/色素沈着

わし鼻修正

わし鼻修正

わし鼻修正は、鼻筋の中央部分が出っ張っている部分を切除し、鼻のラインを滑らかに整える手術です。

この出っ張っている部分は「ハンプ」と呼ばれ、このハンプの程度によって術式が変わってきます。

基本的には、鼻の穴の内部から出っ張っている部分を削っていきますが、症状が軽度の場合はプロテーゼやヒアルロン酸を用いる場合があります。

傷跡は鼻の穴の中もしくは鼻柱にできるため目立ちにくいです。

わし鼻修正の注意点

施術時間
約90~150分
洗顔・入浴・メイク
洗顔・シャワー・メイクは患部を避けて当日から、入浴・患部のメイクはギプス除去後(約1週間後)より可能
ダウンタイム
目立つ腫れは2週間程で引いていき、約3~6ヶ月で自然な状態になります。鼻周辺に紫や緑色の内出血が起こる場合がありますが、1~3週間程度で落ち着きます。2週間後に抜糸を行います。
合併症・副作用
感染/血腫/内出血/腫れ/傷跡/左右差/鼻閉感/糸の露出/鼻が低くなったように感じる/段差や凹凸感/ハンプの残り/鼻筋が太すぎる・細すぎる

人中短縮術

人中短縮術

人中短縮術は、上唇と鼻の間の距離を短くすることで、顔のバランスを整える手術です。

鼻の下の皮膚を数mm切除することで上唇と鼻の距離を縫い縮め、鼻の下を短く整えます。

鼻の下の輪郭に沿って切開と縫合を行うため、傷が目立つことはほとんどありません。

人中短縮術の注意点

施術時間
約60~90分
洗顔・入浴・メイク
洗顔・シャワー・メイクは患部を避けて当日から、入浴・患部のメイクは約1週間後より可能
ダウンタイム
目立つ腫れや内出血は1週間程で引いていき、約1〜2ヶ月で自然な状態になります。
合併症・副作用
感染/血腫/内出血/腫れ/傷跡/左右差/唇の動きの違和感/つっぱり感/傷跡の段差・凹凸/人中の長さが残る・短すぎる

鼻の修正手術

まずは手術によって変形したものたちを、可能な限り元に戻すことを目指します。求める鼻の形状を目指すのは、それからです。