我が国は4人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎え、認知症の患者数も急速に増加しています。認知症の原因疾患として最も多いものがアルツハイマー病です。神経病理学的にはβアミロイド蛋白を主要構成成分とする老人斑と、リン酸化タウ蛋白からなる神経原線維変化の出現を特徴としています。
今までの研究から、βアミロイド蛋白が神経原線維変化に先行して脳内に蓄積することが示されており、ごくまれに見られる家族性アルツハイマー病家系の臨床遺伝学的検索から、βアミロイドの産生量や42アミノ酸からなる長めのβアミロイド(Aβ42)の産生比率が上昇することが発症を早めると考えられています。
当教室では、孤発性アルツハイマー病の発症機序を明らかにする目的で、Aβ42産生比率調整にかかわる分子の探索、およびβアミロイド産生に関与する分子の発現量を調整する仕組みの解明を、エクソンアレイを用いた発現解析や、メチル化の違いに注目して進めています。
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